Lifestyle

Tech Training Room
自宅でゴルフを科学する
Tech Training Roomのススメ

長引くステイホーム。ゴルファーにとってはもどかしい時期が続きますが、晴れてコースに出た日のために、着々と練習を積みたいという方も多いのではないでしょうか。ライバルに差を付けるために、自宅で質のよい練習ができたら……。現在はテクノロジーが進化し、プロゴルファーが練習するような本格的なマシンが一般ゴルファーも購入できるようになってきました。今回は最新機器を詳細にレポート。“自宅でラウンド”の夢を後押しします。

自宅に究極のゴルフ練習場を作る
Tech Training Roomとは

2022年もステイホームが続くと予想される中、それでもゴルフがしたいと思っている方は少なくないのではないでしょうか。経済産業省が発表する「第3次産業(サービス産業)活動指数」を見ても、フィットネスクラブなどスポーツ施設が軒並み落ち込む中、ゴルフ場、ゴルフ練習場は大幅に回復傾向にあります。コースならば密が回避できて運動にもなる、あるいはゴルフ練習場ならば混雑も避けられると考える方が多いのかもしれません。

そんな中、自宅でゴルフの練習ができたらどんなにいいだろうと、自宅に隠れ家のような練習部屋を作ってしまうゴルファーが増えています。自宅でこっそり練習し、状況が落ち着いたらコースに出て、ライバルたちを驚かせたいという方も。ゴルフ業界では昔から、自宅で腕を磨けるようにさまざまな練習アイテムが発売されており、もちろんそうしたアイテムも効果的ではあるのですが、今回ご紹介したいのは、最新のテクノロジー搭載のシミュレーターを導入したTech Training Roomです。

Tech Training Roomとは、ハイスピードカメラでスイングを分析し、飛距離や弾道分析をシミュレーターでチェック、スイングカタリストで体重の乗り方を見極めるなど、自分の現状を把握し、科学的データに基づきながら上達に向けて練習を重ねることができるという、いわばインドアゴルフ練習場のようなもの。テクノロジーの発達と機器の廉価化により、手が届きやすくなったというのはゴルファーにとってうれしいところかもしれません。

ゴルフ弾道測定機「SkyTrak」を販売する株式会社GPROの須藤康幸さんは、自宅ゴルフのブームについて「シミュレーションゴルフは元々韓国が発祥なのですが、日本で広く受け入れられています。一般的に、日本人は練習好きで真面目。きちんと練習を積んでからコースに出たいという方が多いのかもしれません。シミュレーターも、当初は色々なデータを数字で出すだけでしたが、そのデータもより実際に近い値を出すようになったり、弾道をグラフィックで見せたりと、テクノロジーがどんどん進化しています」と話します。

自宅にトレーニングルームがあるメリットは、単に練習ができるだけではありません。楽しくラウンドをしたいというエンジョイゴルフ派も満足できるしかけがあるため、たとえば友人と集まってゴルフコンペをしたり、家族3世代が集って腕を競ったりと、楽しみはさまざま。ゴルフは生涯スポーツと言われていますが、実際はゴルフ場に行くまでの車の運転が怖いという高齢の方や、暑さ寒さがからだにこたえるという方、足や腰を痛めてしまいラウンドがつらいという方にとっても、自宅にこうした設備があればゴルフを再び楽しむきっかけとなるのです。

また、会社の福利厚生として事務所にトレーニングルームを作ったり、飲食店の一部に導入したりする経営者も多いそう。
このように、導入のメリットは計り知れないものがあるといえます。

プロゴルファーの練習環境並み
最新のマシンを詳細レポート

それでは、最新の機器にはどのようなものがあるのでしょうか。有名プロが使っている弾道測定器はかなり高額で、一般のゴルファーには手が届きづらいもの。前述のゴルフ弾道測定器「SkyTrak」は、日本プロゴルフ協会(PGA)からも正式に推薦されており、PGAゴルフアカデミーでも使用されている本格的なマシンながら、手の届く価格帯なのが特徴です。

「SkyTrak」で自分の弾道の傾向を把握し、欠点や修正点を明確にすれば短期間でスコアアップも狙える

ゴルフ上達のためのポイントは人それぞれですが、大まかに言って「飛距離」と「スキル」のふたつが課題となることが多いといわれています。「SkyTrak」は、ショットに合わせてボールの写真を撮影、瞬時に分析したデータをアルゴリズムに組み込み、ボールが飛ぶ三大要素である「ボールスピード」「打出角度」「バックスピン」を測定します。3Dシミュレーションで出された弾道から、自身の癖や特徴、長所を知ることができるのです。全ショットの飛距離や弾道データを蓄積できるので、自分の傾向がわかるのもうれしいところ。従来のマシンだとボールのデータは計算値が出るのですが、「SkyTrak」はボールスピード、打出角度、バックスピンが実測値なので、よりリアルな状態を把握できます。

ソフトウェアに関しては、国内のゴルフ場20コースを収録。シチュエーションも、「練習場」「アプローチ」「ターゲット」を基本に、「ニアピン」「島モード」「コース(ストローク)」などが楽しめます。5000枚以上の実際の撮影データをもとに制作したリアルな3Dグラフィックなので、実際にゴルフ場に足を運んでいるような感覚に。
ちなみに本体は持ち運びができるので、家の中のトレーニングルームだけでなく、庭や練習場で使用することもできます。

「SkyTrak」に必要な機材は、どの程度の練習環境を求めるかによって異なりますが、手持ちのタブレット(iPad)に本体を接続して使う場合だと26万5,000円。シミュレーターに接続して使うモーションリプレーカメラを設置した場合は65万5,000円。プロジェクターや消音スクリーン、スタンスマットやゴルフネットを組み合わせた場合は115万3,000円。これに専用のPC BOXやブースクッションを組み合わせたフル装備は187万8,000円になります。これらはあくまで目安であり、必要に応じてカスタマイズすることが可能です。

消音スクリーン設置が理想だが、難しい場合はネットなどでも代用が可能

果たして本当に機器を使えばゴルフは上達するのでしょうか?
「数値を元に自分の状態を把握できるだけの知識が必要です。熱心なゴルファーの方ならさほど問題はないと思います」(GPRO須藤康幸さん)。データを自分なりに分析したり、対策を考えたりするのも楽しそうです。

トレーニングルームを設置するための条件と気を付けるべき点

それでは自宅でこのシステムを導入したい場合、ハード面でどのような制約があるのでしょうか。設置に必要なスペースは、幅3.0m×奥行5.5m×高さ2.85mと、ある程度の広さが求められます。特にネックとなるのは天井の高さ。スイングする方の身長やフォームによっては2.85m以下でも設置可能なものの、日本の一般的な家の天井高では足りないことが多いため、もっともスムーズなのは家を新築する際に専用のトレーニングルームも一緒に作ってしまうことだそうです。どうしても室内が難しい場合、大きなガレージや駐車スペースなどにネットを張って専用ブースを作るようなこともできるといいます。

もうひとつネックとなるのは騒音の問題です。ドライバーの金属音やスクリーンにボールが当たる音などは、人によってはうるさいと感じる場合があります。一般的な住宅街でこうした音を頻繁に出すのは気が引けてしまうもの。GPROは防音のプロフェッショナルである環境スペース株式会社とタッグを組み『自宅でGOLF』というサービスを提供しています。環境スペースは、楽器などを家で演奏したい人に向けた防音室や、コンサート会場の施工実績が豊富な会社で、特に一般住宅を得意としています。「自宅でゴルフをするときに最も気になるのはダフリ音と打撃音ですが、弊社の防音工事によって、ゴルフで発する音のエネルギーを、人間が騒音と認識しないレベルまで引き下げます」(環境スペース 川名賢さん)。『自宅でGOLF』のゴルフ室を作る際の費用の目安は、およそ1坪100〜120万円だそうです。

十分な天井高とスペースが必要だが、専用の部屋の作ることができれば毎日トレーニングを積むことができる

日本の住宅事情を考えたときに、どうしてもクリアしなければならない問題点はあるものの、やはり自宅でゴルフができるというのはゴルファーにとって大きな夢。基礎体力をつけてゴルフを一生涯楽しむためにも、トレーニングルームの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社GPRO

東京都台東区東上野5-1-8 上野富士ビル2F A
TEL:03-5827-4122
https://www.sky-trak.com/about.html
https://www.sky-trak.com/category/introduce/

環境スペース株式会社

東京都渋谷区恵比寿3-28-12 ATYビル3F
TEL:03-5795-1215
https://www.soundzone.jp/soundproof_lp/golf/
https://www.kankyospace.com

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