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レクサスイベントレポート2022
富士スピードウェイで開催。第3回「レクサス サーキット エクスペリエンス」イベントレポート

サーキットを使ったスポーツドライビングの楽しさ、そして一般道で試すことのできないクルマの挙動をクローズドコースで体験できる「レクサス サーキット エクスペリエンス」が、富士スピードウェイ「トヨタ交通安全センター モビリタ」および国際レーシングコースで開催されました。

Text:Yohei Kageyama
Photo:Masami Sato

愛車を使ってのドライビング体験ができるイベント

ドライ路面のカーブを曲がっているとき何km/hほどでタイヤが鳴って滑りだすのか、ウエット路面を40km/hで走行中に急ブレーキをかけると何mくらいで停止できるのか、こうした状況でクルマはどんなサポートをしてくれるのか……。長年乗りつづけてきた愛車でも、限界領域での性能を知っている人は少ないのではないでしょうか。

もちろん、緊急回避を必要とする状況にならないことがベストですが、公道を走っていればなにが起こるかわかりません。そこで安全性の基礎知識と運転スキルを取得でき、さらにスポーツドライビングの楽しみをも知ることのできるイベントが、レクサスオーナー向けに過去2回にわたって開催されてきました。

そして第3回となる今回、「レクサス サーキット エクスペリエンス」は富士スピードウェイを会場として2022年8月30日に開催されました。第1回・第2回のイベントが好評だったこともあり、参加者募集を開始して1日で定数の30組をオーバーしてしまうほどの人気ぶり。キャンセル待ちをしてようやく参加できたというオーナーも複数いました。

トヨタ交通安全センター モビリタの建屋には、講義を行うこともできるカンファレンスルームや眺めのよいロビーなどもあります。

さて、会場である富士スピードウェイには「レーシングコース」や「ジムカーナコース」などといった速さを競うためだけでなく、「トヨタ交通安全センター モビリタ」という体験・学ぶための施設も用意されていて、今回のメイン会場もこのモビリタです。

東京ドーム2個分よりもさらに広くフラットな10万平方メートルのスペースには、公道とほぼ同じアスファルトに散水設備を使ってウエット路面を再現したり、摩擦係数の低い舗装と散水システムで圧雪路と同等の滑りやすさを再現するなど、一般道におけるあらゆる路面状況を作り出すシステムが組み込まれています。

ここに運転し慣れた愛車を持ち込み、ドライビングテクニックを磨くことができるのです。

滑りやすい路面環境で愛車を走らせることにより、クルマがどのような動きをするのか体験できます。

愛車に備わっている安全性能を確かめるチャンスにも

プログラムは大きく分けて3つが用意されていました。「座学」と「体験」、そしてレーシングコースを使っての「実践」、全行程をとおしての講師に井口卓人選手が招かれました。スーパーGTやスーパー耐久でシリーズチャンピオンを、そしてニュルブルクリンク24時間耐久レースでもクラス優勝を果たすなど実戦経験豊富な現役レーシングドライバーです。

座学での内容は、ハンドルの握り方やペダル操作といった基礎的な知識にはじまって、コーナリングでのタイヤの使い方など多岐にわたりますが、あらゆる項目に現役レーシングドライバーらしいアプローチが加わります。ドライビングポジションを教わったのは「自動車教習所以来、久しぶり」という人も多く、実践的なスキルも加わって目からウロコのアドバイスを聞くことができたはずです。

レーシングドライバー井口卓人選手による講義は実践的で、すぐに使えるテクニックばかりです。

さて、座学を終えるとペンをハンドルに持ち替え、愛車で走行エリアへと向かいます。ここでは「低μ(ミュー)路体験」とドライ路面での「ハンドリングトレーニング」、ウエット路面での「ブレーキトレーニング」を行います。

ハンドリングトレーニング
ブレーキトレーニング

中でも低μ路体験では、G(重力加速度)を測れる計測器をクルマに取り付けてデータを収集。走行後、計測データのグラフを元にインストラクターが解析し、ペダルやハンドルなど操作のアドバイスをしてくれるのです。運転のクセは自分ではわかりにくいため、グラフで可視化して改善策を示してくれます。「スポーツ走行の腕前アップだけでなく、同乗者にとっての快適性アップにもつながりそうです」とコメントしたのは、レクサス NXで参加していた男性ドライバーでした。

ペダルやハンドルの操作によってどのようなGがクルマにかかっているのか、自分の運転を確認。アドバイスを受けられます。

講師の井口選手に、このプログラムの中で参加者が体験してほしいことを聞いてみると「クルマの挙動を崩してもぶつかるものがない場所ですので、愛車のドライビング限界値を探り、知ってほしいです。また、滑ったとしてもレクサス自慢の電子制御がすぐに体勢を立て直してくれます。知らないうちに受けている恩恵……レクサス車の安全性能を体感できる機会ではないでしょうか」と答えてくれました。

RC Fで参加し、いつも安全運転しているという女性は「自分のクルマがこんなに鋭く、安全な動きをするとは思っていませんでした」と驚きがあったようです。街中で試すことのできない速度域でのコーナリングやABSを効かせるほどのフルブレーキをし、そうしたクルマの走らせ方を知るだけで事故を発生させない運転に、そしてなによりもレクサスらしい走り味「レクサス ドライビング シグネチャー(Lexus Driving Signature)」を存分に味わえれば、さらにレクサスのある楽しい自動車ライフを送れることでしょう。

カップルや子ども連れなど複数人での参加も多い

普段はレクサス関係者向けの研修施設として使用され、一般に解放されていない富士レクサスカレッジにあるレストランで昼食をとったあとは、午前の講義・練習の成果を試す「レーシングコース先導走行」です。

日本に6カ所しかない国際レーシングコース(FIA公認サーキット)のひとつ富士スピードウェイ本コースを走れるとあって人気コンテンツとなっています。IS200tで参加していた男性は「今日1番の楽しみにしていました。このイベントには第1回・第2回とも当選しなかったので、ようやく念願が叶います」と喜びを口にしていました。

レーシングコース先導走行は、運転手だけでなく同伴者も助手席から体験することができます。

走行はインストラクター先導のもと約15分(4周)×2セットを徐々にペースアップしながら行われ、ホームストレートでの最高速度は140km/hに達します。これは公道で出すことのできない速度域ですが、IS350の助手席に同乗していた女性は「ストレートでもコーナーでもぜんぜん怖くありませんでした!」と楽しんでいた様子です。

実はこの「レクサス サーキット エクスペリエンス」、ドライバーだけでなく同伴者(同乗)も参加できることもあって、カップルや夫婦、さらには小学生の子どもたちと一緒に走行する家族などさまざまな組み合わせが見受けられました。子どもにとっては夏休み最後の思い出に残るアトラクションになったのではないでしょうか。

そして最後にハズレなしの抽選会と閉会式をもって、7時間にわたって行われたイベントも無事に閉幕しました。講師を務めた井口選手からは「今回習得したことはすべて一般道で取り入れることのできるテクニックです。帰り道からぜひ実践し、スキルアップしてください」と締めくくりました。

次回開催の予定はまだ決定していませんが、現在計画中とのことです。一般道で味わえない体験ができるこのイベント、皆さまもぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

閉会式に行われた抽選会では、ビルボードライブペアチケットやWEC富士6時間耐久レース観戦チケット、LC500の1/43ミニカーなどの賞品が並びました。

■レクサス サーキット エクスペリエンス 開催概要

開催日:2022年8月30日(火)
場所:富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町中日向694)
参加費:ドライバー40,000円/同伴者1人につき2,200円
主催:富士スピードウェイ株式会社
協賛:トヨタ自動車株式会社

■モビリタ

住所:静岡県駿東郡小山町中日向694 富士スピードウェイ内
電話番号:0800-123-0250
URL:https://www.toyota.co.jp/mobilitas/

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