松本一誠プロの『パワーに頼らず飛ばす』Vol.3~フルスイングで100ヤードを打つ練習をしよう~
飛距離アップはあらゆるゴルファーの夢であり、PGAツアーなどのデータを見ても、ティーショットの飛距離がスコアに及ぼす影響は極めて大きい。プロゴルファーのようなストイックなトレーニングなどできないアマチュアにとって、飛距離を伸ばすにはどうすればいいのか。「飛ばしは技術」だと話す、JPDAのドラコン選手で団体史上初の大会2連覇など数々の実績を残し、最近ではInstagramの単一動画再生回数は1,000万回を突破するなどSNSでも人気を誇る松本一誠プロに飛ばしのコツを教わった。
第3回目は、スイングを整え曲げずに飛ばせる動きを身につける方法について。
飛ばすコツは、スイングの早さだけではなく“精度と再現性”が重要
飛ばすためにはインパクトの効率が大事ですが、どんなに効率よくパワーを出してもスイングの軌道が悪かったり、クラブや体の動きに問題があると球が曲がってちゃんと飛びません。ショットが曲がると、飛距離が出る人ほどOBのリスクも上がるので、実際にラウンドの中で飛距離を出していくには方向性もとても重要です。
曲がらない、いいスイングとは何かをゴルフレッスン的に説明すれば「オンプレーンでスクエアフェース」ということになるのですが、それができれば苦労はない、とみなさんも思っていることでしょう。
私たちはつい、自分の感覚を優先して気持ちよく振る練習ばかりに偏ってしまいがちです。その状態で「オンプレーンに振れない」「再現性が上がらない」と悩むのは、少し順序が違うのかもしれません。個人的には、いいスイングを作るにはそのフレーム作りがとても大事だと思っています。「トップはここ」「ダウンスイングはこの軌道」というように「形を作るレッスン」は、あまり流行りではありませんが、スイングの再現性を高め、いい軌道でスイングするにはそういった試みもある程度必要で、蔑ろにしてはいけないと私は思っています。
フルスイングの振り幅で100ヤードを打ってみる
そこで私がおすすめするのは、フルスイングの振り幅でドライバーを打って、100ヤードしか飛ばさない練習です。大きな振り幅で飛ばさないということは、スピードを落とすということ。私は「ゆっくりできない動きを速くできるはずがない」と考えていますので、まずはスピードを大幅に落としたゆっくりスイングで「いい動き」を目指してほしいんです。
当然、クラブの慣性やスピードに由来する部分はフルスイングとは異なりますが、自分がどう動こうとするか、どんな軌道にクラブを通すかといった部分は基本的にはフルスイングもゆっくりスイングも同じ。
まずは自分でコントロールできる要素が大きいゆっくりスイングで理想のスイングをしてみて、そこで得た気づきをフルスイングにフィードバックするという手順はとても有効なんです。
このスピードであれば、普段カット軌道のスライサーも案外オンプレーンで振ることができるものです。自分の動きをチェックしながらゆっくりオンプレーンに振ってみれば、普段のスイングとの違いに気づいて、フルスイングの際にも「このくらいインサイドから下ろさないとダメなんだ」「手元の位置はここなのか」というような改善ができるはずです。
大きなアークで振るために抑えておきたい体の使い方
軌道やフェース向きと合わせて注意してほしいのが体を大きく使ってスイングすることです。
体幹部分をしっかり動かしつつ、ヘッドで大きなアークを描かないと大きな飛距離は生めません。手元とクラブを極力体の正面にキープし、大きなアークでスイングすることを意識してください。スピードアップしてもそのアークが小さくならないこと。
ポイントはしっかりとお腹を締め、腹圧をかけて体を動かすこと。
そして、大きなアークを描くためには指導の最初の部分でヘッドを真っすぐ引くイメージも大事です。この段階からヘッドがインサイドに入ってしまうとアークは小さくなるし、アウトサイドに上がりすぎてもカット軌道を誘発します。始動から右足前くらいまで、両腕の三角形をキープしてヘッドを真っすぐ引く感覚を身につけましょう。
こうやって大きなアークでオンプレーンに振る感覚を磨きつつ、少しずつスピードアップする。バロメーターは「芯で打てること」です。まずはゆっくりの動きでいい軌道で振って芯に当てる。それをもう少し速く動いてもできるようになり、さらに速度を上げてもできるようになれば、曲げずに飛ばせるスイングに近づけるはずです。
松本一誠(まつもといっせい)
1992年生まれ。杉並学院高校ゴルフ部で活躍し、研修生を経てレッスンの道へ。23歳からドラコンにも挑戦し、2016年にはJPDA団体史上初の2大会連覇を達成。2019年JPDAのアキュラシー部門、ロングドライブ部門の両方で年間獲得ポイント1位。2020年には自己最長429ヤードを記録。2023年JPDAドラコンプロタイトルマッチ優勝など数々の実績を持つ。ベストスコア63とゴルフの腕前も一流で、トレーニング理論やスイング技術の発信にも積極的。SNSも人気で、競技と普及の両面で日本のドラコン界を牽引する存在。
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