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松本一誠プロの『パワーに頼らず飛ばす』Vol.2~理想の形を視覚でイメージ~

飛距離アップはあらゆるゴルファーの夢であり、PGAツアーなどのデータを見ても、ティーショットの飛距離がスコアに及ぼす影響は極めて大きい。プロゴルファーのようなストイックなトレーニングなどできないアマチュアにとって、飛距離を伸ばすにはどうすればいいのか。「飛ばしは技術」だと話す、JPDAのドラコン選手で団体史上初の大会2連覇など数々の実績を残し、最近ではInstagramの単一動画再生回数は1,000万回を突破するなどSNSでも人気を誇る松本一誠プロに飛ばしのコツを教わった。
第2回目では、飛ばせるスイングを身につけるコツについて。

ボールに力を伝える“インパクトの形”

ドライバーの飛距離を伸ばすためには、いかにインパクトの効率を上げ、スイングのエネルギーをボールにうまく伝えるかが肝心です。
みなさんドライバーショットの理想のインパクトの形を想像してみてください。もし実際にクラブを持てるなら、球を打たなくていいので飛ばせそうなインパクトの形を作ってみてください。
私のインパクトを見てもらえればイメージしやすいと思いますが、飛ばせるインパクトというのは、体のエネルギーをボールに伝えやすい形、いわば「ボールを押せる形」であることが重要なんです。

松本一誠プロのドライバーインパクトの形

逆に打ち急いでクラブが先行しすぎていたり、振り遅れてクラブが間に合っていないインパクトは、見るからにエネルギーロスが大きく飛ばなさそうだと思います。
つまり、飛ばすためには振り遅れたり打ち急いだりせず、体、腕、クラブなどがすべて同調して動くことが大事だということです。

打ち急いでクラブが先行してしまうとボールを押せなさそう
振り遅れでは完全にエネルギーが逃げてしまっている

意識することは“一緒に動かすこと”

しかしゴルフスイングは1スイングわずか1~2秒の一瞬の出来事。その一瞬の間に形を意識したり動きの注意点を考えたりするのはとても難しいことですし、さらにインパクトの形をこのスピーディーな動きの中で「作る」のはさらに難しい。
しかもゴルフスイングは体を中心とした円運動で、長くてしなるシャフトの先にヘッドがついているクラブを振る動作であるため、中心部の動きと末端部の動きにズレが生じるのも難しさの要因です。
こういった問題があるからこそ、ゴルフでは「振り遅れ」や「打ち急ぎ」といったワードが多用されますし、実際そのせいで飛ばない、曲がるといったエラーが生じやすい部分もあります。

これらのミスを防ぎスイングのエネルギー効率を上げるには、下半身、上半身、腕、クラブなど全部を一体にして一緒に動かす感覚が重要です。どこか一カ所だけを先行させたり遅らせたりすると、この同調が乱れ、インパクトの効率が低下しやすくなります。
ただし実際のスイングは、長いクラブを速く振る以上必ず中心部と外縁部にタイムラグが生じ、完璧に全部がセットで動くわけではありません。しかしそのラグを意図的に作ろうとするとエラーになりやすく、プレーヤー自身は全部一緒に動かそうとした結果、自然とそのラグが生じるものだというのが私の考えです。
ゴルフのレッスンでは「下半身先行」や「レートヒット」などという言葉がよく使われますし、全部一緒に動くのは「ドアスイング」などと呼ばれタブー視されがちです。
しかしこの言葉は、実際に起こっている現象を指すものであって、プレーヤー自身が過剰に「下半身先行」、「レートヒット」のように動こうとするのは、私はあまりおすすめしません。

「下半身先行」させようとした結果振り遅れるアマチュアは多い

自分のスイングを細かく“見る”

この「全部一緒に動く感覚」を養うには、ただボールを打って練習しているだけではダメ。特に、飛ばそうとして力みながら何百球も打っても、効率が落ちていく一方です。
私がおすすめするのは「見て覚える」こと。
まずは理想のインパクトの形を作り、そのときの手の形、体のポジション、腕の状態などが「どうなっているか」を目で見てイメージに刻み込むんです。
まずは止めた形でなるべくパーツごとに細かくチェックし、しっかり記憶してください。そしてそのイメージを再現できるようにスイングする練習をします。
できればインパクトだけでなく、切り返しやフォローも同様にチェックしましょう。
切り返しではとくに右肩のポジションや手元の動きが重要。スライサーは切り返しで右肩が突っ込みがちなので、胸と肩がどこを向いているかを意識しながら、手元とクラブが真下に動く感覚を覚えましょう。

切り返しの形も目で見て覚える
切り返しでは手元とクラブが下方向に動く

フォローでは手元が体の中心にあり、さらにヘッドまで一直線になるポジションを意識してください。インパクト後、この形を経由してフィニッシュに向かうことを体に覚え込ませてください。

フォローでは腕とクラブが体の正面で一直線になる瞬間がある

まずは止めた形でしっかり見ながらチェック。そしてその形を再現するにはどんな感覚を持てばいいかを探りながら練習してください。
その結果、自分のなかで「下半身を先行させている」や「手の動きを遅らせる」といった感覚があってもそれでOK。「一緒に動かす」ための自分にとっての感覚だということが理解できれば、レッスン用語に振り回されることもなくなるはずです。


松本一誠(まつもといっせい)

1992年生まれ。杉並学院高校ゴルフ部で活躍し、研修生を経てレッスンの道へ。23歳からドラコンにも挑戦し、2016年にはJPDA団体史上初の2大会連覇を達成。2019年JPDAのアキュラシー部門、ロングドライブ部門の両方で年間獲得ポイント1位。2020年には自己最長429ヤードを記録。2023年JPDAドラコンプロタイトルマッチ優勝など数々の実績を持つ。ベストスコア63とゴルフの腕前も一流で、トレーニング理論やスイング技術の発信にも積極的。SNSも人気で、競技と普及の両面で日本のドラコン界を牽引する存在。

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