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Yokota's Golf Lesson Series
明日のラウンドで即、実践!
横田英治の『スコアメイクのポイント』
VOL.5 ユーティリティのススメ

スコアメイクの急所となるポイントに的を絞り、横田英治プロが即効で結果を生むアドバイスをお伝えする「明日のラウンドで即、実践! 横田英治の『スコアメイクのポイント』」。今回はクラブセッティングについて考える。アマチュアとほぼ同じヘッドスピードながら好スコアを出す女子プロゴルファーに学ぶべきこととは?

同じHSの女子プロはユーティリティを多用

タイトルにある「スコアメイクのポイント」に関して、スイングとともに大事な要素がギアです。どんなクラブを使うかで、スコアが改善することも決して珍しくありません。

クラブセッティングを考えるうえで、大いに参考にしたいのが女子プロゴルファーです。
私は岸部桃子選手を指導しており、また、キャディとして彼女のキャディバッグを担ぐ機会もあるため、最近の女子ツアーを間近で見てきました。そこで感じるのが、ここ4~5年くらいで、明らかに女子プロゴルファーがバッグに入れるユーティリティの本数が増えてきているという事実です。

今の女子プロゴルファーの平均ヘッドスピードが41m/秒くらい。これは、一般アマチュアゴルファーとほぼ同じです。同じヘッドスピードなのに、女子プロが有効活用しているユーティリティを入れない手はありません。

アイアンの4番、5番、6番あたりだと球が上がりにくい。そして球がつかまりにくい。これはアマチュアの2大”うまくいかない要素”です。
ところが、ユーティリティは、同じ距離を出せるのに球が上がりやすい、球がつかまりやすい。実は真逆の性能を持ったクラブなんです。

「9番アイアンはうまく打てます」「8番もまあうまく打てます」「7番はなんとなく打てます」、でも「6番は打てません」というゴルファーにとって、6番アイアンの代わりになるのが5番、6番ユーティリティ(U)です。
5U、6Uあたりはショートアイアン感覚で打てるし、その次のクラブは7番アイアン。もう全部がショートアイアンなのですから、ゴルフがラクになります。

ミドル~ロングアイアンをユーティリティに置き換えれば、全番手をショートアイアン感覚でラクに打っていける

操作がアイアンより圧倒的にカンタン

ロングアイアンでは難しい番手を、簡単なクラブに置き換えるというアイデアはぜひ試していただきたいと思います。

中には、男子プロゴルファーや上級者のように、球がつかまりすぎないことへのメリットを感じるプレーヤーもいます。ヘッドスピードが出せる人、パワーがある人は球が左に行くリスクを嫌うので、気持ちよく振り抜いて左へのミスが出る人は、そのままロングアイアンやミドルアイアンを使っていただいていいと思います。

ただ、ヘッドスピード41m/秒くらいの一般ゴルファーにとってはメリットのほうが圧倒的に大きいのです。
まず、比べるとわかるように、5番アイアンと5Uではソール形状が全然違います。アイアンはソールが薄くて難しそうなのに対し、5Uはソール幅があってやさしそう。ボールポジションも、アイアンはやや中に入れますが、ユーティリティだともっと左側になります。
なぜアイアンはあまり左に置けないのかというと、アイアンではインパクトの瞬間にシャフトの傾きが必要になる(ハンドファーストにとらえないといけない)からです。

ユーティリティは、ボールを少し左に置いても球がつかまるクラブなので、シャフトの傾きを作らなくてもいい。
シャフトの傾きを作らなくていいと、より入射角を緩やかにできるので、ユーティリティのほうが打ち出し角が出しやすくなります。

シャフトを左(自分から見て)に傾けて、ダウンブローで打ってスピンを入れるというのは、実は複雑な道具の使い方をしています。その点、やらなければいけない作業もユーティリティのほうが圧倒的に少ないのです。

5番アイアンと5U。ロフトはほぼ同じでも、ソール幅が広いユーティリティのほうが重心が深く、球が上がりやすい
クラブの特性上、アイアンはシャフトを左に傾けてダウンブローにインパクトしなければ球をつかまえられない。ユーティリティはもともとつかまりがいいので、緩やかな入射角で素直に打てばつかまってくれる

高い弾道を抑えようとしない

ユーティリティを手にしたアマチュアゴルファーが、まず最初にやってしまいがちな弊害があります。5番アイアンに比べて1.5倍くらいの高さで飛んでいくのですが、球が上がりすぎるのが嫌で、低く打とうとしてしまう人が非常に多いのです。

クラブなりに打つと、アイアンの1.5倍くらい高く上がるのが正しく、なおかつアイアンと同じ距離が出せるというのがメリットです。なので、ユーテリティを持った時にボールは中に入れすぎない。とくにウッド型ユーテリティほど気をつけましょう。

大事なのは、高さに対する抵抗をなくしてあげること。クラブの機能上、ボールを中に入れてロフトを立ててしまうと、曲がる要素が増えてきます。
アイアンは、シャフトに傾きをつけて打つことで真っ直ぐ行くようにできていますが、ユーティリティは歯(リーディングエッジ)から打ち込むのではなく、ソールを地面に当ててあげた時に真っ直ぐ飛ぶようにできています。歯から当たった場合は、リスクが逆に起こりやすくなってしまいます。

広いソールがあることで、多少ダフっても、地面に突っかかることなくソールが滑ってボールに当たってくれる。ミスの許容範囲がすごく広いクラブがユーティリティなのです。その機能を活用するために、先ほども言ったようにシャフトに傾きをつけず、入射角を緩やかにします。

「ボールポジション」と「ソールを使う」というのは、ユーティリティを使いこなすうえで非常に大事な2つの要素です。

ユーティリティをリーディングエッジから入れると、広いソール幅を活かせられない

「ストップ&ゴー」ドリル

では、どうすれば入射角を緩やかにすることができるか。
スイングの割合でいうと、アイアンがテークバック5・フォロー5だとしたら、ユーティリティはテークバック4・フォロー6、もしくはテークバック3・フォロー7くらいのイメージで振るといいでしょう。
トップがコンパクトだと、緩やかな入射角を確保できます。
普段の練習場でもこの打ち方を試して、軽く打って球がつかまるのを実感しておくことをおすすめします。

アイアン(左)がテークバック5・フォロー5なら、ユーティリティ(右)はテークバック3~4・フォロー6~7のイメージ

最後に、「ストップ&ゴー」のドリルを紹介します。
①アドレスをします。
②テークバックしてコンパクトなトップを作ります。
③トップの形のまま静止し(ストップ)、「1、2」とカウントします。
④「3」とカウントしながら切り返して(ゴー)、ボールを打ちます。

小さいトップで、しかもストップした後に打つには、体の助走が必要になります。なので、うまく打てない人は手で打っていることになります。
トップの位置から、手元はリラックスしておいて「1、2」とストップして「3」でゴー(打つ)。
ゴーでは、足で打つようなイメージで踏み込んでください。

うまく使いこなすことができれば大きな武器になるユーティリティ。女子ツアーでは7番や9番ユーティリティを入れている選手もいます。

みなさんも、長い番手が難しいアイアンは7番からにして、その上には4~6番ユーティリティを入れるセッティングをおすすめします。

左上:①アドレス、右上:②小さいトップを作る、左下:③静止して「1、2」とカウント、右下:④足で打つイメージで踏み込ながら切り返す

(プロフィール)
横田英治(よこたえいじ)

1971年広島県生まれ。15歳でゴルフを始め、1996年プロテスト合格。これまで多くのゴルファーにレッスンを行い、岸部桃子プロは昨年、待望の初シードを獲得した。昨年6月1日、東関道・千葉北インターから500メートルという恵まれた立地に会員制ゴルフサロン「クラブハウス」をオープン。レクサスカード会員の皆様が入会の際には入会特典として「クラブハウス オウンネームゴルフボール1ダースをプレゼント。なお、横田プロ自身もレクサスユーザーで、RXを愛用している。

PRESENT

会員制ゴルフサロン「クラブハウス」の体験レッスンを希望される方3名(先着)に、スイング練習器具「TRI-ONE STICK(トライワンスティック)」をプレゼントします。クラブハウス(TEL043-441-5466 担当・小内氏)までご連絡下さい。

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