社会人のマナー講座
お中元も進化している？プロに聞いた、知っておきたいマナーとおすすめ3選

上半期を締めくくる夏に、感謝の気持ちを込めて贈るギフト＝お中元

近年「虚礼廃止」の風潮もあり、お中元を送る習慣もだんだん少なくなってきている模様。けれど大切な人には、感謝の気持ちをスマートに伝えたいもので。まずはおさらいの意味を込めて、ギフトコンシェルジュ裏地桂子さんにお中元の基礎知識とマナーについて伺ってみました。

「お中元は、一年の上半期を締めくくる夏に、日頃の感謝の気持ちと挨拶の意味を込めて、目下の人から目上の方へ贈るのが一般的です。お取引先などの仕事関係の方へ贈る他に、習いごとの先生や親しい友人へ贈るのもいいでしょう。特にここ数年はコロナ禍ということもあり、直接会えない両親へ、帰省の代わりに贈る“帰省暮（きせいぼ）”という言葉も聞かれるようになりました」と、対面で会う機会が少なくなったからこそ、お中元を大切な方へのご挨拶に送るという習慣にあらためて目を向けてほしいと語ります。

「贈る時期は、地域で多少の違いがありますが、7月15日頃を目安にするといいかと思います。基本的に毎年贈るものですが、お中元を贈った際には、暮れのご挨拶としてお歳暮もお贈りするのがマナーですので、ご注意を」。

贈るギフトについて、アイテム選びの基準も気になるところ。

「夏のご挨拶ですから、見た目に涼しいアイテムや、季節を感じるものを選ぶと相手の印象にも残りやすいと思いますよ」と裏地さん。

「気を付けたいのは、例えばフルーツなどの生鮮食品を送るとき。生ものは、相手の都合に合わせて到着のタイミングを計るのが難しいもの。健康に気を遣って口にするものを制限している方もいるかもしれません。ですから、少量で食べ切れるものや、衛生品などの使い切れるものをお贈りするのが相手のコンディションを選ばず、おすすめです」と注意すべき点も教えてくれました。

「会社関係の方の場合は、ある程度の量が必要な場合もありますが、個人宅なら、少量で上質なものがいいと思います。ご予算もだいたい3,000円〜5,000円くらいを目安に考えるといいでしょう。今の時代は、大げさなものではなく、さりげなくセンスのいいものを送るほうがスマートです。毎年贈ることを考え、無理のない範囲で、相手の方のことを想ったアイテム選びを心がけましょう」。

ここでは、中でも贈ることの多いお取引先などの会社関係の方、両親、習いごとの先生や近しい友人、の3カテゴリーに分けて、裏地さんにおすすめのアイテムをセレクトしていただきました。

会社関係の方へは、個包装で配りやすい「umami nuts」の豆菓子を

会社関係の方に贈るおすすめアイテムとして裏地さんがセレクトしたのは、umami nutsの「 運un」。「人数がわからない場合も多いので、衛生面でも安心な個包装で数が多いものを。豆菓子がキャンディのように包まれたこちらは、見た目にもかわいらしく、どなたにも喜ばれると思います。今年新作のレモン味（※夏季限定。6月中旬発売予定）もおすすめです」。

東京・丸の内にあるumami nutsは、鹿児島で60年以上つづく豆菓子店・大阪屋製菓が手がけるプレミアム豆菓子店です。伝統的な技法を用いて、職人の手作業によってひとつひとつ手作りされた美味しい豆菓子を展開しています。今回ご紹介した「運un」は、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオの3種類をローストし、徳之島産黒糖を煮詰めてキャラメリゼしたもの。ナッツのアロマと黒糖の甘みのコラボレーションが絶妙です。

こだわりのつゆと素麺がセットになった「茅乃舎」の素麺ギフトは、両親へ

「お素麺だけでなく、つゆがセットになっているという点がポイントです。茹でるだけですぐ食べられるので、食事の用意の際の手間を減らせるというメリットが。茅乃舎なら、つゆのお味も間違いないですし、両親への“帰省暮”としてぴったりではないでしょうか」と裏地さん。

茅乃舎は、福岡の食品会社の老舗である久原本家が手がけるレストラン『御料理 茅乃舎』から生まれた、「茅乃舎だし」をはじめとする化学調味料や保存料無添加の調味料・食品を幅広く展開する人気ブランドです。

夏季限定で発売されるこちらのギフトセットは、創業300年の三輪山本で別誂えされた限定素麺を採用しており、心地よいつるつるとした喉ごしと「寒づくり」ならではのコシが魅力です。鰹節、焼きあご、鯖節、宗田節、昆布等のうまみを丁寧に引き出し、まろやかな醤油を合わせた「素麺つゆ」と、だし感が豊かな「茅乃舎だしつゆ」の2本セットなので、味わいの違いを楽しむことができます。

習いごとの先生や友人へは、ちょっと贅沢な「bamford」のハンド＆ボディソープを

「習いごとの先生や親しい友人へは、コロナ禍ということもあり、手を洗う機会も多い日々なので、ハンドソープの“ちょっといいもの”をおすすめします」と裏地さんがチョイスしたのが、英国発のbamfordのハンド＆ボディウォッシュ。「夏場はシャワーを浴びる頻度も増える時期ですから、ハンド＆ボディに使えるいい香りのソープなら、喜ばれること請け合いです」。

英国コッツウォルズ発祥のbamfordは、「肌につけるものは食べ物と同じくらい重要」という考えのもと、高品質なオーガニック植物を用いた成分を配合し、不要なパッケージを削減するなど、サステナブルな取り組みにも力を入れた化粧品を取り揃えています。ナチュラルで上質な香りも特徴で、香りや成分にこだわりのある方へ贈るのにぴったりのブランドです。

厳選したエッセンシャルオイルを配合した、マイルドな泡立ちが特徴のハンド＆ボディソープは、ゼラニウムの他に、ローズとジャスミンの香りの3種類で展開。オリジナルギフトボックス（550円/税込み）に入れて贈ることができます。熨斗を付ける場合は、伊勢丹 新宿店でのみ対応しています。

夏のご挨拶は、さり気なく、でもこだわりあふれるギフトを

日頃の感謝の気持ちを込めてお贈りするお中元。日常をほんの少し豊かにするような、華美過ぎず、かつ上質なものを選ぶのが成功の秘訣です。相手のことを考えて丁寧に選んだギフトなら、きっと気持ちも伝わるはず。お中元選びに迷ったら、ぜひ今回ご紹介したアイテムを贈ってみてください。