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LX600/LX700h
LEXUS LXの機能とメカニズムの改良、そして新開発ハイブリッドシステムを搭載した「LX700h」の登場で真価は極まる

アクティブ&ラグジュアリーの頂点に君臨するLEXUSのフラッグシップSUV「LX」が一部改良を受けて、初代から連綿と受け継がれる「世界中のどんな道でも楽に・上質に」のコンセプトを磨き上げてきた。さらに、新開発のハイブリッドシステムを搭載する歴代初の電動化モデル「LX700h」を追加して魅力を増し、今なお多様化しつづけるユーザーニーズに応える。

Text:Yohei Kageyama
Photo:Hidekazu Nagamoto / Masayuki Inoue / Lexus International

あらゆるシチュエーションで快適かつ上質な移動体験を提供

グローバル市場においては現行モデルで4代目を数える「LX」だが、「世界中のどんな道でも楽に・上質に」のコンセプトは1996年に北米で販売が始まった初代「LX450」から変わることはない。圧倒的な信頼性、耐久性、そして悪路走破性能をもとに、乗り心地や静粛性そして品質を磨き上げてきた歴代「LX」は、本格オフローダーとして、またプレミアムラグジュアリーSUVを代表する1台として世界50カ国以上(2024年10月時点)で羨望の眼差しを集めてきた。

初代「LX450」、1998年に登場した2代目の「LX470」は、ともに北米エリアを中心としたLEXUSネットワークの専売車種だった。当時はまだLEXUSの国内展開が始まっていなかったため、日本の道路で目にする機会は限られていたものの、海外、特に北米エリアではすでに高級SUVとしてのポジションが確立されていた。

待望の日本上陸は2015年9月14日から(発表は同年8月20日)。グローバルでは2007年から3代目にあたる「LX570」の導入が開始されていたが、ようやく国内でも「LX」を体験できることになった。本格オフローダーでありながら贅を尽くした内外装は大変な評判となり、瞬く間に引く手数多の人気モデルになったのは記憶に新しい。

2015年に日本で発売されたLEXUS「LX570」は内外装のラグジュアリー性、そして駆動力と制動力を自動制御するクロールコントロールによるハイレベルな悪路走破性を持ち合わせていた。

現行型となる4代目の「LX600」は、2021年10月14日にオンラインで発表されたのち、2022年1月12日に日本発売が開始され現在に至っている。

4代目となった「LX600」は、メッキ調加工による加飾を廃したフロントグリルをボディデザインとの一体感を高めたスピンドルボディ、フロントピラーを車両後方に引いたようなキャブバックワードのシルエットを採用。さらにはLEXUSラインアップで最大となる22インチ鍛造アルミホイール(※)を用意するなど、本格オフローダーの力強い走りを予感させながら都市の風景にも違和感なく溶け込む唯一無二のラグジュアリー感を表現している。

※「LX600 “EXECUTIVE”」に標準装備、「LX600」にオプション設定。

メカニズムも基本的な素性をすべて一新した。群を抜く高い信頼性、耐久性を保証する伝統のボディオンフレーム構造は踏襲しつつ、全面的に新設計されて強度と軽量化を両立。高い環境性能を実現した新開発の3.5L V6ツインターボエンジンは、10速ATとの組み合わせに進化しており、発進から追い越しまでシームレスでリニアな加速とダイレクトなドライビングフィールが堪能できる。

ボンネットフードを長く見せる現行型「LX」のボディデザインはLEXUS独自の走り味「Lexus Driving Signature」を予感させ、都会的なキャラクターを内包する。

コックピットには、ドライバーがより運転に集中できる新たな思想「Tazuna Concept」を導入。視線移動を極力減らすべくディスプレイを視線の下方30度以内に配置したうえ、前方の道路からヘッドアップディスプレイ、メーター、さらに12.3インチのタッチディスプレイまで視線移動がスムーズにつながるように配慮されている。また、スイッチ類はトグル式、プッシュ式、ダイヤル式を使い分けて直感的に操作できるのも美点だ。オフロードでの過酷な使用状況でもミスタッチを抑制し、確実な操作性に配慮されているのは本格オフローダーの素性を持ち合わせる所以だろう。

もちろん内装も、さすがフラッグシップと呼べる仕立てである。熟練のクラフトマンが細心の手作業で作り込むソフトパッドを随所に採用するとともに、アルミの加飾が全体の印象を引き締める。各シートは悪路走行でも確実にからだをホールド、特にフロントシートはドライバーのハンドルさばきを邪魔しない形状が採用され、ここにも本格オフローダーたる「LX」の真価がうかがえる。なお、シート配列は2列シートの4人乗りと5人乗りのほか、3列シートの7人乗りもラインアップされている。

ショーファードリブンとしての機能を盛り込まれた4人乗り仕様の「LX600 “EXECUTIVE”」には、電動オットマン(後左席)やリヤシートエンターテインメントシステムなどの快適装備が採用されている。

「LX」初のハイブリッドモデルも登場して選択肢が広がる

そんな「LX」は、2024年10月10日に初の一部改良を受けることが発表(発売時期は未発表)された。「指紋認証式プッシュスタートスイッチ」やマルチメディアシステムの進化、先進の安全運転支援システム「Lexus Safety System+」の機能拡充、さらにLEXUS独自の走り味「Lexus Driving Signature」の向上に伴うメカニズム関連の改良が実施されたが、特筆すべきはLXシリーズ初のパラレルハイブリッドシステムを搭載した「LX700h」が追加されたことだ。

「LX700h」に採用されたハイブリッドシステムは、従来のLEXUSラインアップに採用されているパラレルハイブリッドシステムをさらに進化させたもの。新たにオルタネータとスタータを組み込んで、万が一ハイブリッドシステムが停止した場合にもスタータでのエンジン始動が可能、またオルタネータで発電した電力をバッテリーに供給することでエンジンのみでの退避行動が可能になる画期的な構造を採用した。さらに退避行動中でも、トランスファーのLoレンジ、電動車高調整サスペンション(AHC:Active Height Control)、自動トラクション調整機構(A-TRAC:Active Traction Control)が作動可能。渡河性能もエンジン車同等の700mmを確保しており、電動化されても、本格オフローダーの性能にいささかの遜色もない仕様を実現している。

「LX700h」を含めた全グレードにラジエータサポート回りのボディ剛性強化が施され、またアダプティブバリアブルサスペンションシステム(AVS)の構造変更でなめらかな乗り心地を実現している。

「人と自然とモビリティの共生」を目指すLEXUSにとって、ラインアップ中で唯一電動化モデルがなかった「LX」だが、ようやく最新のハイブリッドシステム搭載車が加わった。シリーズ全体で実施された機能面の向上に加えて選択肢がさらに広がったのは朗報だ。ライフスタイルに寄り添うフラッグシップSUVとして、その魅力はさらに高まったといえる。豊かさを実感させる真のラグジュアリーSUV、これこそが「LX」の真価なのだ。

LEXUS LX600 7人乗り

・全長×全幅×全高:5,100×1,990×1,885[1,895]mm
・ホイールベース:2,850mm
・車両重量:2,590kg[2,600kg]※
・エンジン型式:V35A-FTS・V型6気筒ツインターボ
・エンジン総排気量:3,444cc
・エンジン最高出力:305kW(415PS)/5,200r.p.m.
・エンジン最大トルク:650N・m/2,000-3,600r.p.m.
・トランスミッション:10速AT
・駆動方式:4WD
・燃料・タンク容量:プレミアム・80L
・WLTCモード燃費:8.0km/L
・タイヤサイズ:265/55R20[265/50R22]
・車両価格(税込み):1,250万円
[]内は265/50R22タイヤ&鍛造アルミホイール(切削光輝+ブラック塗装)装着車。
※リヤシートエンターテインメントシステム装着車は10kg増加。

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