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©Kawana Hotel

名門ゴルフリゾートに泊まり、世界に誇る絶景リンクスを堪能
川奈ホテルゴルフコースの名物ホールでプレイする。そこにはゴルフの根源的悦楽がある

「日本で初めて敷地内にゴルフ場を完備したホテル」として、1936年(昭和11年)に開業したのが川奈ホテルだ。伊豆半島東部、相模灘に面した絶好のロケーションに、2つの魅力あふれるゴルフコースが広がっている。まさに風光明媚と表現するにふさわしい各コースから、忘れ得ぬショットが生まれると評判の名物ホールを紹介していこう。

Text:Kiyoto Kuniryo
Photo:Takao Ota
Aerial Photography:Takahide Shimizu
Edit:Shigekazu Ohno(lefthands)

Autumn 2025号掲載の「LEXUSのBEV(電気自動車)で旅するサステナブル ニッポン 伊豆ジオドライブとクラシックホテル&ゴルフの旅」も合わせてお読みください。

「日本ゴルフ界の父」が設計した名コース

川奈ホテルの開業(1936年)よりも古く、1928年に完成していたのが「大島コース」。設計者の大谷光明氏は、日本ゴルフ協会の設立や第1回日本オープンゴルフ選手権の開催に尽力し、ゴルフルールの翻訳・普及にも貢献するなど、「日本ゴルフ界の父」として後世に名を残している人物だ。

彼は、自身の哲学を次のように語っている。

「ゴルフコースは単なる技術競技の場ではなく、『自然』と『人間の精神性』が響き合う場所であるべきだ」

大島コースは「冒険心」に敬意を表したホールから始まる

©Kawana Hotel
大島コースの1番ホール、ティーイングエリアからの海抜けの景色。

朝の静けさの中、ティーショットで放たれたボールは美しい弧を描きながら、眼前の大海原に向かって飛んでいく。水平線に浮かぶのは、コース名の由来となった伊豆大島だ。設計者の哲学どおり、まさに「大島コース」は自然と響き合う第1打からスタートする。

このスタートホールに付けられたニックネームは「KUMAGAI’S ADVENTURE」。

「熊谷の冒険」という名称だが、この熊谷とは「大島コース」の建設を担った熊谷直道技師を指している。大谷光明氏による設計のもと、現代的な重機がまだなかった昭和初頭に海沿いの溶岩台地をゴルフコースへと開拓・造成した中心人物だ。造成時に現場に寝泊まりした熊谷技師の住まいは、現在の1番ホールのグリーン左にあったという。

つまり、「熊谷技師が大変に苦労して造成した日々(=熊谷の冒険)」の出発地・本拠地がこの場所だったというわけだ。その熊谷技師の苦労や挑戦を称えると同時に、これから大島コースに挑戦しようとするプレイヤーの冒険心にエールを送る意味も含んだニックネームだ。

ニックネームの由来を知ると、大島コースのスタートホールに立つ際の気分が一段と高揚するのではないだろうか。

「さよなら」を言わないで済むことを祈って

「左はダメ」と思えば思うほど、ボールは海に吸い込まれがち。

1番ホール「KUMAGAI’S ADVENTURE」からスタートしたプレイヤーの冒険心は、ここでひとつの試練を迎える。4番ホールは、相模灘の波が押し寄せるダイナミックな海岸線を活かしたレイアウト。谷越えの左ドッグレッグとなっている。

このホールのニックネームはずばり「GOOD-BYE」。

ティーショットでは、フェアウェイ右の一本松と左側の松林の間を狙っていかなければならない。しかし、力みや焦りがクラブに伝わって左に曲げてしまうと、ニックネームのとおり、ボールは海へと「おさらば」だ。

設計者の大谷光明氏が教えてくれているのは、「プレッシャーに負けることなく挑戦を続けることの難しさと楽しさ」。この4番ホールも大谷氏の設計哲学どおり、「自然」と「人間の精神性」が響き合う場所として存在しているようだ。

いろんな意味で冒険心が試される名物ホール

©Kawana Hotel
6番ホールの鳥瞰。溶岩台地の特異な地形を活かしきって、スリリングなレイアウトを実現。

吊り橋のかかる深い谷越えの名物ホールが6番。谷に打ち込まないように(左右に曲げないように)注意しながら打ち下ろしたあと、グリーンに向かうためにはカートを降りて吊り橋を渡る必要がある。

このホールのニックネームも洒落ていて、「S.O.S」と呼ばれている。

第1打を打ち下ろす際、さらには吊り橋を渡る際、思わず「助けてくれ!」と叫びたくなる気持ち。そこから命名されているのだ。

カートを降りて吊り橋を渡るのも、ちょっとした冒険となる。

大島コースを設計した大谷氏は、次の言葉も残している。

「優れたコースは、プレイヤーに技術だけでなく知性と感性、挑戦する心を与える」

上述してきた3つのホールの存在を知るだけでも、この言葉の意味が実によく理解できるというものだろう。

「富士コース」では「アリソンバンカー」が難敵となる

1928年に開場した「大島コース」に続いて、川奈ホテル開業と同時に1936年に開場したのが「富士コース」である。

設計は、英国人のチャールズ・ヒュー・アリソン氏。彼が川奈を実際に訪れた際には当地の景色と地形を絶賛し、「麗しき絶景に幻惑されて正しき設計を誤る恐れがあり、印象が薄らぐのを待つ」と友人に書き送り、到着後の3日間は仕事をしなかったという逸話が残っている。

©Kawana Hotel
手前に2つ、グリーンそばに3つの罠――。深くて手ごわいアリソンバンカーがいくつも連なる7番ホール。

アリソン氏設計のゴルフコースといえば、アゴ(縁部分)が大きくせり出し、深く掘られた「アリソンバンカー」が有名だ。富士コースで特に知られているのは、海に浮かぶインフィニティーグリーンの手前にいくつものアリソンバンカーが待ち構える7番ホール。

忘れ得ぬ一望、忘れ得ぬ一打がここに

「富士コース」(*ホテル宿泊者限定)は、米国ゴルフマガジン誌が選出する『世界ゴルフ場100選(2023年~2024年)』で53位に選出された。前回(2021年~2022年)の62位からジャンプアップしている。世界ゴルフ場100選とは、世界のゴルフに精通したパネリストによって厳正なる審査が行われ、2年に一度、世界のトップ100コースを発表するもの。

今や世界のゴルファーが認め、憧れる存在になった「富士コース」。その絶景リンクスのレベルを象徴するホールといえるのが、11番だ。

©Kawana Hotel
11番ホール。奥に見える白い灯台の手前にグリーンを配置。
©Kawana Hotel
岬の突端(写真の右側)に灯台があり、左奥に富士山を望む。

この遠景空撮を見れば、富士コースの、そして11番ホールの絶景感をわかっていただけることだろう。どう控えめにいっても「最高のシチュエーション」なのである。

プロも手こずるアーメンホールが始まる

©Kawana Hotel
あのジャンボ尾崎プロがトーナメントで3連続O.B.を打ったという15番ホール。

「富士コース」では、1981年から男子のフジサンケイクラシックが24回にわたって開催されてきた。また、2005年からは女子によるフジサンケイレディースクラシックの舞台にもなっている。すなわち、これまでに数々のドラマや名勝負を生み出しつづけてきたというわけだ。

高台のティーイングエリアから断崖沿いの狭いフェアウェイに向けて打ち下ろす15番ホールは、そのスリリングなレイアウトから「富士コース」のシグネチャーホールとも称される。

この15番ホールに始まり、山の上の小さなグリーンに向けて急傾斜を打ち上げるショートホールの16番、30ヤード近くを打ち上げる高低差があって、深くて巨大なアリソンバンカーがフェアウェイの真ん中とグリーン手前に待ち受ける17番までの3ホールは「川奈のアーメンコーナー(神に祈るホール)」とも呼ばれている。

現在のプロトーナメントでは、テレビ映りや観客席設置の都合で18番ホールを1番ホールにずらして使用し、上記の17番が最終ホールとなって劇的なシーンを演出している。

美しいものを美しいと感じる。自身の技術的あるいは精神的な進歩に喜びを得る。そうした人間のプリミティブな情動に心を揺さぶられながら、その日・そのときのショットを脳裏に刻んでいく。川奈ホテルゴルフコース(大島コースと富士コース)でのプレイは、そうしたゴルフの根源的悦楽を十二分にもたらしてくれる。

ゴルフは、決して力だけでねじふせるものではない。マインドゲームでもあり、文化でもあり、また地形や気象条件、設計者の哲学とも対話しながら行うから面白いのだ。

川奈ホテルゴルフコースを訪れる皆さんに幸運あれ。

*「富士コース」は宿泊者限定となっています。川奈ホテルのご宿泊と合わせて、ご予約ください。
*川奈ゴルフコースのご予約は、川奈ホテル宿泊予約時にお申し出いただいたお客さまに限りトヨタファイナンス トラベルデスクにて承ります。
※ゴルフコースのご利用希望日が大会などのイベントに重なる場合など、ご予約が承れないこともありますのでご了承ください。

川奈ホテル

住所:静岡県伊東市川奈1459
アクセス:小田原厚木道路・石橋I.C.から約69分
駐車場:あり
※料金や収容台数、対応するお車のサイズについては施設へご確認ください。
EV充電:あり
※EV充電ご利用に関する利用条件・制限、利用時間、その他注意事項は施設へご確認ください。

レクサスカード会員さまのご予約はトヨタファイナンス トラベルデスクにて承ります。

LEXUS LUXURY HOTEL COLLECTIONでは、お客さまに最適なホテル選びをご提供させていただくため、トヨタファイナンス トラベルデスクにてお電話での手配を承っております。
世界中にある約2,000以上のホテルごとに、さまざまな特典がご利用いただけます。
「ホテル選びに迷っている」「金額や特典のみでも確認したい」など、お気軽にお問い合わせください。

ご利用いただけるお客さま:レクサスカード会員さま、レクサスの自動車クレジットをご契約中のお客さま
ご利用予定日の10日前までにご連絡ください。
トヨタファイナンス トラベルデスク 電話番号:0800-700-8160(9時~17時/日祝・年末年始除く)
※各施設へ直接ご予約された場合は特典が適用されません。

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