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京都の注目レストラン
洋食文化が根付く京都で、今足を運ぶなら話題の新店「セヴェランス」へ

京阪電車と京都市営地下鉄が交差する三条駅は、東山の観光名所や祇園などにもすぐの、アクセスに便利な場所。中山道の終着点、歴史ある三条通りに面して、2023年1月に開業したのが、今回ご紹介する「Severance(セヴェランス)」です。ハンバーグやステーキはカウンター前の鉄板で調理され、五感を刺激するライブ感も抜群。本格派の味をカジュアルに食べられると、リピーターになる人が続出しています。

Photo:Katsuo Takashima
Text:Shinobu Nakai
Edit:Misa Yamaji(B.EAT)

本格派フレンチをベースにした京洋食というジャンル

京都には、「旦那洋食」と呼ばれる洋食文化があります。明治の頃から、旦那衆は和食だけでなく、当時増え始めた洋食店に足を運び、その新しい味に舌鼓を打ったのだそうです。以来、王道フランス料理をベースにした京都人の口に合う洋食や鉄板ステーキなどが広まりました。最近では、大人洋食と称される上質な素材をふんだんに使った洋食店が続々開業。老舗も含め、「京洋食」というジャンルを確立しました。地元京都人だけでなく、観光で京都を訪れる人も観光目的にするほどです。

洋食文化が根付く京都に、上質なワインとともに大人の洋食を楽しめる洋食店が、誕生しました。濃厚なデミグラスソースやビスクソースなど手間暇かけたソースや鉄板を使ったライブ感ある調理も話題になり、わずか半年の間にファンを増やした「Severance」です。

昼はハンバーグやエビフライなど大人が食べたい洋食のカジュアルコース、夜はスペシャリテの甘エビとカニのクリームコロッケや和牛のステーキを中心にした7~8品のコース1本で勝負することに。味わい深いのに価格はリーズナブル。昼は地元の女性たち、夜は観光で京都を訪れる人が足を運びます。

元は個人住宅だったという一軒家を、黒をベースにした落ち着いた空間に改装。鉄板前のカウンター4席とテーブル8席のみというゆったり感も大人を惹きつける理由。

オーナーソムリエの玉井克昌氏は、外食企業に勤めたのち、2019年に独立して祇園にワインダイニング「Mo-ji」を開業しました。その店で料理を担当していたのがシェフの小石修平氏です。老舗洋食店やホテルのフレンチなどで腕を磨いた小石氏の確かな技量に魅せられたことが、「Severance」を開くひとつのきっかけになったといいます。

「小石氏がつくる丁寧な調理とセンスに、大きな可能性を感じました。彼のために新しい洋食店を開こうと思い、実現したのがこの店です」。

玉井氏が目指すのは、岡崎の観光地や祇園からも近い便利な場所にありながら、一見隠れ場的な雰囲気のある洋食店。静かにスタートしたことが功を奏し、地元の食通に口コミで広がっていったのだといいます。鉄板前のライブ感あるカウンター席を指定して訪れるリピーターも増えました。「京都に行くならSeveranceに行こうと思っていただくのが目標です」と言います。

シェフの小石修平氏(左)と店長の中植昌也氏。ふたりの親身な接客も評判。

「昔ながらの洋食とは一味違った、現代の健康志向や時流にもそった料理をつくりたい」と小石氏は話します。そんな想いが叶った今だからこそ、さらなる上質を目指して、日々料理の革新を続けるのだそう。

きめ細やかな接客が評判の、店長・中植晶也氏は、学生時代から飲食店で働き、店長としての経験も積みました。けれど、しっかりと料理の技術を身に付けたいと、いったん店から離れて京都の調理師専門学校に通った勉強家です。専門学校時代に「Mo-ji」で働いていたこともあり、玉井オーナーからの信頼も厚く「Severance」開業の際、店長に抜擢されました。カウンターの内外で、客の様子を見ながら、接客だけでなく調理も進めます。

息のあったふたりのサービスが心地いいと、すっかりファンになった常連もいるそうです。

ランチコースの一品「ハンバーグステーキ 特製デミグラスソース」。グラスの赤ワインは、シラー、カベルネソーヴィニヨン、ピノノワールなど。ノンアルコールワインもある。

ランチコースは、季節野菜のポタージュ、甘エビとカニのクリームコロッケ、グリル野菜のサラダの3品が出たあと、ハンバーグステーキ、きなこ豚のチーズカツレツ、鹿児島産イチボステーキ、エビフライ(数量限定)から1品を選ぶスタイル。2,500円~(プラス料金あり)というリーズナブルさもあって、予約がとりづらいほどの人気に。

一番人気の「ハンバーグステーキ 特製デミグラスソース」は、和牛7、国産豚肉3の割合でひき肉を合わせて練り上げた肉感たっぷりの一品。つなぎには、玉ねぎ、卵、牛乳のほか、麩を少量入れ、あっさりした味わいやふっくら感のある独自のハンバーグを実現しました。濃厚なデミグラスソースは様子を見ながら1週間かけて仕込んだもの。ハンバーグから染み出る肉汁とよく合います。

女性に人気一番は、数量限定の「エビフライ スパイスビスクソース」。白いマヨネーズもここだけの味。

15cmほどある最大級のブラックタイガーに、カダイフを巻き付けてきれいなキツネ色に揚げた一皿。カダイフは、トルコやギリシャを起源とする麺状の生地で、「天使の髪」とも呼ばれるそうです。細い麺状だから、サクッとして心地いい食感。油っぽくなり過ぎないのに、ソースがよくからみます。

合わせるソースは、海老の頭や殻でとったビスクソースに、ガラムマサラやクミンなどのスパイスを加えたもの。カレー感もあるスパイシーさは、クラフトビールやスパークリングワインとも好相性です。

お皿に添えられる白いマヨネーズは、レモンをたっぷり加えたさっぱり味。まろやかで酸味のあるマヨネーズも、エビフライの味をひきたてます。

夜のコースのメイン料理 「和牛のステーキ マルサラワインソース」。仕入れによって肉の内容は変わるが、この日は、宮崎県産和牛のフィレ肉。

夜のコースは、アミューズのタコス、季節野菜のスープ、甘エビとカニクリームコロッケ、野菜のサラダかパスタ、グラニテ、和牛ステーキ、ミニハンバーガー、デザートという流れ。暑い時季には、冷たいスープ、冷たいパスタを組み込むなど、気候や季節感を考え、メニューの構成を変えるそうです。

夜のメイン、「和牛のステーキ マルサラワインソース」は、その時季に食べごろを迎える和牛を、カウンター前の鉄板で焼き上げたもの。焼いては休ませ、熱を入れては休ませと状態を見ながら丁寧に仕上げます。この日は宮崎産和牛のフィレ肉。仕入れによっては、フィレ肉とイチボの両方が味わえることも。

付け合せは、ふわとろ茄子、万願寺唐辛子、丹波大黒しめじ、蓮根など。久御山の農家から届く、新鮮な野菜も魅力のひとつです。

マルサラワインのコックリとしたソースに、シャンピニオンソースを合わせ、クリーミーさもプラス。和牛の甘味や深いうまみをひきたてます。

オーナーソムリエの玉井氏がセレクトするワインのペアリングも秀逸だから、料理とワインの相性を実感できる時間も楽しみです。

民家だった一軒家を改装した店舗。シンプルモダンな外装に、クリュッグなどシャンパーニュのボトルが飾られ、ワイン好きの心を動かす。

目立ち過ぎないのに、「何の店だろう?」と惹きつけられる店舗。前を通る人がいったん、足を止めてしまう独特なモダンさがあります。

店主の玉井氏は、「誠実さを大切に、お客さまのお腹も心も満たす店を目指したい」と。開業から半年、まだまだ進化を遂げそうです。

Severance(セヴェランス)

住所:京都府京都市東山区三条大橋東2-82
電話番号:075-741-8993
URL:https://www.instagram.com/severance_kyoto/
コース:ランチコース2,500円~、ディナーコース11,000円(税込み・サービス料別)要予約、ペアリング8,800円(5品)
営業時間:ランチ(水曜~日曜11時30分~15時、ラストオーダー14時/火曜ランチお休み)、ディナー(18時~22時30分、ラストオーダー22時)
定休日:月曜日

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