Lifestyle

Good clubs make a good score.
ゴルフクラブ・アナリスト鹿又芳典の
「ゴルフクラブのお話ししましょう!」
VOL.2「カタログデータはここを見る」

クラブフィッターの第一人者・鹿又芳典さんが、スコアアップやスキルアップにつながる賢いゴルフクラブ選びについて語るこのコーナー。第2回は「クラブのスペックの読み方」についてです。メーカーのホームページやショップに置かれたカタログには、クラブの詳細なスペックが記されています。それらの中でも、とくに見るべき数値とは?

数字よりも、まずはキャッチコピーに注目!

みなさんが実際にゴルフクラブを購入するときには、まず試打をしてから決めてほしいというのが大前提です。
ただ、やみくもに打ってもわからないと思うので、試打するときにあらかじめ何モデルかに絞って、その中でどれがいいかと探してもらうことが大事になります。そして、モデルを絞るうえで、メーカーのホームページやカタログを活用してほしいと思います。

各社が発行しているカタログ、そのカタログにも見方のポイントがある

それらを活用するときに、数字(スペック)よりも重要なのがキャッチコピーです。というのも、キャッチコピーにはメーカーのいちばん伝えたいことが入っているからです。

たとえばキャロウェイゴルフのホームページを見ると、ROGUE ST MAX FASTドライバーのキャッチコピーは「飽くなき最適化と軽量化で/もっと速く、さらに遠くへ」。ということは、軽量化して遠くに飛ばしたいクラブなんだ、だからヘッドスピードが遅い人向けのクラブなんだな、とイメージできると思うんです。

同じROGUE STの中でも、MAXは「幅広いゴルファーにフィット、/飛距離と振りやすさを追求したMAX」。幅広いゴルファーにフィットということは、このモデルがこのシリーズのど真ん中の路線なんだなっていうのがわかるでしょう。

この他に、「つかまる」「軽量化」「速く振る」というのは、どちらかというとヘッドスピードが遅い人向けのクラブによく使われる言葉。右に行きにくいMAX Dにも「つかまりの良さと力強さを両立、/ドロー系弾道を求めるゴルファーのMAX D」(ROGUE ST MAX Dドライバー)とあります。このように、キャッチコピーにそのクラブの根本的な性能が書かれているんです。

他のメーカーでいうと、ゼクシオ(ダンロップ)は「“飛びのXXIO” 高初速を生み出す空力コントロール」にもあるように、「初速」という言葉を多用して、高初速を生み出すクラブなんですよということをアピールしています。

そういうふうに、そのクラブがどういう性能なのかっていうのを、自分がほしいと思っているメーカーのホームページやカタログのキャッチコピーから探していくと、わかりやすいです。

そして、そのクラブのキャッチコピーに自分のほしい言葉が入っていたらチェックすればいい。たとえば、スライサーの人だったら「つかまり」って言葉があったほうがいいし、飛ばしたい人だったら「速く振れる」とか「初速が上がる」って言葉を探していけばいいだろうし。自分が求めるキーワードを見つけていったらいいと思います。

カタログで重要なのはキャッチコピー、キャッチコピーにはメーカーの伝えたいことが入っている

総重量とライ角を見て、自分に合うモデルを絞る

自分が求めるキーワードがキャッチコピーに入ったクラブに出合ったら、具体的なスペックを見ていきましょう。

ドライバーを例にとると、細かい数値がいっぱいある中で、まずチェックしてもらいたいのはクラブの総重量。メーカーによってカタログに載っているスペックが違ったりしますが、総重量に関しては必ず書いてあります。

現在、市場に出ているクラブの中で、ヘッドスピード40~43m/sくらいの人が使いやすいと言われているドライバーの総重量は、だいたい300g前後です。それよりももうちょっとヘッドスピードが遅い人だったり、シニア層、女性で距離の出る人だと、だいたい280~290g台の前半。逆に、ヘッドスピードが速い人用のモデルは310グラム以上になるので、これらの重量を目安にするとわかりやすいでしょう。

もう1つ確認したいスペックがライ角。これも必ず各メーカーとも公表しています。

今、やさしいと言われているドライバーのライ角が60度前後なんです。そして、上級者が使ったり、左に行かないようにしているモデルは58度前後。2度くらいフラットになっています。なので、総重量と合わせてライ角の数値も確認すると、より自分の求めている球質になりやすいと思います。

今のクラブのスペックをきちんと知っておこう

ドライバーを買い換えるのであれば、今使っているドライバーの総重量が何gで、ライ角が何度なのかというのは知っておいてほしいです。

なぜかというと、今のクラブに対する不満や、「もっとこうしたい」という思いがあるわけですから、今のクラブのスペックをちゃんと把握したうえで、「それに対してこういうアレンジをしよう」という買い替え方が望ましい。なので、買いに行くときは今のクラブを持っていったほうがいいです。

量販店で買う場合は、今のクラブを持参して「今使っているクラブがこういうクラブで、これよりもうちょっとこうしたい」という提案を店員さんにしましょう。面倒くさがらずに、そこは絶対にやってください。そのほうが店員さんも探しやすいですし、求めるクラブに出合える確率もアップします。

プロフィール

鹿又芳典(かのまたよしのり)

1968年東京都生まれ。初級者からトップアマ、プロまで多くのゴルファーから信頼を集めるクラブフィッター。年間の試打クラブ数は2000本に及び、雑誌、テレビなど各ゴルフメディアでも活躍。ゴルフショップマジック(千葉県)代表

2024 Winter

レクサスカード会員のためのハイエンドマガジン「moment」のデジタルブック。
ワンランク上のライフスタイルをお届けします。