moment 2015年5/6月号
海外紀行 イタリア

イタリア式 “甘い生活”

文/コーディネート・徳永佳代 写真・アレッサンドラ・イアッニエッロ

“ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)の時代”と言われた1950年代から、イタリアは“最も甘美な旅先”として、世界中を魅了してきた。目指すは“地中海の十字路”シチリアと、1000年以上の繁栄を謳歌したヴェネツィア。

“ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)の時代”と言われた1950年代から現在に至るまで、イタリアは“最も甘美な旅先”として、世界中のジェットセッターを魅了してきた。その芸術や文化、豊かな食とワイン、そして人生を謳歌する情熱に満ちたイタリア人気質が織りなす至福の「ドルチェ・ヴィータ」に触れてみたい。

目指すは、燦然たる輝きを放つ南北ふたつの海の都。ギリシャ神話が息づく“地中海の十字路”シチリアと、1000年以上の繁栄を謳歌した“アドリア海の女王”ヴェネツィアへ。


シチリア
日本からの直行便はなくヨーロッパ各都市で乗り継ぎ、シチリアへ。カターニア空港が最も発着便数が多い。夏は日射しが強く乾燥するが、タオルミーナは夜冷えるので長袖の上着は必須。公用語はイタリア語、時差は3月29日からサマータイムで-7時間。通貨はユーロ(€)。


タオルミーナの奇跡の風景

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地中海の中央に位置するシチリアは、幾多の文明が交差した歴史とダイナミックな風土が育んだ美食で知られる、イタリアでも憧れの旅先のひとつだ。特に東海岸は早くから古代ギリシャの入植地であったため、街のそこここに歴史の軌跡を見ることができる。

シチリア旅のスタートは、タオルミーナがいい。どんな旅人をも迎えてくれる包容力をもっている。海抜250メートルの崖上に築かれたこの街は、ギリシャ神話の女神が棲むというイオニア海の圧倒的な景色が自慢だ。そして、ゼウスが魔神テュポンを封印したとされる活火山、エトナに抱かれた美しいリゾート地。モーパッサンやデュマなどの文豪も、タオルミーナの美しさを賞賛している。

良質なワインの産地エトナへ

タオルミーナから車で南西へ1時間、近年最も注目されるワイン生産地でもあるヨーロッパ最高峰の活火山へ。20以上のシチリアDOCの中でも、エトナワインへの注目が尽きないのは、ミネラル豊富な火山性土壌と激しい温度差から生まれる質の高いブドウを求めて、良質なワイン造りに挑む感性ある造り手が集まりはじめているためだ。さらに昨今の健康志向で、エトナのような原産品種のブドウそのものが生きたフレッシュなワインが求められている。

シチリアの台所、カターニア

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イオニア海の恵みを享受するのに最適な街は、カターニアだろう。ここは、エトナ山のお膝元でありながら、シチリア最大の魚市場で賑わう港町だ。また、火山性玄武岩と海からの石灰岩からなる18世紀バロック建築の街並みは、世界遺産でもある。