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LEXUSに乗って食べに行きたいグルメ旅(2)
鎌倉でスペインの風を感じるレストラン「anchoa(アンチョア)」

今、話題のレストランが続々オープンしている最旬デスティネーション鎌倉。本場スペインの風を感じる料理が食べられると人気の店が、2021年8月に都内から移転した人気店「anchoa(アンチョア)」です。ここの主役は、朝水揚げされた魚介類。獲れたての魚をシンプルに仕立てた料理を前にすれば、スペインバスクの港町のレストランに来たかのような気持ちになるでしょう。海沿いのドライブとセットで、美味の旅へ出掛けませんか?

Text/Misa Yamaji (B.EAT)
Photo/Hiroaki Sugita

まるでスペインの港町のレストラン。朝、水揚げした魚介がごちそうに

のんびりと走る江ノ電が眺められる、落ち着いた雰囲気の店内。

時折吹き抜けるカラッとした風に、夏の訪れを感じる太陽。

こんな気持ちのいい季節に、ふと思い出すのは、今はなかなか行けなくなってしまった海外の美味しかったレストランの記憶。この日筆者が思い出したのは、ちょうどこんな季節に訪れたスペインバスクの港町、ゲタリアの名店「エルカノ」で食べた獲れたての魚の炭火焼き。真っ青な港の海を眺めた後に訪れた、街中の落ち着いた雰囲気のレストランでいただくシンプルな料理の数々は、今も記憶に鮮明に残っています。

ああ、おいしいお魚が食べたい! いてもたってもいられず、思わず日帰りで旅気分を味わいにドライブを計画。クルマを飛ばして向かったのは、海の幸を豪快に食べさせてくれると話題の鎌倉のスペイン料理店「アンチョア」です。

以前の「アルドアック」時代からの名物『ピキージョ』。スペイン・ナバーラのピキージョピーマンに、タラとエビの詰め物を。周りはパプリカのソース

鎌倉駅西口側の広い駐車場にクルマを止め、のんびりとした「御成商店街」をしばらく歩くと現れる見逃しそうな細い路地。こんなところにお店が!?と、思う方もいるかもしれません。角を曲がり、進んでいくと木のかわいいドアに「anchoa」と書かれた扉が。開けると、オーナーシェフの酒井 涼さんが笑顔で迎えてくれました。

実は、酒井さん、代々木八幡でスペイン郷土料理をコース仕立てでワインとともに楽しめる人気店「アルドアック」を営んでいた人物。そんな酒井さんが、予約がひっきりなしに入る都心の店を閉めて鎌倉移住をしたのは、コロナ禍がきっかけでした。

人々が外出制限し、移動ができないという未曾有の事態に、“場所”という概念が自分の中で大きく変わったという酒井さん。日に日に以前から抱いていた“海が近い場所で料理をしたい”という思いを実現したいと考えるようになり、縁があった鎌倉へ。以前のカウンター中心のお店から、テーブル席で楽しめるシックなお店にスタイルを変え、新しいスタートを切ったのです。

すぐそばで獲れる季節の豊かな山海の恵みとともに

「魚の炭火焼き ゲタリア風」今日の魚はヒラメ。丸ごと焼くと魚が持つ水分でふっくらと焼きあがり、魚が持つ香りがぐっと立つ。

ガリシア地方から、バスク地方、カタルーニャ地方にバレンシア地方、アンダルシア地方まで、スペインには海と山が育むその土地の食材を活かした個性豊かな郷土料理が多くあります。スペイン料理をずっとやってきた酒井さんにとって、同様に海と山の幸に恵まれている鎌倉という土地は、自然のサイクルとともにあるスペイン料理を作るのに非常に魅力的だったのでしょう。

この日、「魚の炭火焼き ゲタリア風」を楽しみにしてきたと話すと、酒井シェフは佐島漁港から届いたばかりという、2kgはありそうな大きなヒラメを嬉しそうに見せてくれました。

「この場所でやっていたら、やっぱり料理も魚介中心になってきましたね。魚は、佐島漁港の仲買の方から買っています。早朝に競りにかけられた魚が午前中には店に到着するので、鮮度は都内で営業していた頃と比べ物にならないくらいよいですね。クリアな味わいのよさも魅力ですが、鮮度がいいと魚の身の締まりが違うんです。身が柔らかい日本の魚でも、ヨーロッパの魚に近いイメージで扱えます。」

塩を軽くふった大きなヒラメを専用の器具で挟み、豪快に丸ごと1匹炭火の上へ。じっくりと20分近く時間をかけながら、ふっくらと焼きあげていきます。

ちなみに専用の魚を挟む器具は、スペイン・バスクの港町、ゲタリアの店でも使っているものを、わざわざスペイン・サンセバスチャンの工場で特注。大きな魚を炭火で焼く時は、この器具がないと身が崩れてしまいひっくり返すことができないのだそう。

「ヒラメの炭火焼き」1.5kgから2kgのものは3~4人でシェアしてちょうどいい量。季節によっては鯛やカサゴなどで。

途中、ビネガーとオイルをかけながらじっくりと焼きあげたヒラメは、ドーンと豪快にそのまま、テーブルへ。ふわっとした腹の身、しっとりとした背の身、ぷりっとした頬やえんがわ、ヒラメの部位によって、その食感や味わいが違うことを存分に楽しむことができます。

潔く素材の美味しさを全面に引き出した料理は、素朴で豪快なバスクのローカルレストランで食べているかのよう。鎌倉が海に近い場所にある街だということを改めて感じる一品でした。

日本の食材を生かしながら、スペインの郷土料理を表現

「アロス・ア・バンダ」はたっぷりのスープを少量の米に吸わせて焼き付ける家庭料理

そして、こちらのコースのもう一つの目玉は、なんといっても最後に登場するスペインならではの米料理です。

この日のメニューは、ガリシア地方、カリエンテの郷土料理“アロス・ア・バンダ”。50cmはあろうかという大きなパエリアパンで半合の米を炒め、たっぷりの魚介のスープで炊いていきます。魚介のスープがしっかりと染み込んだお米を、薄く広げパリパリに焼き付けるくらいまで炊き込んだ、具のないシンプルな米料理なのですが、これが絶品。

「毎日ピンチョスやタパスで使う魚のアラをまとめて、トマトや香味野菜、パプリカパウダーなどでスープをとるんです。相模湾では、夏以外はエビが取れないので、今は魚のうまみがしっかりと詰まったスープがベース。今日は、ヒラメ、太刀魚、タイ、イワシ、サバ、イナダ、カツオ、マグロなどで作っています。夏になれば伊勢海老の殻などが出汁に入ってきますので、また味ががらりと変わるんですよ」と酒井さん。

できあがった「アロス・ア・バンダ」大きなパエリアパンだけれど、薄く米が広がっているので、二人でもペロリと食べられる。

薄く広がり、焼き付けられた米は、スプーンで一気にこそげ取って食べると、パリパリの部分と、しっとりと水分が含んだ部分が絶妙に混じり合い、独特の食感に。うまみが凝縮した魚介の味わいは、具がなくても満足感があり、クセになります。スペイン現地でのイメージに近づけるため、米はササニシキなど粘り気のないものを使用しているのだそう。途中添えられているアイオリソースで味変をしながら食べるとまた、ぐっとスペインらしい味わいに。この「アロス・ア・バンダ」は、日本でいえばお茶漬け感覚で、締めのごはんにぴったりです。

ちなみに日によっては、具材がたくさんのったパエリアも登場します。ただ、その日の食材次第でメニューが変わるので、なにが登場するかは訪れてからのお楽しみに。

店名の「アンチョア」とは、カタクチイワシのこと。

こちらでは、店名にもなっているアンチョビ(スペイン語でアンチョア)からはじまり、本場のバスクを思わせるようなピンチョスの盛り合わせ、タパス3~5種類、メイン、お米料理にデザートと、満足感のあるコース料理をいただけます。

「今日のピンチョスで出した筍は、レンバイ(鎌倉市農協連即売所)で朝買ってきたもの。朝採れだから、えぐみがなくてホイルで蒸し焼きにするとすごく美味しいでしょ。京都や静岡の筍もいいけれど、鮮度がいいと地元のものでも十分ですよね。タパスのキハダマグロも近海のもの。ちょっと脂が少ないから、うまみを足すために、ナンプラーで下味を付けて炭火で表面を炙ってタタキのようにしました。ロメスコソースが合いますね」と、シェフの酒井さん。季節のエネルギー溢れる食材を前に、アイデアはつきません。

スペインの料理の伝統的な技法を大切にしながらも、日本の食材の特性に合わせ、それぞれの食材の香りや味わいを生したシンプルな料理は、季節を変えて何度でも食べに行きたくなります。


anchoa(アンチョア)

住所:
神奈川県鎌倉市御成町2-14-3 御成ヴィレッジ A棟 1F
TEL:
070-1314-0406
コース:
ランチ(土日祝限定)5,500円(税込み)。ディナー8,800円(税込み)~
月曜休、他不定休あり

https://www.tablecheck.com/ja/shops/anchoa/reserve



鎌倉グルメを楽しむ拠点は特約ホテルがお勧め

鎌倉観光後、横浜ロイヤルパークホテルの絶景で非日常体験を

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アクセス
首都高速横羽線「みなとみらいランプ」より1分
桜木町 徒歩5分 みなとみらい駅 徒歩3分
客室タイプ
スカイリゾートフロア「アトリエ」コーナーツインベイブリッジビュー47㎡ (禁煙)
特典
アーリーチェックイン14:00(通常15:00)
レイトチェックアウト12:00(通常11:00)
宿泊料金
1泊朝食付き お一人様料金(2名1室)16,300~40,300円
駐車料金
1,600円

トヨタファイナンストラベルデスクでは、限定企画ツアー、全国95箇所のオリジナル宿泊プラン、豪華列車の旅、ラグジュアリーバスの旅、クルーズなどをご紹介いたします。
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