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UX300e
次世代モビリティの可能性を示唆するLEXUS電動化ビジョン

2019年にLEXUSが発表した電動化ビジョン「Lexus Electrified」。その第1弾となるモデルが「UX300e」です。次世代のモビリティ動力源のスタンダードはなにか。HEV、PHEV、BEV、FCEVなど、2025年の全車種電動化の目標に向けて、環境性能だけでなく、走行性能を両立した答え、LEXUSだからこその品質を実現させる電動車、その機能・性能、そして未来を紹介します。

Text:Daisuke Katsumura

LEXUSファン待望のBEVがついにデビュー

ここ数年、各自動車メーカーから続々とEVが登場し、いよいよEVがメインストリームとなる世の中が現実を帯びてきました。これまでのEVは、ガソリン自動車の中で突出した存在だったため、EVであるということ自体が評価されてきましたが、今後EVが当たり前の世の中になると、その評価対象は快適性や高級感といったクルマ自体の評価に移行していくことになると思われます。

LEXUSが掲げた電動化ビジョン「Lexus Electrified」の一環として2020年に発表されたのが、LEXUSブランドで初の市販BEVとなるUX300eです。すでに国内でもデリバリーが開始されていますが、まだまだ街中で見る機会は少ないと思います。そこで今回はUX300eが何にこだわったのか、そしてどんなところが他のEVと異なるのかを掘り下げることで、LEXUSが目指す未来のBEVの在り方を探ってみたいと思います。

BEVだからこそこだわった車内の静粛性

ユーザーが持つLEXUSに対するイメージで必ず挙げられるのが「心地よい走り」、そして「静粛性」です。特に車内の静粛性に関しては、LEXUSブランドの創設以来継続して取り組んできました。この静粛性はUX300eでは通常のガソリン車以上に重要な課題でした。エンジンからメカニカルノイズが発生しないBEVではよりしっかりとした対処が必要となるからです。結果としてUX300eは、LEXUSブランドの名に恥じない非常にレベルの高い静粛性を持つ一台となったのです。

ボディはデザイン時にミラーやサンルーフなどからの風切り音を徹底して排除。またボディパネルの内側、特にフェンダーアーチやバルクヘッド、トランク床面など様々な位置に防音材を配置、フロントドアにはアコースティックガラスを採用することで、車内の静粛性を向上するとともに、タイヤからのロードノイズや小石などの跳ね上げ音を極力車内に入れない工夫がなされています。

バッテリーを床下に配置した4つのメリット

さてUX300eはコンパクトな車体に54.4kWhという大容量のバッテリーが搭載されていますが、このバッテリーを車体の下、つまりフロア下に配置しています。これにはいくつかのメリットがあります。まずは上で紹介した静粛性の向上です。フロアを二重構造とすることで、路面からの騒音を効率的にカットしているのです。

そして床下へのバッテリー配置でのメリットがもう一つ。フロアを見てみると、バッテリーユニットのおかげでまるでレーシングカーのようなフラットフロア化を実現しているのが判ります。これは走行中の空気抵抗を低減する効果があり、結果として効率の良い走りと電費の良さに繋がっているのです。

またラゲッジスペースをバッテリーに占領されていないため、通常モデル同様に広いラゲッジスペースを確保しているのも大きなポイントです。UX300eはデッキボード上部のみでも303Lのラゲッジ容量を確保しています。

そして最後にもうひとつ大きなメリットとなっているのが、低重心化です。BEVはそもそもかなり重量のあるバッテリーを搭載する必要があり、スポーティな走行フィールとは無縁と考えられてきました。ところがUX300eでは最も重量のあるバッテリーを車体中央下部に配置することで、重量マスを車体中心に集約。これによって重心点はドライバーのヒップポイントに近い場所となっているのです。この低重心化と前後重量配分の最適化によって、高い運動性と旋回性を手に入れているのです。

使い勝手の良いBEVを目指した取り組み

さて、UX300eは、BEVである以上、充電インフラやBEVならではのユーティリティも重要です。通常モデルでは左側面となる給油口ですが、UX300eの充電口は左右両側にあります。まず右側のリッド内には通常充電用のポートが、そして左側のリッド内には急速充電用のポートがそれぞれ設置されています。急速充電ポートはCHAdeMO規格に準拠しており、50kWの急速充電スタンドを利用した場合、約50分で駆動用電池の75%充電が可能。さらに満充電までは約80分となるそうです。

LEXUSユーザーに提供されるスマートフォンアプリG-Linkに今回UX300eの発売に合わせてBEV専用機能が追加されました。具体的には充電スポットの検索やクルマから離れた状態での充電状況の確認が可能となったほか、出発時刻に合わせた充電のタイマー機能なども追加されました。またリモートでのエアコンの制御などを行うことができるようになったことで、炎天下でも乗り込むと同時に快適に過ごせるようになったのです。こういったスマートフォン連携機能の充実もUX300eならではと言えるでしょう。

これまでガソリン車やハイブリッド車がメインだったLEXUSが世に送り出す初のBEVとして、満を持しての登場となったUX300e。LEXUSのアイデンティティともいえる、「すっきりとした走り」や「静粛性」はしっかりと受け継いだUX300eには、LEXUSが考える未来のBEVのカタチが明確に投影されているのです。

UX300e SPECIFICATIONS

サイズ
全長4,495mm×全幅1,840mm×全高1,540mm
ホイールベース2,640mm
車両定員
5名
バッテリー
種類:リチウムイオン電池
総電圧:355.2V
総電力量:54.4kWh
モーター
型式:4KM
最高出力:150kW(203PS)
最大トルク:300N・m(30.5kgf・m)
走行距離
367km(WLTCモード)
電力消費率
140Wh/km(WLTCモード)
130Wh/km(JC08モード)
価格

version L
635万円(税込み)

version C
580万円(税込み)

詳しい情報・お問い合わせ

レクサスインフォメーションデスク
TEL:0800-500-5577 全国共通・フリーコール
受付時間/9:00~16:00 年中無休
https://lexus.jp/models/ux300e/

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