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北海道王道ツアー
2人の名匠が刻んだゴルフコースへ
秋の北海道 名コースを巡る旅

「帝王」といわれたジャック・ニクラス、そして日本を代表するゴルフコース設計家・井上誠一。両者が北海道の優れた自然を存分に生かして造った2つのコースは、それぞれに異なる魅力を持ち、ゴルファーなら誰もが「一度は回ってみたい」と憧れるコースでもあります。そこで今回は、北海道が誇る名門を一度に楽しむゴルフの旅をご紹介します。

ゴルフ界のレジェンド、帝王ジャック・ニクラスが設計

新千歳空港から車で約20分、牧歌的な北海道らしい雄大な自然の中に広がる「北海道クラシックゴルフクラブ」は、かつて日本プロゴルフ選手権を開催するなど北海道を代表するチャンピオンコースとして知られています。

ゴルフコースの設計は、「帝王」といわれたジャック・ニクラス。マスターズを6度も制したゴルフ界のレジェンドですが、コース設計家としても世界中で数多くのコースを手掛け、その設計スタイルは高く評価されています。

大きな池を配した5番パー5は、池を越えても右サイドに複数のバンカーが配置された難ホール。
コース設計はジャック・ニクラス。マスターズ6勝のほか、全英、全米、全米プロなどメジャーを含むPGAツアー通算73勝のレジェンド。

芸術性と戦略性が両立、美しい風景に癒される18ホール

北海道クラシックゴルフクラブは、ニクラスの故郷・オハイオ州にある「ミュアフィールド・ヴィレッジ」をイメージして造られました。大自然に囲まれた18ホールは、水を湛えた大きな池を配し川が流れ、美しい木々に包まれた、まるでニクラスが生まれ育ったオハイオの縮図のような風景。加えて、自然の曲線を可能な限り生かし、プレーヤーとして世界トップを極めてきたからこそ考えられる戦略性が随所に散りばめられています。

ニクラス自身が、「私が手掛けた日本のコースの中で、間違いなく最高のコース」と語るほどの自信作。芸術性と戦略性が両立した難コースですが、位置も形も違う5つのティーがあり、見え方も攻め方も全く異なるホールも。すべてのゴルファーが楽しめる設定としているところからも、ニクラスの設計哲学が伺えます。

オールベント芝の美しいコース。北海道らしい美しい風景が広がる。

日本を代表する名ゴルフ設計家・井上誠一の傑作

1958(昭和33)年に開場、男子ツアー「ANAオープン」の舞台としても知られる「札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース」は、名匠・井上誠一が北海道で最初に手掛けたコースでもあります。

「未開発の山野の自然を可能な限り残し、美しいコースを造る」との信念を持ち、芸術家肌で完璧主義者だった井上誠一。その設計理念を具現化した18ホールは、自然のゆるやかな起伏がコース攻略の大きな要素となり、ホールを取り囲む樹木がそれに拍車をかけ、道内屈指の難コースに仕上げられました。

総距離7,066ヤード、フェアウェイは広く距離もたっぷりあり、気持ちよくラウンドできる。
井上誠一は、名ゴルフ設計家であるC・H・アリソンと出会い、コース設計の道へ。国内44コース、海外2コースを設計。

時を経て、さらに挑戦意欲の湧くコースへ成長

それがわかるのが、名物ホールの一つ、「松の廊下」といわれる4番パー4。距離が短くピンがしっかり見えていますが、フェアウェイがゆるやかに傾斜しており、簡単にパーを取ることができません。

また、左ドックレッグの名物ホール17番パー5は、「17番が終わらないと勝負は決まらない」といわれるほどの難ホール。実は、かつて井上が17番の左の曲がり角の木は伐採しないよう指示を残しており、時を経てさらに挑戦意欲の湧くコースへと成長し続けています。

ただし、「上手なプレーヤーには手強く、そうでないプレーヤーには楽しく」プレーできるよう、アベレージプレーヤーには、必ず別の攻略ルートが隠されているというところも井上誠一の設計コースならでは。すべてのゴルファーが楽しめるという意味では、ジャック・ニクラスとの共通点があるともいえます。

あらゆる種類のショットが要求され、14本すべてのクラブを使うよう設計されているのが井上の設計コースの特徴。輪厚コースも変化に富んだホールが続く。

10月初旬から木々の葉が色づき始める北海道で、ゴルファーの夢を叶える名コースを巡る旅。名匠たちに思いを馳せながら、北海道での今年最後のラウンドを楽しんではいかがでしょうか。

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