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LEXUS Photogenic Spot
LEXUSでめぐりたい、
フォトジェニックな名建築

いつもの街でも、クルマで訪れると違う表情が見えてくるもの。それが著名な建築家による名建築ならばなおさらです。今回ご紹介するスポットは、最寄り駅が遠く、一般的な観光ルートにはないエリアにある建築物です。ぜひ、愛車と訪れてフォトジェニックな建築物をフレームに収めてみてはいかがでしょうか。

クルマで行くからこそ楽しい! 
名建築を巡るドライブへ

普段何気なく目にしている、いつもの街のいつもの景色を、クルマで走るとまた違った表情を発見できるかもしれません。お気に入りの建造物があれば、クルマを停めてじっくりと鑑賞するのも楽しいものです。

それが、著名な建築家による名建築と呼ばれる建築物なら、なおさらではないでしょうか。街における建築物の役割をどう捉えていて、そこにはどんなメッセージが込められているのか──そんな設計のコンセプトを探ってみるのも楽しいもの。今回は、著名な建築家による全国の名建築を3つご紹介。いずれもダイナミックな建築物で、ぜひ、愛車と訪れたいスポットです。

包み込まれるような
「グローブ」がポイント

●みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜県・岐阜市)

まず最初は、地域に根ざしていて、そして大人もこどもも楽しめる場所として人気が高い『みんなの森 ぎふメディアコスモス』をご紹介します。岐阜市立中央図書館を中核施設とする複合施設で、市民活動交流センターや展示ギャラリー、ホール、カフェなどが集まっています。

なだらかな屋根のラインが美しい建物。周囲の景観にも溶け込んでいる

設計を手がけたのは伊東豊雄氏。1941年生まれで、主な作品に、「せんだいメディアテーク」「多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)」「台中メトロポリタンオペラハウス(台湾)」などがあります。日本建築学会賞作品賞、ヴェネチィア・ビエンナーレ「金獅子賞」、王立英国建築家協会(RIBA)ロイヤルゴールドメダルなど受賞。2011年には愛媛県今治市大三島町に伊東豊雄建築ミュージアムを設立しています。内部空間にほとんど柱がなく、空間の利用方法をあらかじめ決めない建物や、ガラスや楕円形のフォルムを用いた設計が特徴です。

『みんなの森 ぎふメディアコスモス』設計の際には、日本家屋のような風通しのよい建築を目指したそうです。図書館へ足を踏み入れると、傘のような形状の「グローブ」というオブジェが頭上にあるのが目に入ります。光が柔らかく差し込み、非常に幻想的な空間。グローブには、上部に設けられた開閉式の水平窓を開けることで自然な風の流れを生み出し、エネルギーをかけずに空間を換気できるという機能もあります。建物の駐車場からは、愛車と建物を絡めた写真も撮影可能です。

グローブを中心にして、人工籐でできた椅子やストランドボードでできたテーブルがあり、そこは訪れる人が思い思いに本との時間を過ごせる場所。隣の人との距離が自然に保たれる設計になっています。閲覧スペースは大きな窓に面しており、開放的な雰囲気。夜は館内の明かりがガラス越しに見え、美しい館内の様子が映し出されます。グローブはさながらランプシェードのようです。

グローブの下は、まるで包み込まれるような暖かな空気に満ちている

屋根は木製の格子状。ただの仕上げ材ではなく、構造材としての働きを持ち、職人の手作業により取り付けられています。ヒノキ材は全て、岐阜の県産材である「東濃ひのき」が使われています。柔らかなラインは岐阜の山々の稜線を思わせます。

敷地内にはスターバックスコーヒーもありますが、その建物もまたグローブをモチーフにしたつくりで、図書館との連続性が見られます。

散歩をしていて楽しいポイントがたくさんある並木道。雪の降る夜などは幻想的だ

散歩をしたくなったら、せせらぎの並木 テニテオへ。カツラの木のほか、道路側には常緑広葉樹、建築側には四季の野草や樹木が植えられており、季節により異なる表情が見られます。散策のための小径やせせらぎもあり、開放的な散歩道です。

また3月26日には、1階エントランスホールに、過去・現在・未来にわたる情報集積拠点「シビックプライドプレイス」が開設されます。岐阜の魅力を発信する情報ステーションで、まち歩きで訪れたいスポットの紹介や歴史ギャラリーなどが設けられる予定です。

ぎふメディアコスモス事業課の古田智子さんは「木製格子屋根やグローブを撮影している人がたくさんいらっしゃいます。撮影不可の場所はありませんので、周囲に気をつけながら存分に撮影をお楽しみください」と話します。図書館は20時まで開館しているので、昼から夜まで滞在し、建物のさまざまな表情を写真に収めるのも楽しそうです。

あふれる緑と建築の競演
自然との共生を目指す

●淡路夢舞台(兵庫県・淡路市)

続いて、淡路島の北東部にある複合型リゾート施設「淡路夢舞台」です。こちらは、建築家の安藤忠雄氏が手がけた代表的な建築物のひとつ。日本建設業連合会が日本国内の優秀な建築作品に贈る第42回BCS賞を受賞しています。

安藤忠雄氏は1941年大阪生まれ。世界各地を旅した後に独学で建築を学び、1969年に安藤忠雄建築研究所を設立しました。代表作に「光の教会」「ピューリッツァー美術館」「地中美術館」などがあり、95年に建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞しています。1997年に東京大学教授に、2003年から名誉教授に就任しました。

リゾート施設と会議施設の融合をコンセプトとしており、国際会議場、ホテル、温室、野外劇場などの施設が点在しています。主要施設が庭園や遊歩道、デッキなどで連結され、敷地内を回遊できる仕組み。2000年にオープンしました。

自然に包まれるように広がる建築群と海の景色はまさに絶景。シャッターを押すのが止まらなくなりそうだ

見どころは、海が望める山の斜面に沿って100の花壇が並ぶ「百段苑」で、枡の形の花壇が四方に整列し、100ある花壇の周りにあらゆる方向から階段が連なっています。高台から望む景色は、空と海と庭園と建築が見事に一体化され、まさに絶景です。自然と建築物が融合した世界を楽しむことができます。駐車スペースからは山側のエリアを望むことができ、一部の風景を楽しめます。

整然と並んだ枡形の花壇。自然の曲線と人工的な直線が重なり合い、何とも美しい

建物から海側に沿って広がる約1万平方メートルの敷地には、リサイクルした帆立貝が1枚ずつ手作業で敷き詰められた「貝の浜」があります。貝殻の数はなんと約100万枚。光と水景との演出により、幾何学的な造形の中に自然を生み出しています。

「山回廊」は、コンクリートの壁と擦りガラスに囲まれた回廊で、中央に水が蓄えられている中庭も楽しめます。「海回廊」は海が展望できる、陽光にあふれた回廊です。2つの回廊は「楕円フォーラム」で結ばれており、ゆっくり歩きながら一周できます。

「円形フォーラム」は、直径約32メートル、高さ約11メートルの打放しのコンクリートによる円形空間。底の真ん中には水が溜められています。「楕円フォーラム」は長径約50メートル、深さ約17メートルの楕円空間で、西側の壁面が日時計になっています。フォーラムの屋上を見上げると、そこに円形や楕円に切り取られた空が広がります。

異世界に迷い込んだような空間。撮影のためにコスプレイヤーも訪れるとか

「海の教会」は、ウェスティンホテル淡路で行われる婚礼の、いわば「祝祭空間」として、コンクリート通路で繋がれた建物に設置されています。チャペルは立方形で、天井に切り取られた十字のスリットを通して光が差し込み、正面のスクリーンに光の十字架を映し出します。また、床と壁の境目には照明が埋め込まれ、コンクリートの空間を柔らかな光で包み込みます。

陽の光で輝く十字は、光を巧みに操る安藤氏の真骨頂

安藤忠雄氏は「21世紀を見越して、積極的に自然に働きかけ、環境と共生していかなければならない」と話しています。自然との共生をテーマに、安藤氏がたどり着いた答えを探りに行くのも面白そうです。

異世界を訪れたような
ラベンダー畑の巨大な大仏

●頭大仏(北海道・札幌市)

最後は、ラベンダー畑のなかから突如として現れる、大きな大仏の頭部。札幌市の真駒内滝野霊園には、こちらも建築家の安藤忠雄氏によって設計された、頭(あたま)大仏の鎮座する大仏殿があります。そのスケールの大きさは、さすが北海道ならでは。「これほど広大なスケールのランドスケープは初めてのこと。北海道にしかない、これまで例のない新しい世界をつくることができた」と安藤氏もコメントを寄せています。

広大なラベンダー畑のなかに、頭の一部分だけが見える設計。想像力が掻き立てられる

この建築物の特徴は、コンクリート打放しと「光」。「装飾は人間。建物はシンプルでいい」という考えから、建築物の外観は極めてシンプルです。そこには、緑や日光などが効果的に映えるよう工夫が凝らされています。大仏殿近くの駐車場からは、頭部が突き出た大仏を眺めることができます。

頭大仏は、その安藤氏が設計を手掛け2016年に完成した建物。高さ13.5メートルの石造の大仏の周りがラベンダーの丘で覆われています。外部からは大仏の頭だけしか見えないことから「頭大仏」と呼ばれるようになりました。

大仏には大仏回廊があり、直径が底部で27メートル、上部で13.7メートルの円錐すい台で囲まれています。さらに、より精神性を高めるという目的で、約135メートルの長いアプローチ(参道)が作られました。ラベンダーに覆われたこの長いアプローチを入ると、水をたたえた「水庭」に行き当たります。さらに進むと、38メートルのトンネル通路へ。天井はコンクリート打放しでひだ状の構造になっているので、胎内回帰をイメージさせます。トンネルの出口に行き着くと、ようやく目の前に台座に乗った巨大な仏像が見えるという仕組みです。

下から仰ぎ見ても、大仏すべてを視界に収めることは不可能。スケールの大きさに圧倒される

非日常的な空間をいくつも通るうちに雑念が払われ、真っ白な心で大仏と対峙することができるのかもしれません。

真駒内滝野霊園は、総面積180万平米と巨大なスケールを誇ります。霊園は一部、一般にも開放しており、巨大なモアイ像やストーンヘンジが訪れる人を出迎えてくれます。また、軽食が楽しめる『ロタンダカフェ&ストア』や、季節の花々や多肉植物がそろう『たきの花マルシェ』などもあります。

「7月に開催しているラベンダー祭では、頭大仏殿の丘を遊歩道として有料開放しており、丘の上からラベンダーや頭大仏、モアイ像を撮影することができるのでおすすめです」と話すのは、真駒内滝野霊園管理事務所の岩渕直哉さんです。また冬の雪の時期も、幻想的な写真が撮影できるかもしれません。

どの施設も、日本を代表する建築家による名建築と呼ばれる建物です。スケールも大きいので、たっぷりと時間を使って滞在し、名建築を味わうのにおすすめです。次の週末にドライブで訪れてみてはいかがでしょうか。

真駒内滝野霊園

住所
札幌市南区滝野2番地
入園料
無料
拝観時間
4月~10月 9:00~16:00、11月~3月 10:00~15:00
※荒天の場合は閉殿の場合あり
閉殿日
指定の日、メンテナンス日は閉殿
ラベンダーの維持管理のため、拝観の際に一人300円(目安)の協力要請あり
水庭は冬期(11月~4月頃)凍結のため、見学不可能
アクセス
道央自動車道北広島ICから車で45分
駐車場
南駐車場、北駐車場合わせて最大245台収容可能。駐車料金は無料。
※駐車場で写真撮影は可能だが交通の妨げにならないよう注意

淡路夢舞台

住所
兵庫県淡路市夢舞台8-10
入場料
無料(「奇跡の星の植物館」と「国営明石海峡公園」は有料)
営業時間:施設により異なる
定休日
施設により異なる
アクセス
神戸淡路鳴門自動車道淡路ICから車で5分
または神戸淡路鳴門自動車道の東浦ICから車で10分
駐車場
600台。料金は500円/1日。時間は7:00~23:00

みんなの森 ぎふメディアコスモス

住所
岐阜県岐阜市司町40番地5
開館時間
<ぎふメディアコスモス>
9:00~21:00
<岐阜市立中央図書館>
9:00~20:00
<市民活動交流センター>
9:00~21:00
<多文化交流プラザ>
月~金曜 9:00~21:00
土・日祝日 9:00~17:45
<スターバックスコーヒー>
8:00~21:00
休館日
毎月最終火曜日(祝日と重なる場合は翌日。年末年始と重なる場合は前週の火曜日)
年末年始(12月31日~1月3日)
アクセス
東海北陸自動車道・岐阜各務原ICから車で約20分
または名神高速道路・岐阜羽島ICから車で約30分
駐車場
300台。料金は100円/30分(入庫後2時間まで無料)。時間は8:00~21:30

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