Car

Autumn 2024号 関連記事

RZ450e “version L” AWD/RZ300e “version L” FWD
LEXUS RZ450e、そしてRZ300eはラグジュアリーBEVの新たなマイルストーンに

カーボンニュートラル社会の実現が叫ばれてマーケットニーズが変わり始めている今、LEXUSも大きく変わろうとしている。そうした中でLEXUS初の電気自動車(BEV)専用モデルとして2023年3月に登場したRZ450e、そして同年11月に追加されたRZ300eに注目。ラグジュアリーBEVの特長を再確認した。

Text:Yohei Kageyama
Photo:Hidekazu Nagamoto / Lexus International

既存のガソリンモデルとは別次元の基本性能を実現したLEXUS RZ

LEXUS RZは2023年3月30日に登場したブランド初のBEV専用モデル。ラグジュアリー電動車の先駆けとして知られるLEXUSはこのRZを、2035年までにBEVブランドへ変革するための起点と位置づけて「BEVの新たな基準」とすべく開発した意欲作である。

BEV専用プラットフォーム(e-TNGA)の採用に加えて、重量物である駆動用のリチウムイオンバッテリーやモーターの理想的な配置、そして軽量かつ高剛性なボディと電動化技術により、基本性能の大幅な進化を実現しているのが大きな注目点。実用化に向けて今も開発が続けられている、旅客機の操縦桿のようなヨーク型ハンドルを採用するステアバイワイヤシステムも話題を呼んだ。

なだらかな稜線を描くルーフライン。そして横一文字のテールランプはシンプルで水平基調のリヤスタイルを強調する。写真はRZ450e。

発表当初、RZ450eは“version L”のみの設定で登場。フロントに最高出力150kW(203.9PS)、リヤに80kW(109PS)の駆動用モーターを搭載。そのパワーは、最新の電動化技術を活用した四輪駆動力システム「DIRECT4」を介して路面に伝えられる。

電気モーターのパワーユニットを精密にコントロールし、車輪速や加速度、舵角などのセンサー情報に基づいて、そのパワーを四輪に瞬時に伝達することで、発進時や直進加速時にはピッチングを抑えながらダイレクトな加速感が得られ、一方でコーナリング時にはステアリングホイール操作やトラクションに応じてトルクを配分することで自然な走りを実現している。

フロントをマクファーソンストラット式、リヤをトレーリングアーム式としたサスペンションも同様に、自然な姿勢変化を実現するためのシステムが組み込まれている。路面からの入力に応じて伸び側ストロークの減衰力を変化させる周波数感応アブソーバー「FRD II」をLEXUS車として初採用したほか、パフォーマンスダンパー装着モデルも用意されている。また、ラジエーターサポート部の補強やV字ブレースの追加など、走りに大きな影響を与えるボディの強化も行われた。

シート表皮にはバイオ素材を約30%使用したサステナブルなウルトラスエードが採用される。写真はRZ450eのウルトラスエード/グレースケール内装色。

一部改良とともに、シングルモーターのRZ300eも登場

RZ450eに搭載される駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は71.4kWh、インバーターには電力ロスの少ないSiC素子(シリコンカーバイド)を採用し、一充電走行距離は494kmと発表されている。

ボディサイズは全長4,805×全幅1,895×全高1,635mmで、RXよりもややコンパクトなくらい。エクステリアは、内燃機関を冷却する必要がないBEVならではの特性を活かしながら、LEXUSの新たなデザインの方向性とBEVらしさを追求した塊り感のある造形に。インテリアは素材や装飾による演出に頼らない機能的本質を追求したシンプルなしつらえの中に、上質さを感じられる空間を実現している。

RZ450eの標準装着タイヤは前235/50R20 後255/45R20だが、オプションの前235/60R18 後255/55R18とすることで一充電走行距離は494kmから534kmに伸びる。

2023年11月30日には、冷間時にCHAdeMO方式急速充電の速度を向上させる一部改良を実施。駆動用バッテリーを暖機させる電池急速昇温システムを採用するとともに、空調用ヒーターの発熱をバッテリーに伝達する経路を改良することで、外気温が低いときの急速充電時間の短縮を図っている。

この一部改良と同時に「RZ300e“version L”」が追加設定された。

RZ300eはシングルモーターを搭載した前輪駆動モデルで、フロントモーターパワー(150kW[203.9PS])も駆動用バッテリーの容量(71.4kWh)もRZ450eと同じスペックとしながらも、WLTCモードの一充電走行距離は約100km長い599km(※)を誇る。

RZ300eはシングルモーターなだけでなく、リヤのサスペンションメンバーを前輪駆動用に新規開発し、コイルスプリングやスタビライザー、ショックアブソーバーの設定も専用のセッティングとなっている。こうした最適化でRZ450eよりも100kg以上軽量な1,990kg(※)という車両重量を実現し、これを活かした走りは軽快かつリニアで、RZ450eの開発で掲げた走りのコンセプト“The Natural”を継承し、モーター駆動でありながらトルクの立ち上がりも感じられる自然な身のこなしをを叶えている。

※標準装備の18インチタイヤ装着時

FWDのRZ300e(手前)専用に開発されたリヤサスペンションメンバーはノイズや振動の抑制にも寄与し、乗り心地を向上させている。奥はRZ450e
LEXUS RZ450e“version L”AWD 主要諸元

・全長×全幅×全高:4,805×1,895×1,635mm
・ホイールベース:2,850mm
・車両重量:2,100kg[2,090kg]※
・フロントモーター:1XM・交流同期電動機
・フロントモーター最高出力:150kW(203.9PS)
・フロントモーター最大トルク:266N・m
・リヤモーター:1YM・交流同期電動機
・リヤモーター最高出力:80kW(109PS)
・リヤモーター最大トルク:169N・m
・駆動方式:電気式4WD
・バッテリー:リチウムイオン電池・71.4kWh
・WLTCモード一充電走行距離:494km[534km]
・タイヤサイズ:前235/50R20・後255/45R20
・車両価格(税込み):880万円
[]内は18インチタイヤ&アルミホイール装着車。
※パノラマルーフ装着車は10kg増加。

LEXUS RZ300e“version L”FWD 主要諸元

・全長×全幅×全高:4,805×1,895×1,635mm
・ホイールベース:2,850mm
・車両重量:1,990kg[2,000kg]※
・フロントモーター:1XM・交流同期電動機
・フロントモーター最高出力:150kW(203.9PS)
・フロントモーター最大トルク:266N・m
・駆動方式:FWD
・バッテリー:リチウムイオン電池・71.4kWh
・WLTCモード一充電走行距離:599km[530km]
・タイヤサイズ:235/60R18
・車両価格(税込み):820万円
[]内は20インチタイヤ&アルミホイール装着車。
※パノラマルーフ装着車は10kg増加。

【関連記事】
LEXUS、バッテリーEV専用モデル「RZ」にFWDモデル「RZ300e」を追加導入するとともに、一部改良を実施
RZ450e“version L”フォトシューティング@富山
LEXUS RZ450eのラグジュアリーさを押し上げたデザインと素材の選択。また公道での試乗で感じた“透明感”の正体とは。
レクサス RZ 450eが正式デビュー。同時にUX300eの一部改良、バッテリーEVオーナー専用サービス新設を発表
バッテリーEVオーナー専用サービス「LEXUS Electrified Program」を開始

Access to moment DIGITAL moment DIGITAL へのアクセス

認証後のMYページから、デジタルブック全文や、
レクサスカード会員さま限定コンテンツをご覧いただけます。

マイページ認証はこちら※本サービスのご利用は、個人カード会員さまとなります。

LEXUS CARD 法人会員さまの認証はこちら

Autumn 2024

レクサスカード会員のためのハイエンドマガジン「moment」のデジタルブック。
ワンランク上のライフスタイルをお届けします。