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Yokota's Golf Lesson Series
エキスパートに学んでランクアップ!
横田英治の『プロフェッショナルの思考』
VOL.4 バンカーショット〜応用編

技術もさることながら、プロとアマチュアで大きく差があるのが「ゴルフに対する考え方」。技術の習得には時間を要するが、横田英治プロが明かしてくれた「プロフェッショナルの思考」には、アマチュアゴルファーも今すぐ取り入れられ、スコアアップにつながるポイントも多い。今回は、バンカーの中でもさらに難易度の高いシチュエーションでの対処法を取り上げる。

撮影協力/アクアラインゴルフクラブ

CASE1 ピンまでの距離があるバンカー

前回はバンカーショットの基本的なことをお話ししました。
でもときには、基本では対応するのが難しい状況に出合ってしまうのがゴルフです。
そこで、特殊なシチュエーションにおける応用的な打ち方をご紹介しましょう。

まずはピンまでの距離が遠い場合です。
みなさんの多くは、バンカーに入ると自動的にサンドウェッジを手にしがちですが、距離が遠いときには、52度のウェッジやピッチングウェッジといった、よりロフトの立ったクラブを使うのも1つの方法です。
バンカーの中でも番手選びがあるということを頭に置いておきましょう。

ここでは52度を選んだとします。バウンスは少し出したいので、若干フェースを開きます。サンドウェッジでの通常のバンカーショットはフェースをけっこう開きますが、この場合は若干開く程度にします。

オープンスタンスの度合いも少し。フェースもスタンスもノーマルショットのスクエア寄りになるので、ボールを遠くに飛ばすことができます。

なおかつ、遠くに飛ばすときは重心を高めにして構えたいので、クラブを少し短く持って、ボールの近くに立ちます。クラブは長く持つと重量を感じるため、重さでボールの下に入りやすく(=ダフりやすく)なります、これは通常のバンカーショットの持ち方です。

反対に、短く持つとクラブが軽く感じられるので、ボールの下に入りにくくなります。こちらはフェアウェイからと同じ持ち方で、クリーンヒットに近いバンカーショットをして、遠くに飛ばすための準備です。

フェースもスタンスも開く度合いは若干。クラブを短く持ち、ボールの近くに立つことで、クリーンヒットにとらえて遠くに飛ばす

このときに注意してほしいのは、基本のバンカーショットでは「ボールはスタンスの中央」と言いましたが、そもそもバンカー用に作られてはいない52度やピッチングウェッジは、サンドウェッジに比べてバウンスが少なくなっています。

そのため、フェースを若干開いても、ボールを中央に置くと歯(リーディングエッジ)が当たりやすくなってしまうため、センターよりも少し左に置くことでバウンスを強調するのです。
「遠くに飛ばしたいならボールは右に置くのではないか」という疑問を持つ方もいると思いますが、もともとロフトが立ったクラブを選んでいるので、センターよりも若干左においても十分に距離を出すことができます。

通常のバンカーショットはスタンス中央にボールを置くが(写真左)、52度はバウンスが少ないので、少し左に置いてバウンスを強調する(写真右)

CASE2 アゴが高いバンカー

続いては、これも難易度が高い「アゴの高いバンカー」です。
アマチュアの方が陥りやすいワナは、ボールを上げたいので「上げに行ってしまう」こと。その結果、ダフって全然飛ばないとか、ボールに直接当たってホームランになるというミスが起こりやすくなってしまいます。

基本的には、クラブは上から下に振るとボールは高く上がり、下から上に振るとボールは低くなります。なので、必ず上から下に振る。そのためには、土手をポンと越えようとするイメージは持たないことです。ギリギリ越えればいいので、目線は土手の頂上に向けます。

ボールはロフトとエクスプロージョン(爆発)が上げてくれるので、土手の高さをギリギリ越えるイメージで、上から下に振ることに集中してほしいと思います。

フェースの開き具合は、基本的にはノーマルのバンカーショットと同じです。

ボールを上げようとして目線を上に向けると、クラブは下から上に振る動きになり、逆にボールは低く出てしまう
土手の高さギリギリを越えるイメージを持ち、目線は土手の頂上に向ける

さて、ここでアゴの高いケースに限らず、バンカーショットを成功に導く方法をお教えしましょう。バンカーでなぜ失敗するかというと、空中での素振りしかできないためにトップしたりしやすくなることが理由の1つに挙げられます。
なので、軽くでいいのでバンカー付近の地面を2〜3回叩いて素振りしてから、バンカーに入る癖をつけましょう。

事前に付近の地面を2〜3回叩いて素振りして、砂にヘッドを落とすイメージをつけておくと、バンカーショットの予行演習になる

アマチュアの方は、バンカーでもダウンからインパクトの後、フォローをとりたがります。なので、最終的に下→上に振り上げるスイングになってしまいます。
一方、バンカーにおけるプロのスイングはダウンからインパクト、すなわち上→下で終わりです。下の写真で、フォローで目線が上がっているように見えるのは、ボールを上げようとしたからではなく、方向(土手の頂上)を確認しているだけ。フィニッシュをしっかりとっているように写っているのも、クラブが上から下に降りてきて、砂に跳ねた反動で上がっているだけなのです。

ボールの高さを出したいバンカーショットこそ、「上から下に振って終わり」を徹底したい。インパクト後にフォローがとれるのは、クラブが砂に跳ねた反動で作られたもの

バンカーの練習方法として、「バンカーからボールを出さない」というものがあります。バンカーから出なくてもいいから、フォローなしで打たせると、実際には3回に1回くらいは出るものです。

バンカーから出さないつもりで振っても飛んでいくということは、上手くバウンスが使えていたり、上から下に振ることができている証拠です。
「上に向かって振らなくてもボールが上がるんだ」「こんなに飛ぶんだ」とわかってくれば、バンカーの恐怖心も取り除かれていくと思います。

なかなか実行する機会はないと思いますが、チャンスがあればぜひ試してみてください。

横田英治(よこたえいじ)
1971年広島県生まれ。15歳でゴルフを始め、1996年プロテスト合格。これまでに多くのプロ・アマチュアゴルファーにレッスンを行っている。2022年6月1日、東関道・千葉北インターから500メートルという恵まれた立地に会員制ゴルフサロン「クラブハウス」をオープン。レクサスカード会員の皆様が入会の際には入会特典として「クラブハウス オウンネームゴルフボール1ダースをプレゼント。なお、横田プロ自身もレクサスユーザーで、RXを愛用している。

PRESENT

会員制ゴルフサロン「クラブハウス」の体験レッスンを希望される方3名(先着)に、グラファイトデザインのスイング練習器具「アライメントスティック」2本セット(非売品)をプレゼントします。クラブハウス(TEL043-441-5466 担当・小内氏)までご連絡下さい。

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