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「お家でプロの味」だけじゃない
出張料理人の美味しいメリット

お家時間を豊かなものとするサービスとして“出張料理人”への注目が高まっています。しかし、新しいサービスであるだけに利用したことがない方にとっては、どのようにオーダーすれば良いのか、メリットや注意すべき点など不安も多いことでしょう。そんな不安を払拭すべく、実際に出張料理サービスを利用したレビューをお届けします。

まずは条件に合った
料理人探しからスタート!

出張料理サービスは、出張料理に対応する料理人さんを探すことから始まります。知人のシェフを招くというパターンもありますが、シェフが登録しているサービスサイトも充実しているので、まずは覗いてみると良いでしょう。

[出張料理サービスサイト(一例)]

■PRIME CHEF
https://www.primechef.cooking/

■うちchef
https://uchi-chef.com/

■シェフくる
https://chefkuru.jp/

サービスサイトを利用する場合は、どんなジャンルのお料理を食べたいか、予算はいくらかなどの条件で絞り込んでいくことができます。条件にマッチした料理人さんが複数いた場合には、料理人さんのプロフィールや写真、料理の写真を参考に、好みに合う方を選んでみることをおすすめします。そして、サービスサイトによって異なる手数料や交通費の有無など諸条件もチェックしておきましょう。

実際の出張料理サービスは
どのように進む? ~前日まで~

今回出張料理サービスを利用したのは40代のご夫婦です。一人10,000円の予算で和食をベースとしつつもアレンジの利いたお料理を提供してくれる料理人さんを探すなかでヒットしたのが、赤田直哉さんでした。

赤田さんは都内の割烹で腕をふるう板前さんで出張料理の経験も豊富。さらに出張料理の際には、本職の割烹で提供している王道の和食はもちろんのこと、これまでの料理経験を生かした現代的な和食や、ジャンルの垣根を超えたお料理を提供しています。

赤田さんとコンタクトを始めたご夫婦の元には、以下の質問リストがメールで届きました。

  • 出張料理サービスを依頼した動機
  • 苦手な食材/アレルギー
  • 当日はお酒を飲む?/飲まない?
  • 好きな食材
  • ボリュームのある少品目か、小ポーションで多品目が良いか
  • 皿や調理道具の準備はどのようなものがあるか

「出張料理サービスは条件がマッチすれば成立しますが、可能な限りお客様の希望に沿ったお料理を楽しんでいただきたいと思っています。依頼動機をお聞きするのは、お祝いの席であればハレの食材を使ったり、記念日であればサプライズ感のあるお料理をお出しするためです。そして、お酒を飲む方と飲まない方ではお料理をお出しするスピードが変わりますし、飲まれるお客様にはお酒に合うように味付けをやや濃いめに調整することもあります。事前のやりとりにより、お客様によりご満足いただけるご提案ができるのです。そして、お皿や調理道具を確認するのは当日持参すべきものを把握させていただき、余すことなくパフォーマンスを発揮するためなんです」(赤田さん)

赤田さんからのメールを受けてご夫婦が希望したのはこのようなものでした。

  • 楽しみだった外食がなかなかできないので、お店でいただくようなお料理が食べたい
  • 夫婦ともにお酒を嗜む(特にワインは夫婦の趣味)
  • 肉料理より魚料理が好き
  • お酒を楽しみながら、様々なお料理を少量ずつ楽しみたい
  • 料理が好きなので、作家ものの皿や料理道具はある程度揃っている(写真を添えます)

ご夫婦がメールを返信した翌日、赤田さんからメニューの提案が届きました。内容はご夫婦にとって満足のいくもので、すぐさま承諾の旨を返信。さて、当日はどのようなお料理が振舞われるのでしょうか?

実際の出張料理サービスは
どのように進む? ~当日~

当日、ご夫婦の自宅に訪れた赤田さんはデイバッグ1つという出で立ちでした。

「事前のやりとりでどのようなキッチンでどんな道具やお皿があるかを教えていただけたので、かなり軽装でお邪魔することができました」(赤田さん)

ご夫婦との挨拶も早々に準備を始める赤田さん。まず取り出したのは愛用の料理道具たち。
「道具が揃ってらっしゃるお宅へお伺いする際も、特殊な道具は私が持参します。いずれも一般家庭では必要のないものかもしれませんが、お料理を美味しく、美しく仕上げるために必要なものなので、お持ちするんです」(赤田さん)

この日赤田さんが持参したのは、刺身に欠かせない柳刃包丁や焼き物に使うトング、繊細な盛り付けに役立つ盛り箸、クッキングバーナーなど

「もしよろしければ、調理に取り掛かる前に本日の食材をご覧ください」。キッチンでの下準備が整った赤田さんはこう言って、ご夫婦に食材を披露しました。

「お魚がお好きとうかがいましたので、魚介中心の献立とさせていただきました。魚介は今朝、豊洲市場で仕入れてきたものです」(赤田さん)

食材ひとつ一つの説明を聞き、見るからに鮮度の良い食材を前にご夫婦は満足そうな様子。ダイニングに戻ったお二人はシャンパンの栓を開け、赤田さんの調理姿を眺めながら食前酒を楽しみ始めるのでした。

持参した柳刃包丁で飾りを入れながらアオリイカを切りつけていく様は、外食でもなかなかお目にかかれない貴重な光景。こうしたプロの技が堪能できるのが出張料理サービスなのです
大量の油を使う揚げ物は一般家庭では避けがちな料理の一つ。だからこそ、プロの料理人の華麗な手捌き、揚げ方には見とれてしまうことでしょう。

「調理の様子を間近でご覧いただけるのも出張料理サービスの魅力だと思います。どうぞ気軽にお声がけいただき、料理が仕上がる様子も楽しんでください」(赤田さん)

予算1人10,000円で
提供された料理とは?

ご夫婦二人、一人あたり予算10,000円にてオーダーした今回の出張料理。事前のやりとりを経て提供されたのは全8品のコースでした。さて、どんなお料理が提供されたのでしょうか?

1_ホタルイカと春菜のサラダ仕立て

ご夫婦が「わっ」と声を揃えた1品目は和食でありながらも家庭では御目に掛かることのない、お二人の期待を上回るものでした。ホタルイカにウドやうるい、木の芽、アスパラなどふんだんな春の野菜を合わせた前菜はドレッシングがポイント。
「和食ではホタルイカにからし酢味噌を合わせますが、今回はマスタードと玉ネギにオリーブオイルと酢を合わせたドレッシングを添えました。洋風なドレッシングはご夫婦がお好きなワインに合うと考えました」(赤田さん)

2_お造り

お造りはアオリイカにホタテ、雲丹が。「お造りは並べて提供するのがセオリーですが、あえて重ねて提供することで料理としてのまとまりが生まれ、視覚的にも新鮮に映ります」(赤田さん)。赤田さんが愛用する老舗醸造元「大久保醸造店」の淡口醤油と少量のオリーブオイルを合わせたドレッシングがかけられ、本わさびが散らされているので、この一皿で料理が完結する仕立てです。

3_蛤と蟹の茶碗蒸し

茶碗蒸しの具材、そして上にかけた餡にも蛤とズワイガニを惜しげなく使った茶碗蒸しはコースの序盤で変化を生む、ほっとする味わい。その味わいを左右する出汁は赤田さんが前日に丁寧にとったもので、利尻昆布とカツオの旨味が引き出されたものです。板前の技と手間暇なくしては得られない割烹の味わいを自宅で楽しめるのも、出張料理サービスの醍醐味なのです。

4_魚介の和製アクアパッツァ

4品目に登場したアクアパッツァは、和食のコースとしては意外とも思える品ですが、シェフがテーブルで蓋を開ければ、ご夫婦のボルテージは最高潮に。
「ご存知の通り、アクアパッツァはイタリア料理ですが白ワインをベースに仕立てるので、魚介とワインが好きなご夫婦にはぴったりだと思い、ご提案しました。とはいえ、そのままではコースのなかで浮いてしまうので、和食の流れに溶け込むようケッパーの代わりに紫蘇の実を散らすなどの工夫を施しました。ホタルイカを入れたことでイカワタのコクが出ていますので、お酒がすすむはずです」(赤田さん)

5_山菜の天ぷら

アクアパッツァでお腹と心が満たされ始めたところで、小休止とも言える軽やかな天ぷらが登場。タネは春の訪れを感じるフキノトウとウドの穂先の予定だったが、お造りで余ったホタテものっていたのは赤田さんの心意気。カボスと塩でさっぱりといただきます。

6_和牛のロースト

コース料理も終盤戦。ここまでシーフードと野菜が主体だった流れにアクセントを加えたのは見事な火入れでロゼ色に仕上げた和牛のステーキでした。
「お魚がお好きと聞いていましたが、赤ワインに合うお料理もお出ししたくて。ボリュームはお求めでないと思い、脂の少ないランプ肉を一口サイズで少々。塩と粗挽きコショウ、本わさび、そして赤ワインソースで味わいのバリエーションを楽しんでいただければと思います」

7_土鍋炊き込みご飯

お料理の大トリを飾るのは土鍋を使った鮭といくらの炊き込みご飯。出汁は茶碗蒸しでも登場した赤田さんお手製の極上出汁です。焼いた鮭とともに炊き上げたご飯には香ばしい風味が閉じ込められており、いくらとともに盛り付けられれば、コースのフィナーレながらペロリと平らげてしまうほどの美味しさが広がります。

8_森のカタラーナ

お料理、そしてお酒のペアリングを堪能したご夫婦の前に差し出されたのはコースの〆となるカタラーナです。蒸し焼き、表面をキャラメリゼし、一晩冷やすカタラーナは仕上げるまでに時間がかかるが、赤田さんは前日から仕込んだものを現場で盛り付け。抹茶やすった黒ゴマ、ナッツで飾り付けられた見た目はまさに“森”。
そして赤田さんがそっとコーヒーを出してくれたのでした。

このコーヒー、実は赤田さんがデザートを出す頃を見計らって豆から挽いたもの。最後の最後まで妥協のない美味しさへのこだわりが心憎いのです。

コーヒーを出し終えた赤田さんは手際よく片付けを終え、ご夫婦のご自宅を後にしたのでした。

出張料理サービス、
そこで得られたものとは?

「初めての出張料理サービスでしたが、心の底から感動しました。事前のやりとりでは『正直細かいな』と思いましたが、当日にその意味を知りました。私たちだけのためのプライベートレストランで、私たちの好みに合った、想像を超えるお料理をいただけるなんて、こんな幸せはありませんね。デザート、そしてコーヒーが出たときにはちょっと泣きそうになりました」(奥様)

「1万円のコース料理というと多くを期待してしまいますが、軽々とその期待に応えていただきました。いうならば、オートクチュールのコース料理ですね。一品毎に私たち2人のためだけに食材からメニュー、調理方法までを考え抜いてくれたと感じました。外食は好みの味を探し求めること楽しみですが、出張料理サービスは好みの味を組み立てていただき答え合わせをする楽しみがあります。これはハマってしまいますね」

出張料理サービスを体験したご夫婦のレビューはどうでしたか? 出張料理サービスはプロの味を自宅で楽しむだけではなく、どこにもないレストランを作り上げるような楽しみがあったようです。特別な日のお食事の選択肢に、出張料理サービスを加えてみてはいかがでしょう?

[板前/出張料理人]
赤田直哉さん

1987年生まれ、北海道札幌出身。大学卒業後、出版社に勤務しつつ自宅で料理をふるまう会「赤田食堂」を定期的に開催。料理への想いが募り、出版業界から外食業界へ転身。洋食での修業を経て、現在は都内の割烹で板前として和食を追究している。また、休日を返上し番組のフードスタイリングや出張料理人として奔走するなど多忙を極める

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