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PHEV New Model
7年の時を経て大きく進化を遂げたアーバンSUV「NX」

2021年6月12日、LEXUSは新型NXを発表しました。LEXUS自身が「次世代LEXUSの幕開けを象徴する」と形容する通り、LEXUSの電動化ビジョン「Lexus Electrified」のもと、LEXUSとしては初となるPHEVをラインアップ。今後のLEXUSの方向性を示す注目の一台の発表を詳しく見ていきましょう。

Text:Daisuke Katsumura

グローバルコアモデルとして熟成をさせたアーバンSUVをリニューアル

2014年に登場したNXは、2021年4月の時点で世界90以上の国と地域で累計約100万台を超えるセールスを記録。RXに続くLEXUSのグローバルコアモデルとして世界中で走り続けています。そんなNXが7年の時を経てフルモデルチェンジを果たします。

ボディサイズは全長と全幅でそれぞれ20mm拡大、全高も5mm高くなっていますが、ほぼ従来型モデルのサイズをキープしているといっていいでしょう。注目すべきはホイールベースです。2,690mmと従来型から30mmも拡大しているのです。これによって優れた居住性と直進安定性を生み出しています。

全体的なシルエットは従来型をブラッシュアップしたボディデザインですが、注目すべきはフロントグリルです。これまでよりもスピンドルグリルが垂直に立ち上がるデザインとなったことで、ボンネットが長くスポーティなサイドビューとなっています。またこれによってラジエーターの冷却性能も向上しているそうです。

そしてガラス面の段差を極力なくし、空気の流れをコントロール。これによって空力性能が向上し、操縦安定性に寄与しています。ボディ表面だけでなく、ボディ下面の空気の流れもアンダーカバーにディンプル形状を設けることで、微小渦が床下に発生。これによって接地感や高速域の走行安定性に寄与しています。

LEXUSの発表によると、標準ルーフの他にスライド&チルト機構を持つムーンルーフとさらに開口部の広いパノラマルーフをラインアップ。なかでもパノラマルーフは、ルーフがブラックアウトしたガラスとなり、外観上もフロントガラスからのシームレスなルーフとなるのが特徴。車内にもかなり外光を取り込めることが予想されます。

詳しいアナウンスはまだなので、詳細は伝わってきていませんが、おそらくどちらのルーフもオプションとして選択可能となるようです。開放感という意味ではパノラマルーフを選択する意義は大きいと思われます。

Tazuna Conceptに基づいた運転に集中しやすいコックピット

次にインテリアに目を向けていきましょう。新型NXには、2019年にコンセプトカーLF-30 Electrified とともに発表したTazuna Concept に基づいたコックピット設計を行っています。具体的にはヘッドアップディスプレイとタッチセンサースイッチを組み合わせたタッチトレーサーオペレーションを採用することで、スイッチ操作する内容をヘッドアップディスプレイに表示したり、大型タッチディスプレイを採用することで、多くの機能をディスプレイ内のソフトスイッチに集約。いずれも運転中に視線を極力そらすことなくさまざまなスイッチ操作が可能となるよう、工夫されています。

ホイールベースやトレッドを広げたことで、リヤシートの着座位置を低くすることができ、ヘッドスペースやレッグスペースを確保。後席の快適性もしっかりと考えられています。

またブラインドスポットモニターのセンサーを活用し、後方からの自転車や車両の接近を感知し、開放後のドアや降車した乗員と衝突する可能性があると判断した場合、アウターミラー内のインジケーターを点灯して注意を促し、さらにドア開放をキャンセルする機能を世界で初めて採用。偶発的なアクシデントを極力減らす工夫が随所に施されています。

新たに導入されたPHEVの実力とは?

新型NXには、全部で6種類のパワートレーンが用意されていますが、なかでも話題となっているのが、LEXUSとしては初となるPHEV(プラグインハイブリッド)の採用です。PHEVは、大容量&高出力のリチウムイオンバッテリーを搭載し、エンジンとモーターを併用したモードに加えて、エンジンは充電用とし、モーターのみで走るEVモードなどから選択が可能です。

AUTO EV/HVモードでは、駆動用電池の残量や経路、交通情報などのデータをもとに、ドライバーの頭を悩ませることなく自動的に効率のよい走りを実現。PHEVに必要となる大容量のバッテリーはフロア下に設置。全体の低重心化に役立っています。またリヤにも独立したモーターを配置することでAWD化し、前後の駆動力配分を100:0~20:80の間で自動的に最適化するE-fourを採用しています。

発表された写真を見ると、新型NXはリヤ左側に給油口を備えているようですが、PHEV車は右側に給電用のアクセスハッチを持っています。

次世代LEXUS車の第一弾として気になる装備満載の新型NXの国内販売は、2021年秋頃を予定しているそうです。今後のLEXUSの方向性を示す一台として今から販売スタートが楽しみですね。

【新型NX主要諸元】

全長
4,660(+20)mm
全幅
1,865(+20)mm
全高
1,640(+5)mm
ホイールベース
2,690(+30)mm
パワートレーン
2.5L直列4気筒プラグインハイブリッドシステム
2.5L直列4気筒ハイブリッドシステム
2.5L直列4気筒自然吸気
2.5L直列4気筒ターボ
タイヤサイズ
235/50R20
235/60R18

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