LIFESTYLE

Bicycle of the year
2021年を代表するロードバイクはどれだ!?

日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー。「2021年モデル」のなかから、その年を代表するモデルを選ぶ自転車業界最大のアワードイベントです。今年も選考委員の投票による10ベストバイシクルが選定され、この10台のなかから2021年のナンバーワンバイシクルが決まります。

Bicycle of the year

日本バイシクル・オブ・ザ・イヤーは今年で4回目。過去3回の受賞車を振り返ってみると、初回の2018年はエアロバイクの雄、ジャイアントのプロペル。翌年はエアロを研ぎ澄ませたうえで剛性、軽さのバランスに着目したスペシャライズドのヴェンジ。そして昨年はそれまでの軽量高剛性というアイデンティティに加え、快適性やエアロ性能までトータルにまとめあげたキャノンデールのスーパーシックスエボが栄冠に輝いています。

こうやって見ていくと、受賞車はその年のトレンドを映しだす鏡となっているといえるでしょう。そして今年ノミネートされた10台をみると、すべてがディスクブレーキなのは当然として、ケーブル内装モデルがそのほとんどを占めていることに気づきます。これが今のロードバイクのトレンドです。

そしてさらに言えば、そのなかに、オフロードを走ることも想定したグラベル的な要素を盛り込んだもの、さらにレースではない楽しみ方に着目したモデルなど、そのトータルインテグレーションによる性能重視の流れから離れ、次のトレンドである個性化への道へハンドルを切ったモデルが見られるのも注目すべき点です。

BMC・チームマシーンSLR01

スイスブランドのBMC、その軽量オールラウンダーの最新モデル。フレームやフォーク、ボトルケージの形状を見直して空力性能を高め、専用のステム一体型ハンドルを搭載して軽量化と空力性能向上に成功。チームマシーン史上最高の戦闘力を獲得したレーシングバイクです。

キャニオン・エアロードCFR

ドイツブランドのキャニオン。同社の前作のエアロバイクに比べ、-7.4Wの空気抵抗減、170gの軽量化、14%のねじれ剛性向上と振動吸収性アップを実現した最新エアロード。ハンドル幅や高さを簡単に変更できるステム一体型のハンドルを採用し、扱いやすさの面でも進化しています。

サーヴェロ・カレドニア5

太いタイヤを装着可能でフェンダーなどの拡張性をグラベルロード並みに備え、クラシックレースを走れるほどのポテンシャルを秘める新しいジャンルのロードバイク。舗装路もちょっとしたオフロードも1台でこなすマルチさが魅力です。

フェルト・AR FRD

フェルトのエアロロードの3代目。10度以下のヨー角で受ける風に対し、9.6%の空気抵抗削減を実現。最上位グレードのFRDはウルトラハイモジュラスカーボンを一体成形したフレームを採用し、軽さと剛性を最大限に引き出しています。

ジャイアント・TCRアドバンスドSL0ディスク

重量剛性比、空力、コントロール性能のアップを実現した9代目となるTCRは20年の歴史を持つ名車です。前モデルと比べるとフレーム重量を140g軽量化しています。さらにカーボンスポーク採用のフックレスカーボンホイールやパワーメーターを標準装備したトータルパッケージも魅力です。

メリダ・リアクト チームE

ツール・ド・フランスで2度の敢闘賞を受賞するなど、ワールドレースで活躍する新城幸也選手が所属するバーレーン・ヴィクトリアスも使用するモデル。空力性能と快適性、剛性バランスに磨きをかけ、フレーム重量も85g軽量化。ディスクブレーキ専用設計でメリダ独自のディスククーラーを搭載。つねに安定した制動力を実現しています。

リドレー・フェニックス

クラシックレースでプロ選手が駆るエンデュランスロード、フェニックスの最新モデル。フレーム形状の見直し、ケーブルやシートクランプの内装化など、エアロロードのノアファーストで培った技術を投入し、空力性能を向上させています。

スペシャライズド・Sワークス エートス

レースバイクのレギュレーション、6.8㎏という重量制限にとらわれず、走る楽しさを追求するというテーマで誕生した市販最軽量ディスクロードを実現したモデル。軽量ステム一体型ハンドルやシートポストを採用し、完成車重量は5.9㎏。ヒルクライムだけでなく、ちょっとしたグラベルもこなすマルチパーパスなバイクです。

スペシャライズド・Sワークス ターマック SL7

世界選手権やツール・ド・フランスでのステージ優勝など、2020年のレースシーンで多くの勝利をあげたスペシャライズドが誇る最強のレーシングロード。軽さと剛性だけでなく、空力性能も強化した正真正銘のオールラウンダーです。

トレック・エモンダ SLR9

トレックが誇る超軽量ロードのエモンダがOCLV800カーボン採用でさらに進化しました。ケーブル類はフレーム内装とし、フレーム形状も各チューブをカムテール形状にすることで空力性能をアップ。空力性能も上りでの速さも旧モデルを大きく超えています。

栄えある日本バイシクル オブ・ ザ・イヤー2021を受賞したのは!
SPECIALIZED/S-WORKS AETHOS

ここで紹介した10ベストバイクを一同に集めた選考試乗会を開催。各選考委員がそれぞれのバイクを採点して2021年のベストモデルを決定しました。そして、栄えある日本バイシクル オブ・ ザ・イヤー2021を受賞したのは「SPECIALIZED/S-WORKS AETHOS(スペシャライズド・Sワークスエートス)」です。

ハイエンドバイクの世界に新しい価値観をもたらした革新的モデル

エアロ、軽量、トータルバランス。それらがキーワードとなった今回の10ベストバイクのなかで、ダークホースともいえる存在だったエートスが今年の栄冠に輝きました。

今回、史上初めてスペシャライズドが2モデルを10ベスト入りさせることに成功したのも快挙です。しかし賞獲りの本命はターマックだったはず。もし特別賞といえるものが存在したなら、エートスはそこに収まるべきモデルだったといえるでしょう。しかし結果的にほとんどの選考委員が、その「特別さ」を評価し、トレック・エモンダ、ジャイアント・TCRとの激戦を制することとなったのです。

トップモデルはトップレーシングバイク。それが常識だったロードバイクの世界にあって、レースではない新しい価値観に目を向け、そこにスーパーコンピューターによる開発手法など、最新のテクノロジーをすべてつぎ込んだのが、このエートスです。

勝つためのバイクではなく、走ることを楽しむためのロードバイク。そのコンセプトを追求した結果、ディスクブレーキでありながら6.36kg(本誌実測・54サイズ)という、UCI規定を下まわってしまう驚異の軽さを身に着け、そのうえで破綻のない剛性バランスを実現しています。

レーシングバイク一辺倒のハイエンドバイクの世界に一石を投じたエートス。今後のロードバイクシーンの行方に大きな影響を与えるのは間違いないでしょう。

スペシャライズド・Sワークス エートス スラム レッドeタップAXS

スペシャライズド・Sワークス エートス スラム レッドeタップAXS

価格
145万2000円(完成車/税込)
フレーム
Sワークス エートス ファクト12rカーボン 12×142mmスルーアクスル
フォーク
Sワークス ファクトカーボン 12×100mmスルーアクスル
コンポーネント
スラム・レッドeタップアクシス
ブレーキ
スラム・レッドeタップアクシス油圧式ディスク
ハンドルバー
Sワークス ショート&シャロー
ステム
Sワークス SLアルミ
サドル
Sワークス パワー カーボンベース&レール
シートポスト
ロヴァール・アルピニスト カーボン
ホイール
ロヴァール・アルピニストCLX
タイヤ
スペシャライズド・ターボコットン 700×26C
フレームサイズ
49、52、54、56
カラー
サテンフレークシルバー/レッドゴールドカメレオンティント/ブラッシュドクローム

スペシャライズド・ジャパン
www.specialized.com

出展:FUNQ BiCYCLE CLUB
https://funq.jp/bicycle-club/

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