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LEXUS LUXURY HOTEL COLLECTION
眞松庵
日本の美の神髄に触れる紹介制の宿

観光客が増え、にぎやかさが増してきた京都。しかしここ南禅寺にたつ紹介制の特別な宿「眞松庵」では、街の喧噪とは無縁の静けさのなかで、洗練を極めた洋の東西の美によって織りなされるやすらぎのひとときを堪能することができる。美の神髄を感じさせる空間、庭、料理、家具調度品といったさまざまな要素に注目しながら、宿の魅力をお伝えしよう。

Photo:Naoko Nozu
Text:Mari Maeda
Edit:lefthands

数寄屋建築の名作を抱く珠玉の宿に泊まる

京都・南禅寺の門前近く、閑静な住宅街にある珠玉の宿「眞松庵」。縁起のよい赤松の枝がかかる門をくぐると、ひっそりとした静けさに包まれます。

かつては私邸だったこの場所。特別な宿であることの証に、かの名工、中村外二が1966年に手がけた「離れ」が敷地の奥にたたずみます。伊勢神宮の神宮茶室や、ニューヨークのロックフェラー邸をはじめ、数寄屋建築の名匠として数多くの名作を残した中村。その本人が近しい人に、この「離れ」は自身の代表作のひとつであると語っていたようです。

もとは茶室に由来する数寄屋造り。凛と清らかな空気が流れるこの「離れ」にも、風流を好む「数寄」らしい、遊び心のある自由な精神が宿ります。眞松庵は、創建からすでに60年近く経つこの傑作を守ろうと、造りも素材も当時のままに、丁寧に洗いをかけて蘇らせました。そうして今、まさに中村の美学が隅々に行き渡るこの場所で、宿泊者はやすらぎの時を過ごすことができるのです。

蝋色仕上げの机が鏡面となり、庭の景色を鮮やかに映す「離れ」の座敷。

受け付けを終え、「離れ」の座敷に通されると、情緒漂う風情に懐かしさを覚えます。明り取りの窓からは、障子越しに柔らかな光が差し込み、光と影が移ろう美しさは、谷崎潤一郎が著した『陰翳礼讃』のごとき――。選び抜かれた木材は深みある色艶を湛え、精緻な障子の鴨居には一切の歪みがなく、歳月を経ても冴えつづける職人の技に、ため息がこぼれます。滞在中にこうした空間を独り占めできることは、今や代え難い贅といえるでしょう。

近代日本庭園の先駆者として知られる7代目小川治兵衛の甥、岩城千太郎が手がけた庭も、当時の面影を残して復元されました。その庭を眺めながら、鳥のさえずりが聞こえる静けさのなかで、ここにしかない至福に浸ります。

木の香りに満ちた部屋で過ごすやすらぎ

中村外二の美学、ひいては日本の美意識を次世代へつなげたいという想いから生まれた「眞松庵」。宿泊棟の内装は中村の次男、義明氏が担当し、横内敏人氏をはじめとする現代の名人らとともに精魂込めてつくり上げたといいます。

「眞shin」の玄関口の右の柱は、古くからの敷地に残されていた木材を利用したもの。

「数寄屋という日本文化の粋を集めた空間で、忘れ去られようとしている本物の日本の美しさを感じていただきたいのです」と、総支配人の高田有希絵氏。

部屋に入ると、清々しい木々の香りに迎えられます。4室の趣はそれぞれ異なり、部屋の個性に合わせた数寄屋建築の意匠が見事です。木材はすべて、熟練の目利きが選んだ最高品質のもの。部屋ごとに材質を変え、それぞれの木が持つ品格や手触り、木目の美しさを堪能できます。

船底天井や丸太の柱など野趣に富む「暁gyo」の部屋には、北欧のボーエ・モーエンセンのソファなどが置かれてリラックスムード。
赤い和紙をあしらった角網代天井がフェミニンな印象の「松sho」。ソファはイタリアの老舗家具ブランド、ジョルジェッティ製。

そんな数寄屋造りの部屋には、北欧やイタリアなどの最高級家具が置かれて、和の静謐さのなかに現代的な雰囲気と快適さが感じられます。各部屋のセンスに惹かれ、ご自宅の参考にと4室すべてに滞在する方も。自分のお気に入りの部屋を見つけるのも楽しいことでしょう。

浴室もすべて異なり、東側の部屋は円形、西側の部屋は長方形、2階が高野槇、3階が左官職人、挾土秀平氏による研ぎ出し仕上げの浴槽が置かれています。それぞれに職人の技が光り、「眞shin」に置かれた高野槙の浴槽の薄さにも優れた技がうかがえました。

イタリアの高級ブランド、ポルトローナ・フラウの家具が置かれた「洛raku」。敷物は川島織物、クッションカバーやベッドスローは西陣織HOSOOに特注。

さらに極上の寝具や履物、グラスや絶妙な照明など、五感に触れるすべてが心地よいことにも驚きます。オーナーは相当な審美眼の持ち主なのでしょう。カシミヤの部屋着からきめ細かなレインシャワー、照明のスイッチの配置、クローゼットの開閉のなめらかさに至るまで、あらゆる宿に滞在した経験があるからこそわかる“宿泊者目線の心地よさ”が細部にわたって追求されています。その多くは特注によるもの。加えて、竹製の歯ブラシや紙パックのミネラルウォーターなど、エコへの意識も徹底しています。

もっとも格が高い「眞shin」の部屋にはフランス製の家具が置かれ、繊細な日本の美意識に調和する。

数寄屋造りの自然素材がもたらすやすらぎと、細部にまで心配りが行き届いた空間ゆえか、宿泊者の多くがほとんどの時間を部屋で過ごしているそう。東側の部屋からは京都の山並みを、西側の部屋からは宿の主庭を眺めて心穏やかな気分に包まれます。

さらに京都で人気を誇る名店のひとつ、日本料理「緒方」の新店「東山 緒方」があることも、外出の必要がない理由でしょう。希望すれば、ここで夕食をいただくことができます。美しい庭を背景に、器をはじめ、よりダイナミックな演出を心がけているという福井康司料理長。繊細と大胆さが融合する季節の料理を、ぜひ堪能したいものです。

宿泊棟の1階にある「東山 緒方」。庭を背景に動く料理人たちを、舞台のように眺めて楽しむことができる。

朝は滞在する部屋で、宿泊者の特権「東山 緒方」の朝食を。南禅寺由来の湯豆腐は「たる源」の湯豆腐桶で提供され、繊細な豆腐に桶のさわらがほのかに香ります。出汁のうまみ豊かな味噌汁や旬野菜のお浸し、日替わりの焼き魚や本店の主人、緒方俊郎氏より受け継ぐ香の物など、どれも手間暇がかかった逸品ばかり。京都美山の平飼い卵をなめらかに溶いた秘伝の卵丼も絶品です。

丁寧に仕込まれた「東山 緒方」の朝食を目当てに宿泊する客も。一品一品が味わい深い。

始終柔らかなもてなしとともに、空間と料理、すべてにおいて美学が貫かれた眞松庵。かつて中村外二は“長く続く命を与える”ことの美学を語っていました。昨年逝去した義明氏の遺作となったこの宿は、時を経て艶を増す銘木のごとく、父子の共作として情趣を深めていくことでしょう。まさに本物を知る大人のためのやすらぎの宿であり、本物の価値に触れてほしい次世代にもおすすめしたい名宿です。

眞松庵

住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町91-5
アクセス:京都市営地下鉄東西線「東山駅」から徒歩7分。送迎、およびリムジンの手配可。
駐車場:なし

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