使用シーンが多岐化した機能性ツールとして注目
もうどんな道の運転も怖くない。夜用、雨用サングラスのすすめ
サングラスは“眩しい陽射しから目と視界を守るために、日中かけるもの”という既成概念が、過去のものとなりつつある。近年の技術の進化により、雨天や夜間に適したものが登場しているからだ。この記事では、そもそもの“見えにくさ”の理由を眼科医に教わりつつ、進化した機能性ツールとしてのサングラスの活用法を指南。より快適なドライブのために、ぜひ役立ててほしい。
Text:Shigekazu Ohno(lefthands)
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変化した交通事情に合わせて、進化したサングラスを
「サングラスは、夏の強い陽射しの日にかけるもの」─そんな既成概念は、もはや過去のものになりつつある。
近年、レンズやコーティング技術の進化によって、サングラスは時間帯や路面環境を問わず“視界を整えるための機能性ギア”として、大きく進化を遂げているからだ。
特に注目したいのが、「夜用」「雨用」という新しいカテゴリーである。
夜間走行時、対向車のLEDヘッドライトが眩しく感じることはないだろうか。あるいは、雨の日の濡れた路面が白く反射し、白線や路面状況が見えにくくなった経験は?
「年齢を重ねるにつれて、私たちの目は少しずつ変化していきます。暗所での視認性の低下、光の眩しさへの敏感さ、疲労の蓄積─。若い頃には気にならなかったことが、50代、60代になると、徐々に運転時のストレスや不安へと変わっていくのです」
そう話してくれたのは、北海道大学大学院 医学研究科炎症眼科 特任教授の大野重昭氏。
「眼鏡やサングラスは、視力を補正し、視界を整えるための光学機器といえますが、現代のより進化したものには、運転中の視界を整える機能性ツールとしての側面もあるのではないでしょうか」と言葉を継ぐ。
実際、今日の進化を遂げたサングラスは、上述の問題をテクノロジーによって解決し始めている。
例えば、夜間用サングラス。サングラスは日中に着用するイメージが強いが、夜間運転用に開発されたレンズは、対向車や後続車のLEDヘッドライトなどの眩しい光を抑えながら、路面や白線の視認性を高める設計となっている。
完全に暗く見えるわけではなく、“運転中の視界を整える”感覚に近いので、「かけたほうが、運転が楽になった」と感じた体験者からの口コミで、徐々にその認知度を広げているような状況だという。
一方、雨天用サングラスでは、偏光技術が取り入れられている。濡れたアスファルトに乱反射するギラつきを抑え、視界の情報量を整理することで、より運転に集中しやすいようにしてくれる。
つまり現代のサングラスは、“眩しさを防ぐ”だけではないのだ。「“視界を最適化する”という、新しい役割をもち始めているという点に注目してほしい」と、大野氏は語る。
「見える」という安全性能
大野氏によれば、夜間事故の一因として、「視界情報の処理疲労」があるという。
特に近年はLEDヘッドライトの高輝度化が進み、先述したように、対向車の光や後続車のヘッドライトが眩しく感じられ、目がくらむような感覚を覚えるときもある。雨天時には、水膜や水滴の反射・散乱によって道路の状況、標識、白線などの視認性が低下する。
その結果、視界から得られる情報を処理するための負担が大きくなり、脳が疲労しやすくなるという。そこで注目されているのが、夜間や雨天時の視界をサポートし、運転に必要な情報を見やすくする「夜間運転用サングラス」だ。
「サングラスというと、“視界を暗くするもの”と思われがちでしたが、現代の進化したレンズには当てはまらないどころか、実際には逆のこともあります。適切なレンズは、見やすさを向上させるものだからです」と大野氏は説明する。
特に夜用・雨用サングラスは、“暗くする”ことが目的ではないという。眩しさや乱反射といったノイズを減らし、必要な情報をクリアに見せるための機能性ツールなのだ。
これは、静粛性を高めることで運転快適性を向上させるLEXUSの思想にも通じる部分がある。クルマも余計なノイズを減らすことで、本当に必要な感覚が際立つのだ。
サングラスは「複数持ち」する時代に
では、実際にどんなサングラスを選べばいいのか。専門家がすすめるのは、「一本万能」ではなく、用途に応じた使い分けだ。
例えば、「日中の強い陽射し用」「夜間運転用」「雨天時用」「長距離ドライブ用」といった具合に、シーンごとに使い分けるのだ。すでに、複数本を持ち歩く、あるいは車内に常備するなど、用途別にサングラスを使い分けるユーザーも見られる。
視力や見え方には個人差があるため、理想は、自分の視力に合わせた度付きサングラスを、想定されるドライブシーンに合わせて用意することだろう。
また、レンズだけでなくフレーム選びもなおざりにしてはいけない。例えば、日中の強い陽射し用であれば、テンプルも含めたフレームが、側面からの陽射しをある程度遮る役目を果たすものもあるが、逆に太すぎて、長距離ドライブの際に重く不快に感じてしまっては本末転倒となってしまう恐れもある。
デザイン的には、ノーズパッド(鼻あて)のないシンプルなフレームのほうがスタイリッシュに見えても、フレーム形状によってはフィット感に個人差がある。眼鏡も含めて、eyewear(アイウェア)とも呼ばれるサングラスは、その名のとおり目の上に着用するウェアラブルギアであると考えれば、デザインの好みだけでなく、自分がどんなシーンでどんな目的で使用するのかを、丁寧に吟味したうえで選ぶべきだろう。
一方で、「まず試してみたい」という人におすすめなのが、クリップオンタイプである。普段使っている眼鏡に被せる形で装着するだけで、夜間用・偏光機能付きサングラスに早変わりする。最近はデザイン性も高く、軽量でスマートなものも増えているから、比較的手頃な価格も含め、入門編としておすすめできるだけでなく、車内に常備しておくのにも適しているだろう。
視界が変わると、ドライブはもっと楽しくなる
クルマにおいて、ドライブ時の快適性を決める要素は、エンジン性能や足回りだけではない。実は、「どんな景色が、どれだけ自然に見えるか」もまた、非常に大きな要素となるからだ。例えば、夕暮れの高速道路、雨上がりのワインディング、街明かりがきらめく夜のストリート―。
視界に入ってくる情報を整理するだけで、運転は驚くほど楽になる。そして、その安心感は、結果としてよりドライブが楽しめることにもつながっていく。
今やサングラスは、単なるファッションアイテムでも、“眩しさ対策”の道具でもない。愛車とともに、より豊かなドライブ時間を過ごすための機能性を備えたツールとして捉え直し、ぜひその最新のラインアップを、店頭で実際に手に取って試してみてほしい。
※画像は一部イメージです。
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