Yokota's Golf Lesson Series
明日のラウンドで即、実践!
横田英治の『スコアメイクのポイント』
VOL.4 スイングの基礎トレーニング
スコアメイクの急所となるポイントに的を絞り、横田英治プロが即効で結果を生むアドバイスをお伝えする「明日のラウンドで即、実践! 横田英治の『スコアメイクのポイント』」。3回にわたってお送りしたアプローチはもちろん重要だが、基本のショットが不安定ではスコアメイクは難しい。今回はスイングの基礎を学ぼう。
グリップは「手のひらとひらを合わせる」
前回までのアプローチ編を終えて、ショット編に入ります。
ショットで大事なのは、アドレスをしっかり作ること。「いいアドレスが大切」とよく言われますが、裏を返すとそれだけ難しいのです。道具などを使って、いいアドレス作りのお手伝いをしていきたいと思います。
まずはグリップ。ストロンググリップ、ウィークグリップ、スクエアグリップといろいろある中で、僕が考える正しいグリップの条件はたった1つ、「手のひらとひらが合っている」。つまり、左手のひらと右手のひらが重なっているということです。
今は道具の性能などを考えると、ストロンググリップが流行りではありますが、別にウィークグリップでもいいですよ、手のひらとひらが合っていれば。
よくいるのが、左手はストロンググリップで握っているのに、右手は上からウィークに被せてしまう。これでは、ひらとひらは合っていません。
持ち方に関して言えば、ひらとひらを合わせて少し右に傾けて、この状態を変えずにグリップを握ってあげる。このストロンググリップが今の主流であり、かつ理想的だと思います。
拇指球に体重を乗せて構える
次は立ち方で、重要なのは足裏のどこに体重をかけるか。これに関しては道具を使います。メディシンボールという、重さのあるトレーニング器具があるのですが、今回はゴルフに特化し、取っ手のついたメディシンボールを使用しています。
練習場の打席は、写真のようにマットの角に段差がついていることが多いと思います。まず、マットの角から足の後ろ半分側、かかとが出るように立ちましょう。
このように、かかとを宙に浮かせた状態で立つことで、つま先寄りの拇指球で体重を感じることができます。この体勢のまま、メディシンボールを持って足踏みをしたり、ジャンプしたりして、拇指球に体重が乗る感覚をより実感してください。
拇指球に乗せた体重を、膝を少し曲げて上からしっかり押さえます。腕は重力に任せて、真下に垂らしたところでクラブを構える。これが、「いいアドレス」を作るための最初のポイントです。
拇指球ではなくかかとに体重が乗ると、重力に任せて腕を垂らした時に、自分のモモに当たってしまいます。それでどうするかというと、手を伸ばして体から離す。この時点でもう腕は力んでいるので、腕の力を抜いて構えるのは難しくなります。
自分では構えた姿勢は見えないので、私はメディシンボールを使ったりして教えるのですが、皆さんはこういう道具をなかなか持っていないと思います。なので、クラブを両手の指で引っかけるように持ち、同じような体勢を作ってあげましょう。
これでスイングをするための条件は1つクリアできました。
”枝”ではなく”幹”を動かそう
私は、ゴルフスイングを木の幹と枝の関係に例えて考えます。体が幹で、手とクラブは、幹から生えた枝です。
アマチュアゴルファーのほとんどは、幹があまり動かず、枝を振っていますが、そうではなくて、枝を幹で振ってあげる。となると、幹のコントロールが大事になってきます。
順番で言うと、①上手に足で立ち(拇指球体重です)、②そこに幹が乗り、③幹が動くことで枝を振る、という流れです。なので、球を打つ前に幹のトレーニング(ボディドリル)を紹介します。
幹のトレーニング自体はとても簡単です。
腕をクロスさせた状態でアイアンを水平に持ち、胸に当てます。そこから、メトロノームを使ったりしながらリズムよく、「1」で拇指球で地面を”つかむ”ように、体重を乗せる。「2」で幹(体)をねじる(テークバック)。「3」で一気に振る(フィニッシュ)。そして、フィニッシュの体勢のまま2秒数えます。
スタートの「1」で、自分の足で地面を”つかむ”のは、地球上でゴルフをやっている限りは重力でエネルギーを地面からもらわないと力が入らないから。「地面反力」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、大事なポイントです。
ボディドリルを繰り返し行うことで、幹の正しい動きが身につくのでぜひ取り組んでみてください。
球を打つ練習より地味でも効果的
先のボディドリルができるようになったら、枝を少しずつ使っていきます。まずは、肘を体に向け、少し枝を出した状態で「1」「2」「3」。これも第2ステップとして繰り返し行うようにしましょう。
そして第3ステップは、いよいよクラブを持ちます。これまでお話してきた「いいアドレス」を作ったら、同じように「1」「2」「3」。
このように、素振りを繰り返しながら幹から枝を少しずつ伸ばしていって、徐々に打てる体勢に仕上げていくことが、上達への近道になると思います。
ボールを打たない地味な練習ではありますが、効果は抜群です。
以前、私の生徒さんが香港に2ヶ月出張になり、「その間、ゴルフができないので部屋でできる練習を教えてください」と頼まれました。そこでアドバイスしたのが小さなアプローチの練習方法と、ショットに関しては「鏡の前でボディドリルをやってください」。そして、2ヶ月後に帰ってきた最初のラウンドでベストスコアが出たのです。
球をパカパカ打つ練習には、結果(ボールの行方)優先になりスイングに無駄な動きが出る弊害もあったりするのですが、このドリルは本当にシンプル、かつ理想的な動きが身につきます。寝る前やお風呂に入る前に、ちょっとボディドリルを数回やってみる癖をつけると、練習場に行くよりもより効果的な上達スピードを生むので、ぜひやってみてください。
(プロフィール)
横田英治(よこたえいじ)
1971年広島県生まれ。15歳でゴルフを始め、1996年プロテスト合格。これまで多くのゴルファーにレッスンを行い、岸部桃子プロは昨年、待望の初シードを獲得した。昨年6月1日、東関道・千葉北インターから500メートルという恵まれた立地に会員制ゴルフサロン「クラブハウス」をオープン。レクサスカード会員の皆様が入会の際には入会特典として「クラブハウス オウンネームゴルフボール1ダースをプレゼント。なお、横田プロ自身もレクサスユーザーで、RXを愛用している。
PRESENT
会員制ゴルフサロン「クラブハウス」の体験レッスンを希望される方3名(先着)に、スイング練習器具「TRI-ONE STICK(トライワンスティック)」をプレゼントします。クラブハウス(TEL043-441-5466 担当・小内氏)までご連絡下さい。
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