Lifestyle

Good clubs make a good score.
ゴルフクラブ・アナリスト鹿又芳典の
「ゴルフクラブのお話ししましょう!」
VOL.3「アイアンの選び方」

アイアンが多様化している理由とは

アイアンが今、クラブの中でいちばん多様化しています。その理由は、クラブの好みに関してゴルファーのリクエストがもっとも多いのがアイアンだからです。

ドライバーだと「飛ぶ」という性能面のリクエストに集中するのに対して、アイアンはロフトがあって皆さんある程度打てるので、性能以外の「カオの大きさ」や「素材」「打感」「デザイン」など、ビジュアルや感覚的な好みをすごく言いやすいモデルなんです。

その中で、さらに「飛距離」というリクエストもあったりするのですが、単純に「飛べばいい」人がいれば「7番で150ヤードほしい」人もいたり、求める距離もバラバラ。なので、それらの細かいリクエストに応えるべく、アイアンがすごく多様化しているというわけです。

求める優先順位は2つまで

「多様化」のわかりやすいところで言うと、ロフトがあります。7番アイアンのロフトがいちばん立っているモデルと、いちばん寝ているモデルでは、10度ぐらいの開きがあります。つまり、同じ7番アイアンでも2番手以上のロフト差が出るのです。

ヘッド構造も大きく4つに分けられます。昔からある軟鉄ブレードタイプ、普通のキャビティ、ポケットキャビティ、そして中空。実際は、またここからさらに細分化していくのですが、「大きく分けて」でも4つのタイプがあります。なので、アイアンを選ぶときには、これだけ分かれているからこそ、自分が求めているものが見つけやすいと考えてほしいです。

アイアンのヘッド構造は軟鉄ブレードタイプ、普通のキャビティ、ポケットキャビティ、そして中空、と大きく分けて4タイプ

ただし、裏を返すと、構えたときの見た目だったり、とにかく球が上がることだったり、新しいアイアンに求める優先順位をしっかり決めて選んであげないと、自分が本当にほしいものが見つけられなくなってしまいます。

そのためには、今、自分が使っているアイアンを基準に、「それよりもどうしたいか」をきちんと自分の中で整理したうえで探すといいと思います。

「曲げたくない」「球を上げたい」「飛ばしたい」。今の高機能アイアンにはテクノロジーがいっぱい詰まっているので、目的をちゃんと明確に決めてあげれば、自分の求めているアイアンを見つけやすいのです。

ただし、優先順位は多くても2つまで。欲をかいていくと、結局、現状と変わらない結果を招きがちになります。

ヘッドサイズにこだわりがあって、「どうしてもこのサイズじゃないと嫌」だというアイアンに出合ったとします。カオのよさで選んで、試打した結果もすごくいいのに、いざとなると「いや、打感が悪い」。求めるものが増えてくると決められなくなるので、2つの優先順位を満たしているのだったら、それ以外の要素は諦める決断も必要です。「結果は出ているのだから、打感は徐々に慣れていけばいい」と気持ちを切り替えましょう。

自分にとって使いやすいロフトを知ろう

ロフトの話に戻ります。ロフトは飛距離と球の上がり方に直結するので、重視したい要素です。飛び系アイアンの走りがヤマハの「インプレス RMX(リミックス) UD+2」で、初代モデルが2014年発売ですから、もう8年前のことになります。飛び系アイアンが市場でも一般ゴルファーに認知されるようになり、7番アイアンのロフト30度よりも立ち、28度、26度……となってきました。

反面、アイアンの目的が距離をきっちり打ち分けていくことにあると考えたときに、ヘッドスピードのない方にとっては、ロフトの立ったアイアンは、7番より上は使えないと思って選んでほしいです。

ロフトが7番で30度よりも立ったモデルを購入したら、使っても6番アイアンまで。本当は7番までと言いたいところですが、6番からのセットになったモデルもあるので、「使っても6番まで」と覚えておくといいでしょう。

ロフトは飛距離と球の上がり方に直結するので、アイアンを選ぶ際には重視したい要素となる

また、すでにそういうアイアンを使っていて、使いにくさと感じている方は概して、球の最高到達点が高く出せず、メーカーが設計上予想している弾道を得られていません。キャリーが出ないという現象が起こり、コースで使いにくさを感じてしまう方が多数いるのです。

そういう方が次に買い替えるときには、今のモデルよりもロフトが寝ているモデルを使って、しっかり球の高さを上げてあげると、キャリーが出て、その番手なりの高さが出ることで距離を確保できる。結果的に使いやすいアイアンになります。

「ロフトが寝たモデル=上級者のためのモデル」と思うかもしれませんが、決してそうではなくて、「自分にとってグリーンを狙いやすい弾道を打つのに、ロフトはどのくらいあればいいのか」という視点でクラブを探すことも重要です。

自分が使いやすいロフトをある程度理解した上で、芯を外してもボールが曲がりにくいモデルを探したり、フェースをスクェアに戻しやすいモデルを選んだり、というふうに探していくと、より結果が出しやすいと思います。

ロフトの目安を示すと、ドライバーで220ヤード前後打てている方であれば、7番アイアンでロフト30度のモデルが上限に近いと思ってください。

実際にはロフトがもっと立っているモデルも多いですが、そういうアイアンはシャフトがちょっと長くなっていたり、ソール幅がすごく広いポケットキャビティで、重心が深くなっていてボールが上がりやすい構造になっていたりというように、球を上げるプラスアルファの機能がついています。

だから、そうした機能がないモデルについては、30度を1つの目安にしてほしいです。

鹿又芳典(かのまたよしのり)

1968年東京都生まれ。初級者からトップアマ、プロまで多くのゴルファーから信頼を集めるクラブフィッター。年間の試打クラブ数は2000本に及び、雑誌、テレビなど各ゴルフメディアでも活躍。ゴルフショップマジック(千葉県)代表

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