SONYの革命
令和に再び “プレミアムブランド”として輝きを放つウォークマンが凄い
“ウォークマン®”というブランドが、再び輝きを放っているのをご存知だろうか。近年、アナログレコード、カセットテープ、使い捨てカメラ。これらを“エモい”と感じる若年層が流行させる例もあるが、ウォークマンの場合は少しばかり事情が異なる。ウォークマンを過去に押しやった新しいポータブルオーディオの波が、まさに“一周回って”グローバルに認められ、音楽とオーディオを愛するファンたちの聴覚を捉えて離さない。そんなオーディオブランドとして再びプレミアムなブランドとして再成長している。
Text: Masakazu Honda
Edit: Misa Yamaji (B.EAT)
iPod時代を乗り越えて音楽ファンの心を掴んだウォークマン
今回紹介するウォークマンは「NW-ZX707」というモデルだ。音楽ファンの心の奥に刺さる高い音楽性を伴う音質とポータビリティ(可搬性)をバランスさせた一台である。
2001年11月17日はポータブルオーディオにとって大きな転換が始まる日だった。「1,000曲の音楽をポケットに入れて持ち運ぶ」というキャッチコピーで初代iPodが登場したからだ。iPodの登場とそのあとに開始される音楽ダウンロードサービスのiTunes Storeは音楽業界の景色を大きく変えてしまった。
そしてiPodと音楽をネットからダウンロードして楽しむ時代が到来すると同時に、それまで世界中で愛され続けたウォークマンは存在を忘れられたかのように音楽カルチャーから遠い存在になっていった。
しかし、そんな世代交代を見事に果たしたはずのiPodも2015年7月に発売されたiPod touch (第6世代)を最後に、その役割を終えることになった。その間、音楽はダウンロード購入するコンテンツではなく、配信サービスで“流れてくる”ものになり、主役となるデバイスはスマートフォンにバトンタッチされたからだ。音楽業界のイノベーションを先導したApple社も”ダウンロード販売”から”ストリーミング“配信”へと軸足を移し、ポータブルオーディオは配信サービスとの相性がよいスマートフォンアプリで聴くことが当たり前になった。
あのApple社でさえ、ポータブルの音楽専用プレーヤー(業界用語ではDAP:Digital Audio Playerという)事業をやめてしまったのだから、iPodに駆逐されてしまったウォークマンには生き残る道がなさそうに思える。
ところが、2022年を最後にiPodの在庫がゼロになった一方で、ウォークマンは現在もグローバルで愛されつづけ、“音楽にこだわり、その表現を大切にする”人たちによって求められている。ブランドとして生き残った理由は、“音楽を楽しむためのベストなデバイス”を追求し、新しい時代に対応してきたからだ。
新しい時代の高音質ブランドに
時代を遡り1979年7月1日。
この日もまた、ポータブルオーディオにとって重要な日だった。いや、重要というよりも“生まれた日”といっていいだろう。この日、世界で初めて“ステレオ再生能力を持つ再生専用カセットテーププレーヤー”、すなわち初代ウォークマンが発売されたからだ。
ステレオ録音の音楽を、いつでも楽しめるようにしたウォークマンは、一度はiPodによって過去のブランドにされたかのように見えた。しかし今日、音楽ファン注目のブランドとなったのは、皮肉にもウォークマンを駆逐したiPodが市場から消え去った理由と同じだった。すなわちスマートフォンが普及し、さらに音楽はストリーミング配信で聴くことが主流にり、iPodシリーズをはじめ手軽なポータブル音楽プレーヤが失われ、結果的にスマートフォンが生き残ったからに他ならない。
実は、音楽ストリーミングを高音質に再生することは、実はとても技術的に難しい。この問題に取り組んできた海外メーカーは少なくなかったが、スマートフォンと同じように多様な音楽ストリーミングサービスに対応したうえで、さらに専用プレーヤーとして誰もが満足できる高音質を実現したのはウォークマンだった。
2019年のソニーNW-ZX500シリーズが口火となり、20万円を超える最上位モデルのNW-WM1AM2は、音楽ファンはもちろん“オーディオファイル”といわれる最上の音質を求める顧客までを納得する品質を成し得たのだ。
スマートフォンの時代、あえて持ち歩く価値のあるプレーヤー
音楽ストリーミングサービスの普及は、音楽をあらためて楽しむ消費者を大きく増やした。より密接に、より長い時間音楽と関わるようになったことで、“音楽を純粋に楽しみたい”人たちによる高音質製品への新たなニーズが掘り起こされたのだ。
このページで紹介している最新型ウォークマンNW-ZX707は、最上位モデルと同等のバランス接続出力を備え、またワイヤレス接続においても近年、普及が進みつつあるLDACという規格に対応。有線接続の高級イヤホンはもちろん、Bluetooth接続においても最高グレードの音質を提供してくれる。
最上位のNW-WM1AM2は、日常的に持ち歩くには少々大きく重いデバイスだが、NW-ZX707はそれに匹敵する音質と5インチの大型タッチパネルディスプレイによる快適な操作性を両立。アルミニウム製の質感が高い大型のボディを採用しながらも薄く仕上げ、高い可搬性を備えている。
もっとも、スペックそのものに意味があるわけではない。スマートフォンの時代に、あえてウォークマンを持ち歩く。その理由は、より心を動かす感動を高い音質から得ることができるからだ。大好きな音楽を大切に聴きたい。そんなこだわりを持つのであれば、ぜひ一度は試してみてほしい。
大好きな音楽をZX707聴くとき、あなたはこのブランドが40年以上にわたって愛されてきた理由を感じるに違いない。
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