LIFESTYLE

iPad mini 6
最強クラスのチップが積みこまれたiPad miniの実力

第5世代までとまったく異なった、iPad Proなどと共通のスクエアなボディデザインをまとって登場したiPad mini 第6世代。小型ながら、ボディ全体がディスプレイのようなデザインになったこのタブレットは、ビジネスエクゼクティブにフィットする性能をもったハイパワーコンパクトです。今回は、第2世代のApple Pencilと組み合わせれば、さらにクリエイティブに使えるこのタブレットの魅力をご紹介しましょう。

Text:Takuta Murakami

iPadという他に類をみない独自の製品

タブレットというのはユニークな商品で、ほぼiPad以外に選択肢がありません。iPhoneにAndroidが追従したように、iPadにもAndroidタブレットが追従したのですが、明確なヒット作がないまま今に至ります。

『電話』というメタファーをまとって登場したスマートフォンに対して、タブレットはまったく新しい商品だったので、『何に使うか?』という疑問が常に付きまといます。パソコンの代わりにも、メモパッドにも使えるのですが、何にでも使えるということは、すなわち何に使っていいかわからない……ということになります。

iPadは様々なトライをしながら10年間作り続けることで、『iPad』という独特のポジションを作り上げましたが、追従していたAndroidタブレットは結局『iPadに似た安いタブレット』という位置を抜け出せずにいます。マイクロソフトのSurfaceはどっちかというとキーボードの外れるパソコンに近い立ち位置。Chromebookもそうでしょう。純粋な意味でのタブレットの道を突き進んでいるのはiPadだけかもしれません。

『タンジブル』という言葉あります。『実際に触れるような』という意味ですが、実際に画面上に描かれたオブジェクトに触れて操作する。自由に絵を描く。ディスプレイそのものがキャンバス……といってもいいボディを持って、電子書籍、電子雑誌や動画メディアなど多彩なコンテンツも楽しめる。いずれもiPadだけが純粋に追求してきたことです。最新モデルの多くはスマートキーボードと組み合わせて、パソコンのようにも使えなくはないのですが、iPadの本質は、やはり『純粋なタブレット』であることです。パソコンを使いたいのなら、MacBook AirやMacBook Proもあるのですから。

そんな中で、今回ご紹介するのは、9月に発売されたiPad miniです。アップルはモデルチェンジをしても名前を変えないので、世代が変わった端末の区別が難しいのですが、本機は第6世代になります。

iPad miniはモデルチェンジサイクルが長い傾向がある

iPad miniというモデルは、iPadシリーズの中でも常にユニークない存在です。

現在のiPadのラインナップは、標準モデルであるiPad 第9世代、プロ向けの超高性能モデルであるiPad Pro 12.9インチ 第5世代と、11インチ第3世代、高性能だけど少し廉価でお買い得なiPad Air 第4世代、そしてこのiPad miniということになります。

毎年のようにモデルチェンジするスタンダードモデルのiPadやiPad Proと違って、iPad miniのモデルチェンジサイクルは長めです。前モデルのiPad mini 第5世代は2019年に発売、第4世代に至っては2015年の発売です。登場する時はその時点のフラッグシップモデル旧のチップセットを積んでいますが、モデルチェンジサイクルを長く取ることによって、サイズに見合ったお買い得感を作り出しているようです。ゆえに、発売された時すぐに買っておけば長い間最新モデルとして楽しめるのがiPad miniなのです。

第1世代から第5世代まで、ほぼ同じ画面サイズ、ボディデザインを踏襲してきたiPad miniにおいて、今回のモデルチェンジは過去最高の大変更となりました。2018年のiPad Pro以来、2020年にiPad Airにも採用されたスクエアで、四方が同じ幅のボディデザインになっています。これらの新しいデザインはホームボタンを持たないので、iPad ProはiPhoneと同じFace ID(顔認証)を使っていますが、今回のiPad mini 第6世代は、iPad Air第4世代と同様の側面の電源ボタンに埋め込まれたTouch ID(指紋認証)を採用しています。

第5世代から進化したポイントは?

モデルチェンジのサイクルが長いことから、しばしばiPad miniは「生産終了か?」という噂が流れます。コンパクトなため、日本の混雑した通勤電車などで、コミックスや小説、映像コンテンツを楽しむには最適ですが、アメリカの移動は車が多く、iPad miniは需要が少ない……という話になりそうですが、レストランの予約受付や、工場でのマニュアル閲覧など、業務用途での利用も多く、実はそれなりに売れる商品です。

とはいえ、片手で持てるサイズは、もう片方の手でつり革を持たなければならない電車の中での利用に最適。電車通勤をする人の多い日本人にとっては、非常にフィットした製品なのです。写真で見ると、第5世代と第6世代は大きく変わらないように見えますが、実際の使用感はかなり変わります。

まず、本体が厚くなったようです。実際の厚さは6.1mmから6.3mmへとわずか0.2mm厚くなっただけなのですが、エッジ部分の形状が変わったためか、もっと厚くなったように感じます。

本体の外寸は、幅は同じで、縦は7.8mmほど小さくなっているのですが、その違いはほとんど感じないでしょう。ディスプレイは縦に長くなり横幅が狭くなっています。そのため、縦横比がかなり変わっています。縦にしている状態でいえば縦長、横にした状態でいえばワイドになっているのです。

実はiPad miniの第5世代以前をはじめ、従来のほとんどのiPadのディスプレイは4:3(1.33:1)の比率です。しかし、iPad Pro 11と、iPad Airは、ほぼ5:7(1.41:1=√2:1)に近い比率で細長くなっていました。しかし、iPad mini 第6世代はそれよりもさらに細長く3:2(1.5:1)に近い比率になっています。これはスリムで持ちやすくはありますが、縦画面で雑誌やコミックスなどを表示した場合上下があまることになり、あまり効率が良くありません。対して、横画面で映画などワイド画面向きのコンテンツを表示した場合、上下の空白は少なくて済みます。このあたり、アップルがどんなコンテンツを重視するか? という見解の変遷なのかもしれません。

まるで大型エンジンを積んだレースカーのよう

新しくデザインされたコンパクトなボディに、縦長の画面……というのが最大の特徴ですが、現時点ではトップクラスの非常にパワフルなチップを搭載しているモデルでもあります。パソコン用のM1チップを搭載したMacBook Proは別格とすれば、iPad mini 第6世代に搭載されたA15 Bionicチップは、iPadのシリーズの中でも最も強力なチップセットが搭載されています。

それゆえ、一般的な作業で、処理能力的に限界を感じることはないでしょう。仕事をするにしても、音楽や映像を編集するにしても、パフォーマンス不足を感じることはまずありません。以前の機種へと遡って考えてみてもそうなのですが、アップルはiPad miniという端末を、小さくてその分廉価なマシンとは捉えていません。つまり、サイズの割に高価なマシンになってしまうことが多いはずが、性能で他のモデルに負けてしまうことがないのです。

車に例えていうなら、上級車と共通の大きなエンジンを積んだレースカー、ハイパワーホットハッチのようです。見た目のコンパクトさからは想像できないほどパワフルなマシンなのです。

ビジネスマシンの趣向性にフィット

利用方法として一番向いてるのが、コンパクトなPIM(Personal Information Manager)、お仕事マシンとしての用途でしょう。スケジュール、メッセンジャー、メーラーなどとして使いつつ、スプレッドシートやワードプロセッサーとしてバリバリ使う。この小さな端末を大画面やプロジェクターにつないでプレゼンマシンにとして活用するのもいいでしょう。画面が小さめであることを除いて、性能的に劣るところがあるわけではなくので、こうした用途にぴったりです。

もちろん、第2世代のApple Pencilに対応しているので、手書きメモでもアーティスト並みのクリエイティビティを発揮できます。

小説、コミックス、音楽、映像をギッシリ詰めたエンターテイメントマシンとした活用するのもいいでしょう。

購入時に唯一考慮する必要があるのが、前述したアスペクトレシオの問題です。細長い画面に向いていないコンテンツを再生すると、表示が小さくなり過ぎる怖れがあります。

もうひとつ注意点があるとすれば、アップルはこの端末に直接接続できるキーボードは用意しなかったということです。おそらく、スマートキーボードだと、フルサイズのキーピッチを確保できにないからでしょう。昔から、アップルはこのキーピッチのサイズにこだわります。そのためスマートコネクターが備わっていません。どうしてもキーボードを使いたい場合は、Bluetoothキーボードで接続しましょう。

ドラマチックなハイパワーコンパクト

車にしても、iPadというタブレットにしても、小さくてハイパワーというのは、単に実用的であるという以上にドラマチックなものです。小さいと思って油断している周囲の人を驚かせるハイパワーが、この第6世代には備わっています。モデルチェンジサイクルは長い傾向になるので、今買えば長期間“最新機種のiPad mini”として活用できる可能性が高いのも魅力でしょう。移動が多く、コンパクトなマシンを必要としている人にお勧めしたいiPadです。

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