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日本のデザインホテル
80余年の歴史ある小学校がエレガントなホテルに。「ザ・ホテル青龍 京都清水」

2021年グッドデザイン賞を受賞、2022年には優れた改修建築物に送られるBELCA賞を受賞した「ザ・ホテル青龍 京都清水」。2011年3月に閉校した美しき小学校を見事に再生した、ラグジュアリーホテルです。ノスタルジックでありながら優美な雰囲気は、長い時間息づいた建物を活かしたからこそ。京都らしい気分に浸れるおすすめのお部屋から、人気のバーまですべてご紹介します。

Text: Misa Yamaji(B.EAT)

小学校をラグジュアリーホテルとして再生

清水寺の参道、清水坂の途中にある「ザ・ホテル青龍 京都清水」は、かつて京都市立清水小学校という学校でした。ベージュの洗い出し仕上げの壁、ドラマティックな中庭の中央の階段を挟んだシンメトリーの構造。アーチ型の窓や天窓を施した見事な洋風建築は、ホテルとして建てられたのではなく、小学校だった当時の建築をそのまま活かしていると聞いて驚く人も多いでしょう。

この清水小学校は、歴史を辿れば大変古く、全国で初の小学校(番組小学校)のひとつとして明治2年開校した学校です。昭和8年(1933年)に、現在のホテルがある場所に移転・新築されました。

ベージュの部分は清水小学校時代の建物。左側の黒い部分が増築部分。

西洋のモダンさと日本の建築が溶け合うような凝ったデザインは、誰か著名な建築家がいたのかと思いきや、設計は京都市の営繕課だったといいます。当時は小学校などの建築財源、維持費を近隣の人びとが出していることから、このような洒落た建物が出来たという話もあります。

そしてこの美しい校舎は、2011年3月まで現役として小学生たちが学び、遊び、人びとに愛されてきました。惜しまれつつ閉校したあと、歴史的に価値の高いこの建物を保存・活用し、ホテルとして生まれ変わったのです。

この事業では、当時の建築をそのまま活かすことは必須条件でした。そこで老朽化したところは新しくするも、現代の構造体として通用する部分は補強をし、照明や、モザイクタイルなどは一度すべて撤去。当時のデザインをリメイクしたものを再度取り付け、往時の雰囲気を守っています。

小学校の雰囲気が残る階段。壁板なども当時の資材を保存・活用。

例えばホテルのなかの階段。床のモザイクタイルは新しいものですがデザインは同じ。手すりは小学校のときのままです。彫刻刀で掘られた落書きを見れば、自分が通った小学校を思い出し、一気に懐かしい気持ちになります。

懐かしさと新しさが融合するインテリア

一転、客室前の通路は近未来的ともいえるデザインです。天井には大胆なメタルのダクトカバーのような梁が走り、モザイクタイルを模したカーペットの模様を反射しています。張り出し部分は圧迫感があるため、ガラス張りにすることで閉塞感が軽減されています。

客室前の廊下。光量も落ち着いたトーンに。

客室は、中庭向きの客室、増築した部分にある八坂の塔向きの「パゴダビュー」など15タイプの部屋が48室。筆者のおすすめは、元教室だったところを改築したスタンダードキングやスーペリアキングです。

スーペリアキング 45.2平方メートル。

どこかフランスの石造りのスモールラグジュアリーホテルを思わせるような落ち着いたたたずまい。それは、歴史を積み重ねてきた建築にしか出せないオーラを纏っているからでしょう。天井の特徴的な梁も、窓枠も当時の教室の構造を継承。つくづく、なんて素敵な小学校だったのだろうと思わずにいられません。窓からは中庭の緑と大階段を望む景色。優しく窓から差し込む日差しが心を癒してくれます。

京都屈指の名バーがホテル内に

「K36 The Bar&Rooftop」を監修するバーテンダーの西田稔さん。

そして、このホテルに宿泊したら忘れずに訪れてほしいのが、ホテル4階にあるバーです。

こちらには、法観寺・八坂の塔を眺められる「K36 Rooftop」と「K36 The Bar」の2つのバーがあります。八坂の塔を眺める雄大な景色が魅力の「K36 Rooftop」もいいですが、宿泊したなら屋内の「K36 The Bar」へぜひ。

カウンターでは名バーテンダー西田稔氏が迎えてくれます。宿泊者と西田さんのお客さましか座ることができない席では、改めてバーで過ごす時間のプレシャスさに気が付くことができるでしょう。

開業前からバーのオープンに関わっていた西田さん。この場所をバーにするにあたり、唯一出した要望は、カウンターを窓向きではなく壁向きに作ってほしい、ということだったそう。

「K36 The Bar」の店内。窓の向こうに八坂の塔が。

「人がお酒を飲みたくなるときに、いい景色を逆に見たくない日もあるでしょう。景色を見たい方は、テーブル席もありますしね。この場所は、6年い組の教室だったんですよ。もともとは美術室だったようで、デッサンをするときに自然光が入る方がいいだろうと天窓が作られたと聞きました」と、西田さんが教えてくれました。

琥珀色に輝くカクテル「サイドカー」

ここは教室だったのだから、バーとしてもクラシックな王道カクテルを学ぶ場になればと話す西田さん。

渡されたメニューには、カクテル言葉とともにクラシックなカクテルがずらり。今回はクルマにちなみ「サイドカー」をオーダー。ちなみにカクテル言葉は「いつもいっしょ」でした。その由来は、パリのバーにサイドカーに乗ってくる常連客のために考案されたものだから、とのこと。

「キールロワイヤル」は“最高の出会い”、「テキーラサンライズ」は“熱烈な恋”、「モスコミュール」は“けんかをしたらその日のうちに仲直り”。カクテル言葉の由来を西田さんに聞いたり、言葉に思いを込めてプレゼントしたり。カクテル一杯から広がる素敵な時間は思い出深いワンシーンとなるはずです。

知る人ぞ知るプライベートバスで、ゆっくりお籠り

“桜”、“山鳩”、“清水”と名付けられたプライベートバスは全3室。1室 ¥6,000(90分)、4名まで利用可。

そしてもうひとつ、宿泊したらぜひ訪れて欲しいのが完全予約制のプライベートバス。講堂だったという場所の天井の高さを活かした部屋は、神殿の浴場のような雰囲気です。

ゆったりとしたバスタブに浸かり、温まったらローブを纏ってチェアでくつろぐ。その繰り返しをしているとあっという間に時間が過ぎてしまうでしょう。プライベートバスでのくつろぎタイムを過ごしたら、1階のゲストラウンジで、目の前に法観寺・八坂の塔を眺めながらスパークリングワインを楽しむのもおすすめです。

京都らしい立地、そして子供たちの幸せな記憶が眠る名建築のなかで過ごす滞在は、どこかノスタルジックな温かな空気に包まれます。ゆっくりした時間が流れるのに観光名所へのアクセスもいい立地も魅力。ぜひ次の京都旅の候補にいれてみてはいかがでしょうか。

【DATA】
「ザ・ホテル青龍 京都清水」

Tel:075-532-1111
住所:京都府東山区清水2-204-2
https://www.princehotels.co.jp/seiryu-kiyomizu/

「K36 The Bar&Rooftop」

Tel:075-541-3636
https://stillfoods.com/k36/

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