Car

レクサスの今を語る
LEXUS UX 200

リアルSUVとしての利便性とレクサスならではの硬質な印象を併せ持ったUX。
momentでは3回目の登場となるが、今回はシンプルなガソリン車であるバージョンCを紹介。渡辺敏史氏が初めて握ったハンドルからの視界、運転の操作性などをリポートする。

Text:Toshifumi Watanabe Photo:Kazuya Hayashi

改めて感じるLEXUS最新車ならではの室内空間の完成度と快適さ

LXを筆頭にRX、NXとSUVのラインナップを築くレクサスにあって、UXはもっとも若く、もっともコンパクトなモデルとなる。登場したのは2018年の11月末。そして19年の実績では日本市場において一番売れたレクサスとなった。それを250h、つまりハイブリッドの1グレードで達成している。

UXは「クリエイティブ・アーバン・エクスプローラー」というコンセプトを掲げて開発された。生活拠点である都市ではストレスフリーの心地よい走りや乗り心地を叶えながら、週末や休日のアクティブな移動を楽しむ──。SUV的な括りにいながら、そんな用途に向けてより最適化されたパッケージに仕立てられている。象徴的なのは概ねの立体駐車場の規格に収まる1,540mmの全高だろう。

この、高くもなく低くもないという絶妙の高さは運転席からの視界にも反映されていて、ともあれUXは前方が見通しやすい。最新のFF系プラットフォーム「GA-C」はステアリングの向こう側、エンジンルームとの境界付近が低く設計されていることが特徴だが、それに加えてUXはフェンダーやボンネットの形状が室内側から認識しやすく、車幅や前端の感覚的な掴みやすさにつながっている。

UXなら、レクサスの最新コックピットを楽しめる。10.3インチのワイドディスプレイのリモート操作を指先で行えるタッチパッド式のリモートタッチを採用。
贅を尽くしたシートが標準装備。F SPORTでは専用の本革シートで、運転席と助手席にベンチレーション機能とヒーターを完備している。
10.3インチのワイドディスプレイのリモート操作を指先で行えるタッチパッド式のリモートタッチに、本革を使ったシフトノブを装備する。
スポーティな一眼メーターは、デジタルとアナログの風合いが融合。F SPORT仕様では専用の8インチTFT液晶式メーターを搭載。
バージョンCでは、215/60R17タイヤ&エアロベンチレーティングアルミホイールを標準装備するが、F SPORTでは専用のアルミホイールに換装。

内装のデザインはさまざまな機能を内包する今日びのクルマと比べると、シンプルな部類に入るだろう。空調やシートヒーターなど室内の快適性を司る機能は直感的に操作できるよう物理スイッチがセンターに整然と並べられ、その他の機能は基本的にコンソールに据えられたリモートタッチのパッドを介してコントロールする。ユニークなのは空調と同じくらい使用頻度の高いオーディオのコントロール系をアームレストの中に収めていることだ。手を置けば指の位置に自然にフィットするように物理スイッチがレイアウトされていて、音量や選曲、ソースの切り替えなどを腕を動かすことなく行える。

操作系のレイアウトという点でいえば、UXはパワーウインドウのスイッチからカップホルダーのホールに至るまでをできるだけ前方に配置するように工夫がなされているそうだ。実際に座ってみると、大柄な僕にもその意向は感じとれる。これはUXの開発を統括した女性のチーフエンジニアのこだわりで、小柄な女性がドライビングポジションをとった際にも、自らのリーチの内にそれらを収めることが運転のストレス軽減につながるという考えだ。男性的な発想ではなかなかそこまでの配慮には至らない。

UXの室内演出という面で注目すべきは、和のモチーフを嫌味なく取り入れている点だろう。たとえばインストルメントパネルのアッパー部は和紙の表面の風合いを反映した仕上げとなる他、グレードに応じてシートのデコレーションには刺し子を想起させる非連続的なステッチを採用するなど、端々にその演出は見てとれる。現行のLSも然りだが、レクサスは自らの出自、すなわち日本の美観をデザインに嫌味なく纏わせることをアイデンティティの表現につなげている。

ガソリン車の乗り味、そしてUXならではの走破性

今回、撮影と試乗に用意したのはUX200のバージョンCだ。つまりハイブリッドでもなければF SPORTでもない。敢えてシンプルなモデルを選んでみたのは、売れ筋のハイブリッドではない普通のエンジンモデルのでき栄えを僕自身も再確認しておきたかったからだ。

UX200が搭載するエンジンは、高出力と低燃費を両立すべく、長年の研究によって培われた高速燃焼の技術が投入された最新世代のユニットだ。組み合わせられるトランスミッションはこれも最新設計となるダイレクトシフトCVTで、低速用にギアを用いることでドライバーの意思に忠実な発進加速が得られる他、MTモードではアクティブにエンジンのパワーを引きだし、ダイレクトなドライブフィールが味わえるという。

最高出力174ps、最大トルク209N・mというスペックは2Lのノンターボエンジンとしてはなかなかのものだが、乗ってみるとその額面をも超える力強さは低中回転域に強く感じられた。スロットルを大きく踏み込んでエンジンの回転を高めるまでもなく、なめらかに望みの加速が得られるあたりは、むしろ街なかから郊外といった日常的に多用するゾーンでの運転の気持ちよさに大きく貢献している。

或いはUX200は、交差点や駐車場といった場面で求められる極低速の微細な加減速にも、気遣わずとも穏やかに応答してくれる。2L4気筒でありながら、さながら3Lの6気筒でも載せているかのようなゆとりや上質さは、UX200のチャームポイントといえるだろう。

ちなみに周囲の流れに乗りながら、ごく普通に試乗した範疇での燃費は、街なかでも10㎞/L超え、郊外では16㎞/L超えといったイメージだった。あくまで参考値ではあるが、2Lのガソリンエンジンとしては優秀ながらも、特に街なかでは明らかにハイブリッドにはおよばない。が、そのぶんを補えるパワーの扱いやすさに加えて、軽い車重によるフットワークのよさ、そしてもちろん価格の安さといった美点がある。これらをどう勘案するかがUXを選ぶうえではキーになってくるだろう。個人的には燃費差の出にくい週末のロングドライブなどが用途の上位にあるのならば、UX200の側を選ぶ意味はあると思う。

渡辺敏史 Toshifumi Watanabe

二輪・四輪誌の編集を経て、フリーランスの自動車ジャーナリストに。以来、自動車専門誌にとどまらず、独自の視点で多くの メディアで活躍。緻密な分析とわかりやすい解説には定評がある。

LEXUS UX200 Specification

サイズ
全長4,495mm×全幅1,840mm×全高1,540mm
乗車定員
5人
燃料消費率
16.4㎞/L(WLTCモード)国土交通省審査値
エンジン/型式:M20A-FKS
総排気量:1.986L
最高出力(ネット):128kW(174PS)/6,600r.p.m.
最大トルク(ネット):209N・m(21.3kgf・m)/4,000~5,200 r.p.m.
価格
397万2,222円~(税込み)

詳しい情報・お問い合わせ

レクサスインフォメーションデスク
TEL
0800-500-5577 (全国共通・フリーコール)
受付時間
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ウェブサイト
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