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レクサスの今を語る
LEXUS RX300

アグレッシブとエレガンスを融合させたレクサスのラグジュアリーSUV、RX。今回、渡辺敏史氏が試乗したのは、RX300 “version L”。1998年の誕生以来、RXが駆け抜けてきた軌跡とともに、現行モデルの魅力をリポートする。

今日的なSUVモデルのパイオニア的な存在

現在、4モデルで構成されるレクサスのSUVラインナップ。そのうち、RXは2番目に長い歴史をもつモデルで、その誕生は1998年にさかのぼる。

当時、RXがもっとも画期的だったのは、乗用車のコンポーネンツをもとに、地上高の高いSUVパッケージを生み出したことだ。それ以前の多くのモデルは、悪路走行を前提とした車両をもとに、どういった加飾を施すかということで上質感を表現してきた。オンロード走行の快適性を確保するために乗用車をベースとするという発想は至って筋ながらも大胆でもあったわけだ。

というのも、主力市場のアメリカではこの手のクルマは我々の想像以上にタフに扱われる。キャンピングカーを牽引しながらフラットダートを走るような使われ方は、まったく平均的だ。そこで求められる牽引能力や耐久性を、乗用車用のモノコックボディで、果たして担保できるのだろうか。そこにエンジニアの挑戦があった。

そうして生まれたRXは狙い定めたニーズにピタリとハマり、アメリカを中心に仕向地で次々とヒットを飛ばす。今や百花繚乱のプレミアムSUVは、そのほとんどが乗用車系のアーキテクチャーを用いている。すなわちRXは、今日的なSUVの在り方を世界に示したパイオニア的なモデルと表現しても大げさではないだろう。

と同時に、今や販売面でレクサスの屋台骨となるモデルへと成長した。

4代目となる現在のRXが登場したのは2015年のこと。モデル的には完熟の域に入っている。2列シート5人乗りに加えて、全長を110mm伸ばすことで3列シート7人乗りのパッケージを実現したロングボディがバリエーションに加わったのは2017年のこと。そして2019年にはビッグマイナーチェンジが加えられ、フロントグリルを軸としたエクステリアデザインの変更、世界初となるブレードスキャン式のアダプティブハイビームを備えたヘッドライトをオプション設定している。これはLEDの光源を高速回転するミラーに照射、その反射光で路面を照 らすというロジックで、前方カメラからの情報をもとに対向車や歩行者に対してのハイビーム遮光を精細に制御する先進運転支援の時代に対応したシステムだ。

加えて内装はインフォテインメントディスプレイの拡大およびタッチパネル化、スマートフォン向けポケットやUSB電源アウトレットの追加など、細かなところもリファインされている。走行系についても、スポット溶接点や構造接着剤塗布範囲を増やしてボディ剛性を高めた他、ハブベアリングの剛性アップやダンパーの変更、電動パワーステアリングのチューニング変更など変更点は多岐にわたる。さらにこの夏は、ブラインドスポットモニターやパーキングサポートブレーキなどの先進運転支援機能を標準化するなど、さらに更新を重ねて完成度を高めつづけてきた。

ドライバーに快適性を感じさせてくれる走り心地

現行のRXは3.5LV6+モーターのハイブリッドシステムからなるRX450hと、2L直4ターボを搭載するRX300の2バリエーションが基準となり、加飾やキャラクターによってグレードが構成されている。四駆はいずれにも設定されるが、RX450hは後軸に電動モーターを加えたE-Four、RX300には最大50%の駆動力を状況に応じて後輪に自動配分するダイナミックトルクコントロールAWDと方式は異なっている。

世界でもっとも売れているレクサスの座をESやNXと争うRXは、昔からこのブランドになじみのある方が乗れば、もっともレクサスらしい味付けだと思われるかもしれない。ガチンと金属が噛み合うというよりも、バムッとウェザーストリップ同士の密着度が表立ってくる開閉感のドアを閉めると、室内はしんと静寂に包まれる。シートの掛け心地に合わせてか、アームレストは表層がふわっと柔らかい。表皮のなめしはしっとりとしていて、肌に心地よくなじむ。ドイツ車のようにカチッとしたタッチとは一線を画する、いい意味での居心地の緩さは初代LSにも相通じるところがある。

それは走ってもしかりだ。乗り心地はガツガツしたところがなく、路面からの衝撃も緩くいなしてくれるし、操舵感も軽く柔らかい。でもしっかり走ろうと思えば操作にクルマはついてくる。スポーツセダンさながらのハンドリング……みたいな欲張ったことをしない分を、きちんと快適性に反映している。快適性という点でいえば、2Lエンジンも音・振動要素がしっかり整理され、どこからでも気持ちよくレスポンスするようになった。常用する速度域であれば、トルクリッチな大排気量的余裕さえ感じさせてくれる。

すなわち、RXはSUVとしての領分や求められることを、ゆったり感や穏やかさみたいなことと理解しているのだと思う。

自らが切り開いたプレミアムSUVカテゴリーの中で、周りがどう増えようが変わろうが、それはRXが変わらず供してきたものだ。ブレなくレクサスらしさを貫いてきたからこそ、今のRXへの強力な支持があるのだと思う。

渡辺敏史 Toshifumi Watanabe

二輪・四輪誌の編集を経て、フリーランスの自動車ジャーナリストに。以来、自動車専門誌にとどまらず、独自の視点で多くのメディアで活躍。緻密な分析とわかりやすい解説には定評がある。

RX300 “version L”

サイズ
全長4,890mm×全幅1,895mm×全高1,710mm
乗車定員
5人
燃料消費率
10.9km/L(WLTCモード)国土交通省審査値
エンジン
型式:8AR-FTS
総排気量:1.998L
最高出力(ネット):175kW(238PS)/4,800〜5,600r.p.m.
最大トルク(ネット):350N・m(35.7kgf・m)/1,650〜4,000r.p.m.
メーカー希望小売価格
615万円(税込み)

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