
ボンネットのないフォルムを生かした大胆なデザインの「LF-30 Electrified」。乗降しやすく、スポーツカーなどにもよく見られるデザインのガルウィングドアを採用している。
2020.2.25
「moment3/4月号 デジタルブック」をリリースしました。
「日本紀行」は、温泉王国・大分県を特集。日本一の温泉湧出量を誇る別府温泉、雄大な由布岳をはじめ豊かな自然に癒やされる由布院温泉、世界屈指の炭酸泉で人気を集める長湯温泉と、湯めぐりを楽しみ、とっておきの宿でくつろぎます。「週末ドライブ紀行」は、レクサスNX300に乗って静岡県の川奈へ。貴族の館と名門ゴルフコースで至福の時を過ごします。
2020.2.25
「レクサスを語る」をリリースしました。
“静粛性・快適性・高品質”を武器に、高級車像を体現するモデルとして生まれたラグジュアリーセダンLS。一方、高揚感を高める走行性能と、唯一無二のデザインで注目を集めたラグジュアリークーペLC。国内でレクサスブランドが展開されて15周年となる今年、フラッグシップモデルの双璧をなす2台を通し、レクサスの“今”を見つめます。
2020.2.25
「moment3/4月号 読者プレゼントの受付」を開始しました。
2020.1.24
「レクサスを語る」をリリースしました。
レクサスが掲げる“CRAFTED”の哲学を追求する、デジタル版限定コンテンツ。今回は、IS特別仕様車「I Blue」に施されたステアリングを特集。カラーデザイナーに話をうかがい、日本ならではの感性や技術が込められた、素材、研磨、顔料、塗装などの詳細をレポートします。
2019.12.25
「レクサスを語る」をリリースしました。
次世代の電動化ビジョンを象徴するEVコンセプトカーとして公開された「LF-30 Electrified」。新テクノロジーを搭載した高い運動性能、未来的なエクステリア、先進的デザインのインテリア――。開発担当者に具体的なビジョンをうかがいました。
moment 2020年 1/2月号
レクサスを語る
文・渡辺敏史 写真・川口賢典
2019年10月に開催された東京モーターショーで次世代の電動化ビジョンを象徴するコンセプトカー「LF-30 Electrified」が発表された。
自由度の高い運動性能を実現する4輪インホイールモーターを採用。先進的デザインのコックピットやステアバイワイヤなど実装を見据えた電動化技術の結晶たる近未来のレクサス車がそこにあった——。
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さる東京モーターショーでワールドプレミアとなったレクサスのコンセプトカー「LF-30 Electrified(以下LF-30)」。その狙いは、今後パワートレーンの電動化を更に推し進めるというブランドのビジョンを示すことにある。
「LFはシンプルにLexus Futureの略で、我々の代々のコンセプトカーに与えられてきた称号です。そして30には様々な意味合いが込められています」
開発を担当した渡辺剛チーフエンジニアによると、大義的にはEV化や自動運転の技術実装が想定される2030年に、レクサスが目指す車のあり方を形とともに車名に込めたということだ。が、一方で30年向こうの2050年に向けてのCO2フリー化への指標となるような存在として、更にはこのモデルが発表された2019年が、レクサスブランドにとって創立30周年の節目であることも無関係ではないという。
「LF-30はピュアEVを企画の段階から意識した、我々としては初めてのコンセプトカーということになります。まずEVになることでユーザーにはどのようなライフシーンでどういうメリットが生まれるのか。そしてEVによってプロポーションや空間などのパッケージ、キャビンデザインなどにどのような変化が起こるのか。それを踏まえて、レクサスとしてEVを通して世にどのような価値観を提案していくのか。これらをデザイナーたちと色々議論しながら、アウトラインを作り上げていきました」
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今日的なコンセプトカーの多くが自動運転化によるメリットを最大に表現する中、LF-30は最高レベルの自動運転技術を搭載する予定でいながら、車両を操るためのインターフェース、それを操作する席が明確に示されている。これはレクサスが未来においてもオーナードライバーズカーを作りつづけるという意思表示とみることもできるだろう。
「その通りですね。LF-30はお客さまに所有いただいてドライブを楽しんでいただくという、100パーセントドライバーズカー前提で考えられたコンセプトカーです。一方で自動運転のメリットを我々なりに追求した空間作りにも拘っています。リビングのように対座することは考えていませんが、シートのスライド長を広げて乗員のコミュニケーションを妨げないことや、後席乗員向けにルーフを使ってインフォテインメントの表示やコントロールを行うユーザーインターフェースを提案しています」
広大な室内空間を包み込むLF-30の独特なスタイリング。その基本骨格を決定づけているのが、各車輪に駆動用の電動モーターを収めるインホイールモーター構造の採用だ。重量バランスや駆動制御などの課題もあって、現在この技術を採用する量産EVはない。が、2030年に向けてのスパンでみれば実用化への道筋も見えてくる、そういう前提での採用だ。
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「インホイールモーターを採用することによって、車の動的なフィーリングは大きく変わってきます。たとえば曲がることは従来であればステアリングの操作量に応じてシャシー側が車の姿勢を作り、アクセルで前進力を与えるというプロセスがあったわけですが、出力が緻密に制御できる電動モーターを各輪に組み合わせれば、駆動トルクが車体の向きを正確に変えていくという新しい運動性の追求ができます。となると、ドライバーの意思伝達も今までの円型ステアリングではニュアンスが伝えきれなくなるだろうとか、操作系の刷新ということも考えなければならなくなるだろうと思うんですね」
そこでLF-30では「Tazuna」というコンセプトのもと、新たなコックピットデザインを提案している。これは人が馬と関係を築いてきた歴史に着想を得たもので、大半の車両情報を前方のヘッドアップディスプレイに投影して視点移動を最小限に留めつつ、ドライバーは手元のレバーに手を添えることになる。そして車両側はその力加減などからドライバーの意思を読み取り、バイワイヤで各輪に情報を伝達するというものだ。EV&自動運転化で車の運動性能や快適性が高精細化する時代に、果たしてレクサスらしい人と車の関係とはどのようなものかと考えた上で辿り着いたインターフェースが“手綱”をモチーフとしたものであったことが興味深い。
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「コーポレートとして20年以上、そしてレクサスとしても15年以上にわたってパワートレーンの電動化を推し進めてきたわけですが、今後レクサスはそのノウハウの蓄積を更なる高効率化へと繋げていきます。直近ではUXのEVモデルの市販を発表しましたが、2020年代前半にも主要モデルのプラグインハイブリッド化、そしてEV専用モデルの発表を予定しています。但しそれは電動化されてさえいればいいというものではありません。その中にどのようなレクサスらしさを盛り込んでいくか……。たとえば静粛性や乗り心地の良さを、走りのエモーションとどう結びつけていくかが大切だと思っています」
2020年代、環境負荷低減への強い意志と未来を彩る新しい価値をもって電動化を一層加速させる。すなわちLF-30は、その意思を明確化した、レクサスの新しい旗印ということになるだろう。
ボンネットのないフォルムを生かした大胆なデザインの「LF-30 Electrified」。乗降しやすく、スポーツカーなどにもよく見られるデザインのガルウィングドアを採用している。
AR(拡張現実)を駆使した車両情報やジェスチャーコントロール機能を採用し、新コンセプト「Tazuna」を体現したコックピット。
これまでにない斬新なデザインが目を引くコックピットシート。
人工筋技術を応用し、座る人の体型にフィットする後席。フロアやステアリングに焼杉、リサイクル金属を繊維に加工しプリーツ状に装飾したドアトリム、日本伝統の修復技法の金継ぎを施したスイッチなど、さり気なく“和”の要素が施されている。
東京モーターショーで、「電動化を加速させながらより豊かなライフスタイルを提供していきたい」と展望を語る澤良宏プレジデント。
moment 2020年 1/2月号より