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RX500h“F SPORT Performance”
RX500h“F SPORT Performance”に投入された「レクサス電動化技術の進化版」とは

1998年に北米で誕生したラグジュアリークロスオーバーSUVのパイオニア「レクサス RX」は、累計販売台数約362万台を誇るレクサスの中核モデルである。全面刷新により5世代目へと進化、PHEVの導入や新開発ハイブリッドシステムの採用など注目点がとても多い。いくつかあるグレードの中でも、今回はトップグレードにあたるRX500h“F SPORT Performance”(RX500h“Fスポーツパフォーマンス”)に試乗した。(Motor Magazine2023年2月号より)

text:Tomomitsu Chiba
photo:Masayuki Inoue

5世代目のラインナップは、電動化モデルを中心とする

2022年11月18日に5代目にフルモデルチェンジしたレクサス RX。今回の新型は、2019年に発表した電動化ビジョン「Lexus Electrified(レクサス エレクトリファイド)」に基づいて、電動化技術を採用して基本性能を大幅に磨き、向上させたという。

RX500hに搭載されるエンジンは202kW(275ps)/460Nmを発生するT24A-FTS型の2.4L直4ターボとなる。

ラインナップは電動化モデルが中心である。トップモデルのRX500hは、2.4L直4ターボエンジンにパラレルハイブリッドシステムを組み合わせ、システム最高出力273kW(371ps)を発生している。0→100km/h加速は6.2秒だ。

もうひとつの電動化モデルがRX450h+である。こちらは、2.5L直4エンジンにシリーズパラレルプラグインハイブリッドシステムを組み合わせている。システム最高出力は227kW(309ps)、0→100km/h加速は6.5秒と公表されている。

純粋なガソリンエンジン車もあり、RX350は2.4L直4ターボエンジンを搭載、最高出力205kW(279ps)、最大トルク430Nmを発生する。またこのモデルには4WDだけでなくFFも用意され、0→100km/h加速は4WDモデルで7.6秒、FFモデルで7.9秒となる。

この3モデルすべてに試乗できたのだが、ここではレクサスラインナップで初めて設定されたスポーツグレード、RX500h“F SPORT Performance”(以下、RX500h)に試乗した印象を報告したい。

状況に応じて、前後の駆動力を緻密に変化させる「DIRECT4」

スリーサイズは全長4890×全幅1920×全高1700mmで、従来より幅が25mm広がった。ホイールベースも60mm延長され2850mmとなる。エクステリアデザインは、RZから採用された新世代レクサスを象徴する。それがこれまでとは違った雰囲気でとても新鮮である。ただBEV(電気自動車)のRZとは違い、RXは空気を取り入れてエンジンを冷却する必要があるため、フロントグリルを塞がれていない。

76kW(103ps)/169Nmを発生する高出力モーター「eAxle」をリアに搭載したDIRECT4は、緻密な制御を可能にする四輪駆動システムである。

運転席に座ると大画面のインフォメーションディスプレイが目に入ってくる。RXの持つ多種多彩な機能は、中央のここに集約されているためセンターコンソールまわりはとてもシンプルである。

走り出してすぐに「おっ」と言う声が出た。そして「う~ん」が続く。最初は「おっ、いいじゃん」であり、つぎは「う~ん、これは素晴らしい」という意味だ。

右足をアクセルペダルに軽く乗せるだけですっと動き、それがとてもスマートなのである。粗さはまったくない。さらに踏み込めば、そこからは気持ち良く加速していく。実に軽快なフットワークである。このあたりでは、リアに搭載している高出力モーター「eAxle(イーアクスル)」が主役で前面に出ている。

2.4L直4ターボエンジンが始動してからは、力強さがアドオンされる。エンジンとモーターの協調がとてもスムーズで直進安定性も高く好印象である。安定した走りは4WDシステム「DIRECT4(ダイレクトフォー)」が支えている。これが前後輪の駆動力配分を100:0~20:80で制御している。

もう少し詳細に書くと、発進時や加速時は60:40~40:60、ハンドルの切りはじめはフロント寄りとして70:30~50:50、コーナー脱出時はリア寄りの50:50~20:80に駆動力を配分する。これがスムーズな加速、意のまま感の強いコーナリングを味わわせてくれるのである。これに加えて、レクサスの後輪操舵技術「DRS=ダイナミックリアステアリング」効果による回頭性の良さにも感心した。

トランスミッションは6速ATを組み合わせる。もう少し多段化してもいいのではないかという思いもあるが、トルクコンバーターの代わりにクラッチを採用してモーターとトランスミッションの間に配置、状況に応じてエンジンとモーターを使い分けることで、先述のスマートさと力強さに寄与しているのだ。

新型RXはADAS(先進運転支援システム)も進化しているが、今回は残念ながら高速道路を走ることができず、確認はできなかった。これは次の機会に譲る。

■レクサス RX500h“F SPORT Performance” 主要諸元
・全長×全幅×全高:4890×1920×1700mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:2100kg
・エンジン:直4DOHCターボ+モーター
・総排気量:2393cc
・最高出力:202kW(275ps)/6000rpm
・最大トルク:460Nm/2000-3000rpm
・モーター最高出力:前64kW(87ps)、後76kW(103ps)
・モーター最大トルク:前292Nm、後169Nm
・トランスミッション:6速AT
・駆動方式:4WD
・燃料・タンク容量:プレミアム・65L
・WLTCモード燃費:14.4km/L
・タイヤサイズ:235/50R21
・車両価格(税込):900万円

新型レクサス RX、そのトップグレードでありスポーティ仕様のRX500h“F SPORT Performance”。
電気自動車RZで初めて採用されたデザインコンセプト「スピンドルボディ」を採用する。
76kW(103ps)/169Nmを発生する高出力モーター「eAxle」をリアに搭載したDIRECT4は、緻密な制御を可能にする四輪駆動システムである。
従来モデルよりホイールベースを60mm伸ばしたりトレッドを前15mm/後45mm拡大するなど、低重心でスポーティな印象を受ける。
RX500hに搭載されるエンジンは202kW(275ps)/460Nmを発生するT24A-FTS型の2.4L直4ターボとなる。
中央の大型ディスプレイに多くの機能を集約したことで、コクピットまわりのスイッチ類は少なくすっきりした印象に。
左右フロントシートのカップルディスタンスは従来より20mm拡大。低床化による乗降性向上も実現。
前後シートのカップルディスタンスは従来同様の980mmだが、フロントシートバックの薄型化で膝まわりのスペースを拡大している。
バックドアトリムを薄型化したことで荷室長を50mmも拡大、荷室の容量も標準時で612Lを確保している。
出典:Webモーターマガジン

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