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チバソム アジア随一のスパでデトックスを極める

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バンコクの南西200キロにあるホアヒン。歴代の王に愛され、古くから発展した気品あふれるリゾートに、「チバソム」はひっそりと佇む。1995年のオープン以来、アジア随一のデスティネーションスパとして世界のウェルネス界を牽引。多くのハリウッドセレブやプロスポーツ選手も信頼を寄せ、定期的な心身のメンテナンスに訪れている。ゲストは16歳以上限定、リトリートは12種類(トリートメントは200種類以上)、ウェルネスキュイジーヌ、公共エリアでのデジタル機器の使用禁止など、美と健康を叶えるための理想的な環境が整っている。チバソムは3泊から滞在可能だが、体験できるリトリートに限りがあるので、最低5泊からのプログラムを選択したい。今、40〜60代の多くが抱える体の悩みは、メタボリックシンドロームと便秘だという。今回は、そういった症状の改善に最適な「アート・オブ・デトックス」を5泊6日で体験した。

まず、自然療法士の資格をもつヘルス&ウェルネス・アドバイザーとのコンサルテーションが行われる。日本で生活習慣、既往歴などを記入し、すでに提出しておいた問診票を基に、不足している栄養素や理想的な生活スタイルについてのアドバイスがある。そして、整腸作用のあるサプリメントなどが入った「デトックスサプリメントセット」が渡され、摂取方法の説明を受ける。身長、体重、血圧を測定し、毎晩22時前に眠ることをすすめられた。続いて「デイリーマッサージ」(オイル、タイ古式など6種から毎日選択)を受け、時差ボケが解消。食事は、インターナショナル料理かタイ料理のレストランで食べる。ともに専用のオーガニック自家農園で収穫された野菜、フルーツなどを使用したヘルシーな料理を味わえる。到着日、5日目、出発日は通常のウェルネスキュイジーヌを楽しめるが、「アート・オブ・デトックス」では独自の食事療法が組まれ、2〜4日目は、毎食メニューが決められている。

腸を浄化する食事とマッサージ

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2日目。この日から3日間は食事療法がある。3食の他、朝食と昼食の間、昼食と夕食の間の1日2回は、ヘルシードリンクを飲む。コーヒー、アルコールは禁止だ。この日は魚と野菜を主とした“レスデー”。朝食はグリルした白身魚、野菜のソテー、ハーブのサラダが一皿に盛られて供される。午前中は、デトックスプログラムとは別に、全身の筋肉や骨の状態をチェックする「フィジカル分析」を受ける。続いて、特殊カメラで顔を撮影し、シワや紫外線ダメージの状態を計る「肌診断」(各40分 無料)も体験。ともに自分の現状を知る良い機会だ。昼食はスープ、サラダ、蒸し野菜を満喫。プールサイドでくつろぎ、夕方から、腸の動きを活発にする「マヤマッサージ」(50分)、続いて「腸内洗浄*」(45分)を体験。腸内に残った老廃物は慢性病を引き起こし、免疫力の低下につながるといわれている。1.5〜2.5リットルの水で腸内を洗い流すことで、頭痛、皮膚病、便秘などが解消する場合も多い。トリートメント後、しばらくは脱力感があるがすっきりする。夕食は青パパイヤのサラダと白身魚の蒸し煮、味噌汁を味わう。

3日目は食事がすべてスープの“リキッドデー”。朝食は緑黄色野菜や味噌などが入ったスープをとる。その後、プライベートレッスンで「プラナヤマ呼吸法」(50分)を教わる。さまざまな呼吸法を行ううちに、頭がクリアになる。続いて「スーパーストレッチ」(25分)へ。マットに横たわり、インストラクターのサポートにより全身を伸ばしていく。昼食はクリーミーなマッシュルームスープ。午後は、白砂が美しいホアヒンのロングビーチを、ゆっくり散歩する。夕食はビーツなどが使われた「カリウムスープ」を味わう。予想していたより空腹感に襲われることなく、ラクに過ごせた。

4日目は軽食の“リーンデー”。食材を加熱せずに、酵素や栄養素をキープするローフードのメニューが2食で登場。朝食はローシリアルで、アンチエイジング効果のあるアーモンドミルク、体内の循環を良くするアーユルヴェーディックパウダーをかけて味わう。午前中、オプションで「フローテーション・セラピー」(45分 THB1,700)を受ける。人肌くらいの温度の塩水プールに浮かぶと全身の力が抜け、なんともいえない解放感に浸れた。昼食はローグリーンカレー。加熱せず作られたカレーは新鮮な味わい。ライスはないが満足感がある。夕方からは2日目同様、「マヤマッサージ」で腸の動きを高めてから、「腸内洗浄」を体験。前回よりラクにデトックスできた。夕食は、消化吸収を高めるアブラナ科の野菜を中心にスチームした一皿を味わう。

5日目、通常のウェルネスキュイジーヌに戻る。消化の良さそうなスープや蒸し野菜を少量食べるように助言されていたので、朝食はフルーツとお粥を注文。この日はプログラムのメニューがなかったので、宿泊者が参加可能なデイリーアクティビティのヨガ(無料)を体験し代謝を促進。昼食は蒸し野菜、そして鶏肉も久しぶりに食べる。胃が小さくなったのか、すぐに満腹に。午後は、腹部中心の内臓マッサージ「チネイザン」(50分 THB4,500)をオプションで体験。腹部を中心に内臓に働きかけるユニークなタッチのトリートメントで、受けている間に不思議な夢を見て、感情のデトックスもできたようだ。その後お通じもあり、体内の老廃物も排出できた。

デトックスの効果を最大限に引き出すなら「腸内洗浄」がベストだが、刺激が穏やかな「チネイザン」(内臓マッサージ)または「Ear-Ab Reflex」(内臓に効く耳つぼマッサージ)に変更も可能。

これまでと違う自分を実感する

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出発日、再びコンサルテーションがある。最適な食事療法、エクササイズ、トリートメントを行い、22時前に就寝することを実践したせいか、顔色は明るくなり肌のつやが蘇った。体重はマイナス0.5キロだったが、むくみは解消された。また、肌トラブルの原因となることも多いグルテン(小麦)をほとんど摂取していなかったせいか、肌の乾燥や赤みが鎮静された。「アート・オブ・デトックス」はなかなか厳しいプログラムだったが、確かに心身は蘇り、不調の原因が見つかることを実感。帰国後、同じような生活を続けることは難しいが、ここで体感した知恵を日々に取り入れれば、ストレスやトラブルは必ず軽減するはず。健康を維持するための条件を、頭でなく体で理解できた。

Retreat Programアート・オブ・デトックス

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5泊からの滞在期間で、一人ひとりの体調に合わせた食事療法と解毒作用のあるセラピーを組み合わせたプログラム。本格的な食習慣の改善から緩やかな食事調整まで、各人の目標に合わせて取り組める。担当アドバイザーがサプリメントなども活用し、理想的な食生活に関するアドバイス、体内デトックスの促進をアレンジする。5泊の場合、宿泊費、到着後と出発前のコンサルテーション、毎日のデイリーマッサージ、デトックスサプリメントセット(1週間分)、ムードミスト、マヤマッサージ(またはマニュアル・リンパティック・ドレナージュ)2回、腸内洗浄2回、プラナヤマ呼吸法1回、スーパーストレッチ1回、1日3食のウェルネスキュイジーヌなどが含まれる。

CHIVA-SOM INTERNATIONAL HEALTH RESORT

リゾートのエントランスから客室へは、橋を渡って向かう。さまざまな南国植物が茂り、色とりどりの花が咲くオアシスだ。

CHIVA-SOM INTERNATIONAL HEALTH RESORT

住所:73/4 Petchkasem Road, Hua Hin, Prachuap Khiri Khan 77110 Thailand
TEL:66-3253-6536
URLhttps://www.chivasom.com

いたくら ゆみこ◎トラベル&スパジャーナリスト。慶應義塾大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)の編集者を経て独立。世界に息づく文化、癒し、食をテーマに、五感を潤す旅を構成&執筆。

あきた だいすけ◎写真家。“冒険とエレガンス”をキーワードに世界各地を取材し、建築、食、旅、人物などのライフスタイル誌、広告等で活躍。受賞歴多数。

moment 2018年 9/10月号より