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High performance
サステナブルを追求して、超高性能を実現した新しいMacBook Pro

Appleのノートパソコン、MacBookシリーズに劇的な進化が起こっていることをご存知でしょうか? 2021年10月に発売されたMacBook Proは、Apple初の自社製チップを搭載し、しかもサステナブルな作りへと一層の舵を切りました。

Macの心臓部に起こっている劇的な変化

2020年6月のWWDC(世界開発者会議)で、AppleのCEOのティム・クック氏が自社製のコア機能への切り替えを発表しました。これまで使っていたWindows機などと同じインテル製のCPUから、iPhoneのものをベースにした自社製チップセットに切り替えるというのです。

このApple Siliconの最初のモデルが、『M1』と呼ばれるチップです。特徴はベースとなるAシリーズチップがiPhoneに搭載されていたことから分かるように、省電力性能に優れていること。しかも、スマートフォン業界で切磋琢磨されて非常に処理速度も優れています。実際にローンチされると驚異的な処理能力も合わせ持っていることが判明しました。

今はその性能の高さが話題になっていますが、大パワーのインテルチップに対して、省電力性能に優れたコアを束ねたAppleのチップが優れた性能を発揮したというパラダイムチェンジにこの話の本質があります。車でいえば、4リッター、5リッターという大排気量車に対して、1.2リッターの小排気量ターボ車や、EVを組み合わせたハイブリッド車が打ち勝ったような感じといえるでしょう。

それは、スティーブ・ジョブズが
10年前に準備したプランだったか

少し遡ったところから話を始めましょう。Appleはずっと自社製のCPUを持たないことで苦労していました。

1984年に最初に登場した初代のMacintoshはモトローラ製のCPUを搭載していました。その後、'91年に登場したPower Macからはモトローラ、IBM、Appleの3社連合で開発したPowerPCを搭載するようになります。しかし、それでもインテルとの開発競争に勝てず、スティーブ・ジョブズはなんとPowerPCを廃して、ライバルであったインテルのチップを搭載し、Windowsに肩を並べる性能を確保しました。

この清濁あわせ持つ判断に世間は驚いたものですが、やはりインテルチップを搭載するのは苦渋の判断だったのかもしれません。

Appleは2010年にiPhone 4に搭載するためにA4という自社製のチップを開発したと発表しました。

PowerPCからインテルへの乗り換えが2006年からだったことを考えると、「iPhoneを皮切りに、いつかはMacも自社製チップセットで……」というもくろみがジョブズの心の中にあったのかもしれません。当時は小さなバッテリーで動作するスマートフォンのチップセットとパソコンのCPUには大きな性能差がありましたが、10年かけて目標に辿り着いたことを考えると、「ジョブズの炯眼おそるべし」というべきことなのかもしれません。

その10年間に、スマートフォンは驚くほど普及し、パソコン市場をはるかに上回る大きなマーケットを得るに至りました。今やiPhoneは年間2億台以上が生産されているといいます。おそらく数百万台というオーダーであろうMacの生産数とは文字通り「桁が違う」だけに、開発に投入される資本も比べ物にならないでしょう。結果として、『長時間バッテリーが持って、少しでも豊な表現力を持つスマートフォン用チップセット』の開発には世界最高の頭脳を資源が投入されたはずです。

ちなみに、Appleは「自社製」表現していますが、厳密にいうと技術的にはイギリスのARMのテクノロジーが使われていて、iPhone 6に搭載されたA8からは台湾のTSMCが生産しています。とはいえ、それを元に仕様を決定し、方向性を決定しているのはAppleなので、「Apple製」といって問題はありません。

驚異的な省電力性能と、
処理能力を実現したM1

このiPhoneのAシリーズチップの最新モデルがA15 Bionicで、iPhone 13シリーズに搭載されています。そのひとつ前、iPhone 12シリーズに搭載されたA14 Bionicをベースに作られたのが、最初のApple Silicon搭載Macである、2020年モデルのMacBook Airに搭載されたM1です。

iPhone 12シリーズのA14 Bionicと比較すると、4コアの省電力CPUは同じですが、高性能CPUが2コアから4コアに、GPUが4コアから7~8コアになっており、トータルでのトランジスタ数は118億から160億個になっています。

このM1の速さに世間が驚いたのです。(Parallels DesktopでWindowsを動作させることなど)対応できない機能はあるものの、2020年時点で最高性能のMacBook Pro 16インチ、インテルCore i9搭載機(70万円ぐらいする最上位機種)をしのぐ性能を発揮したからです。なにしろM1搭載のMacBook Airは最廉価モデルで11万5280円という安価なモデルです。しかも、iPhone譲りの省電力性能で18時間の動画再生が可能。普通に事務作業をしているだけなら、1日中使っても動作します。以前のMacBook Airなら、長時間使う時には電源アダプターを持ち歩く必要がありますが、M1の場合はその必要はなさそうです。

このM1はその高い性能と優れた省電力性能を持って、MacBook Air、MacBook Pro 13インチ(2ポート)、Mac mini、iMac 24インチに搭載されました。一番廉価なチップが、これほど幅広く搭載されたというのも衝撃です。つまり、それほど性能に余裕があったということでしょう。

圧倒的パフォーマンスを持つM1 Pro/Max

次の衝撃が今年10月に発表されたM1 Pro、M1 Maxです。最も廉価なM1チップが、上位機種をしのいだというのに、その力を処理能力向上の方に振れば、どれほどの性能が発揮できるのだろうかと多くの注目が集まりました。結果は、予想をはるかに上回る衝撃をもって受け止められました。

最上位モデルのM1 Maxを搭載したMacBook Proは、従来のすべてのノートパソコンはもちろん、ほとんどのデスクトップパソコンをしのぐ性能を持っていました。仕様によっては700万円を超えるMac Proと同等、もしくはそれ以上の性能をモバイルで発揮するのです。一般的なノートパソコンだと1本再生するのも大変な8K映像7本を同時にハンドリングし、編集することも可能という、プロにとっては垂涎のパフォーマンスを持つに至っています。

高度な写真編集、動画編集はもちろん、ビルドに時間のかかる大きなプログラムを扱うソフトウェアエンジニア、3Dグラフィック、CADを用いた強度計算、何千というトラックを扱う楽曲の作成などに携わる人にとって、新しいMacBook Proの性能は福音でした。しかも、信じられないほど高負荷な作業をしながら、本体は熱くならないし、ファンもあまり回らないので静かなままなのもiPhoneで培った効率の良さ、省電力性能のおかげといえるでしょう。

先ほどの話に合わせていうと、M1 Proは2コアの省電力CPUに、6~8コアの高性能CPUを搭載、GPUは14コア~16コア、トータルでのトランジスタ数は最大337億個になっています。M1 Maxは2コアの省電力CPUは同じで、8コアの高性能CPU、GPUはなんと24コア~32コア、トータルでのトランジスタ数は最大570億個という途方もない性能です。

「サステナブルで高性能」を実現するために

さて、この性能を実現したのは、効率の良さだということに注目してみましょう。インテルのCPUは大パワーを発揮しますが、大電力を必要とします。そのため、熱を発生しますし、それを冷やすためにファンを回さねばならずさらに電力を消費するし、音もうるさくなります。

従来インテルのパソコンは、CPUや、GPU、メモリーを別に基板に挿しているのが普通で、それが自由度の高さ、拡張性にも繋がっていました。Apple Siliconはひとつのダイの上に、CPU、GPU、画像信号プロセッサー、ストレージコントローラー、Thunderboltコントローラーなどをすべて集約しています。さらにメモリーも同じパッケージに搭載し、CPUとGPUでメモリーを共有するユニファイドメモリーを採用しています。メモリーを共有することで書き写す必要がなくなり、さらに効率が向上するというわけです。

ダウンサイジング、高効率化、パッケージの工夫で効率を上げて、がまんするのではなく、高効率化させながら環境性能を向上させるというのは、コンピュータや自動車だけでなく、これからあらゆる分野で必要な考え方だといえます。

巨大な会社となったAppleですが、2018年には、いち早くすべての事業所、工場を再生可能エネルギーのみで稼働させており、2億ドル規模の温暖化抑制のためのファンドを立ち上げたりもしています。また、回収されたiPhoneは、レアメタルをはじめとした原材料を分別、再生可能にするために、デイジーというロボットで細かく分解してから、素材ごとの性質にしたがって再利用しています。このMacBook Proのアルミのボディも100%リサイクルアルミで作られており、製品内のすべての磁石には再生希土類元素を使用、有害物質を一切使っていません。また、パッケージに含まれるバージン木材繊維も、すべて責任ある方法で管理された森林から調達されています。

工夫を凝らしダウンサイジング、高効率にすることで高性能も実現する。サステナブルな社会を実現するために、テクノロジーを利用して工夫する……MacBook Proは、その見本のようなデバイスだといえるでしょう。

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