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富士モータースポーツミュージアム
自動車を鍛え、進化させた、
モータースポーツの歴史を堪能

2022年10月7日(金)、熱烈なモータースポーツファンばかりか、クルマに興味のある人たちの期待を受け、富士モータースポーツミュージアムがオープンしました。ちょうど、富士スピードウェイのストレートコースへと向かう、最終コーナーの側に位置し、同時にオープンした、富士スピードウェイホテルと同じ建物の1階と2階です。“未来のモビリティとモータースポーツの街”を目指して誕生した富士モータースポーツフォレストの大切な拠点でもある、富士モータースポーツミュージアム。クルマを愛する大人たちの遊び場であり、社交場として、盛り上げてくれるでしょう。

Text/Motoki Shimizu
Photos/Masaru Suzuki

世界でも希少な存在ですが、
それ以上に、すべてが斬新なモータースポーツミュージアムです。

富士モータースポーツミュージアムは、世界でも希少なモータースポーツミュージアムです。ミュージアムを展開する建物も、展示車両も、展示する方法も、ミュージアムとホテルが手を携えるというホスピタリティの融合も、すべてが斬新です。約130年にわたるモータースポーツの歴史を、世界中から集めた約40台のレーシングカーで紹介し、レースに携わってきた人びとの熱い想い、レース活動を通じた技術開発の軌跡まで披露していきます。

館長 布垣 直昭/ぬのがき なおあき
1982年トヨタ自動車(株)入社以来、自動車のデザイン部門に携わる。本社での活動が中心だが、先行開発拠点の東京や欧州にも赴任。デザイン開発を通して自動車の歴史や文化を観察してきた経験から、2014年よりトヨタ博物館 館長として自動車文化発展に尽力。2022年当館館長に就任。

まずは、富士モータースポーツミュージアム誕生の経緯を、トヨタ博物館館長を兼任する布垣 直昭(ぬのがき なおあき)さんに伺いました。

【布垣】 トヨタ自動車創立50周年の記念事業として、1989年、トヨタ博物館を設立しました。以来、世界の自動車とクルマ文化の歴史を紹介してきましたが、なぜ、モータースポーツ系の車両は展示してないのか、といった意見を多くいただいておりました。

中でも、TOYOTA 7とか、同時期に活躍したNISSAN R380とか、日本を代表するレーシングカーについてのお問い合わせを多くいただいたのですが、展示スペースの関係もあり、量産車に特化してきたわけです。しかし、当然ながらモータースポーツの歴史を伝えたいという強い想いはありましたので、歴代のモータースポーツ担当部署などとも、検討を続けてきていました。

モータースポーツミュージアムにとって、富士スピードウェイという場所は、理想的な立地ですね。

【布垣】 モータースポーツミュージアムを誕生させたい、という想いを絶やすことなく持ちつづけていたわけですが、ちょうど、富士スピードウェイ内にホテルをつくる計画があり、そのときが来た、という感じでした。しかも、世界有数のサーキット内に設立できるわけですから、しっかりとモータースポーツの歴史を語ることのできるミュージアムにしなければいけないと思っています。

富士モータースポーツミュージアムの、基本となるコンセプトを説明していただけますか。

【布垣】 展示車両は、僅かな台数かもしれませんが、130年間のモータースポーツの歴史を語るとき、なぜ、自動車メーカーが自動車レースに参加しつづけているのか、ということをストーリーとしてキッチリと伝えたいと考えました。

実際、世界初の自動車レースは、蒸気自動車、電気自動車、ガソリン自動車という、3タイプの動力源で競い合ったのです。1899年、パリをスタートして隣のルーアンという町へ行き、パリに戻ってくるという都市と都市を往復するレースで、実用性を証明するためのレースでした。結果、当時、最高だと自負していた蒸気自動車を打ち負かし、いちばん後発で、新参者であったにもかかわらずガソリン自動車が優勝。以来、ガソリン内燃機関こそがいちばんである、と信じて発展してきたわけです。もちろん、このときの優勝車、フランスのパナールを展示しています。

ミュージアムに入口に展示されている1号車は、1899年、パリ-ルーアン間の往復レースにて蒸気と電気による自動車に勝利し、ガソリン車発展に貢献したフランスのパナール エル ヴァッソール タイプ B2。

トヨタ自動車の車両はもちろんですが、いろいろな自動車メーカーのクルマが展示してありますね。

【布垣】 モータースポーツの歴史を語るとなると、いろいろな自動車メーカーが、いろいろなレースに関わってきていますから、トヨタ自動車関係のクルマだけではなく、いかに各メーカーのクルマをミュージアムに取り込んでいくか、ということが、当初から念頭にありました。自動車メーカーは、モータースポーツに参戦することで、普通に乗っているクルマに近い量産車を鍛える、という側面もあります。

おかげさまで、各自動車メーカーに協力していただくことができ、クルマ文化を盛り上げるために、希少なクルマを展示することが可能になりました。モータースポーツのファンの方々はもちろんですが、ぜひ、一般の方々にも鑑賞していただければと思っています。

富士モータースポーツミュージアムでは、世界の自動車メーカーが、威信をかけて自動車レースに挑み、熾烈な競争のなかで飛躍的に進化させてきたモータースポーツの歴史を、約40台のレーシングカーを展示のためのテーマによって入れ替えながら、紹介していきます。ミュージアムとホテルが手を携え、ホスピタリティの融合を目指す、世界でも例を見ない画期的な空間のなかで、レースに賭けた人びとの熱い想いや挑戦、技術開発の軌跡を探求してみてはいかがでしょうか。

【DATA】
富士モータースポーツミュージアム

住所:静岡県駿東郡小山町大御神645
https://fuji-motorsports-museum.jp/
※予約優先

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