Lifestyle

横田英治のReturn to Basics
「悩んだら、基本に戻ろう」
VOL.6 パット編

パターマットで日々、家練に励むゴルファーも多いことでしょう。しかし、実戦ではパターマットにはない長い距離だったり、左右の曲がりや上り下りがある複雑なラインにも頻繁に遭遇します。そこで、ゴルフ場の練習グリーンでの過ごし方と、スコアメイクに直結する家練の方法を横田英治プロに教わりましょう。

スタート前の練習グリーンでの過ごし方とは?

みなさんがゴルフ場に来たとき、朝の練習グリーンでどれくらいの距離を打ちますか?私が観察していると、ワンピン前後という人が圧倒的に多いようです。
ただし、練習グリーンとはその日のグリーンのスピードを知る場所です。なので、パター練習を15分行うとしたら、最初の10分は15メートルのロングパットに費やしてください。カップは狙わなくていいので、人が少ないところを探して15メートルを行ったり来たりして打ちましょう。「行ったり来たり」というのが大事で、なぜかというと、上りと下りの練習ができるからです。

そして、残り5分は1メートル、ほぼOKの距離に使います。カップをグルグル回って、いろいろなラインから1メートルを打ってください。

この2つの練習を行うことで、プレーヤーは魔法というか暗示にかかります。たとえば、ワンピンの距離をずっと打ち続けていた人がティーオフしたとします。スタートホールからなかなかベタピンとはいきませんから、カップまで10メートルの距離に乗ることもあるでしょう。
そのときに思うのは「あ、長い」。さっきまでワンピンしかやっていなかったからです。ところが、15メートルのパターを繰り返しやっていた人は、10メートルに乗ったときに「あ、短い」と思うはずです。この違いが心理的に大事なのです。

10メートルまでいかないにしても、4~5メートルくらいにつくことは普通にありますよね。さっきまで15メートルを打っていた人なら、カップも見える距離だし、「なんとなく成功しそう」と思えるのに対し、その半分の距離をずっと打っていた人が1番ホールでこの状況になると、不安が芽生えてしまう。

ですから、こういう場面に備えて、必ず朝のスタート前の練習では長い距離を中心にボールを転がすことをよく覚えておいてください。そうすると、成功する確率を上げることができます。

朝のパター練習はまず、15メートルのロングパットを行ったり来たり繰り返し行う

「5メートル」「上り」「スライス」を練習しよう

ここからは、アマチュアゴルファーがパターのレベルを上げるためにやってほしい2つの練習を紹介します。

1つめはゴルフ場の練習グリーンで、ハーフターンやホールアウト後に利用が許されるのであれば、
(1)5メートル
(2)上り
(3)スライスライン
という状況を設定したうえでのパッティングです。

なぜかというと、スライスラインを打つとフォローで手の位置が体から離れにくくなります。②③の対極で下りのフックラインだと、左に行くのが嫌で押し出すように打つので、手が体から離れやすくなります。そうすると、インパクトが薄くなったり、ボールに余計な回転がかかったりするのです。

パッティンググリーンで、スタート前の他にも練習する機会があった場合には、上りの5メートルのスライスラインを探して延々と練習するうちに、「ぶ厚いインパクト」と「キレイな回転」というパッティングの技術を得やすくなります。

スライスラインを打つとフォローで手が体から離れず、しっかりしたインパクトになる。一方、フックラインだと手が体から離れ、弱いインパクトに

すぐにできる実戦で役立つ横田流テクニック「パッティングの家練」

パターヘッドを上から見ると、アライメントのラインが入っていて、トウ-ヒール方向(横)の芯があることがわかりますが、実は上下の方向(縦)にも芯があります。ところが、横方向の芯は意識しても、自分から見えない縦方向はイメージしにくかったりします。

実は、ボールの転がりに意外と影響を与えるのは、横の芯のズレよりも縦の芯のズレ。芯よりも上に当たると、ボールは引っかかりやすくなったりといったミスパットを招きます。
芯よりも下に当たった場合には、ミスにつながるケースは少ないのですが、アマチュアゴルファーは芯より上で打っている方がとても多いのです。

地面スレスレにヘッドを動かす。これがみなさんのパッティングのイメージではありませんか? ところがそのストロークでは、ボールの芯に対してヘッドの相当上の部分に当たっていることになります。

そこで私が考えた、パターヘッドの縦の芯で打つ練習です。いろいろ試してみた結果、単4電池を使ったストローク矯正法がベストでした。
やり方は、パターマットの上に単4電池を置き、ボールをその先にセット。そして、電池が触れるか触れないかギリギリの高さを通るようにボールを打ちます。単4電池の幅が、ちょうど芯に当たりやすい厚みなんです。
単4電池に当たらないように練習を繰り返すことで、上下の打点が整ってきます。

やってみるとわかると思いますが、当たった感触が全然違います。単4電池を置いた場合と置かずに打った場合の打感の違いを感じるくらいの練習ができると、パット巧者になれます。

最近のパターはマレット型が主流です。ピン型のようにネックがついていない分、重心が低く、できるだけ下に当てたいので、この練習はぜひやってほしいと思います。

単4電池の先にボールを置き、電池が触れるか触れないかギリギリの高さを通るようにボールを打つと、パターヘッドの芯でとらえられる
プロフィール

横田英治(よこたえいじ)

1971年広島県生まれ。15歳でゴルフを始め、1996年プロテスト合格。これまで多くのゴルファーにレッスンを行い、今季好調の岸部桃子プロも指導する。7月1日、東関道・千葉北インターから500メートルという恵まれた立地に会員制ゴルフサロン「クラブハウス」がオープン。
レクサスカード会員の皆様が入会の際には入会特典として「クラブハウス オウンネームゴルフボール1ダースをプレゼント。

協力:千葉夷隅ゴルフクラブ

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