レクサスに乗って旅に出よう
パリで多くのセレブリティを魅了したデザートに出合える鎌倉「レガレヴ」
フランス料理のコース最後に登場する皿盛りのデザート(アシェット・デセール)。その美しさと複雑な味わいに心が浮き立つ方も多いのではないでしょうか。そんなアシェット・デセールをカウンターで楽しめる店が、1年半前に鎌倉に登場して話題を呼んでいます。パリで26年間パティシエとして活躍してきた佐藤亮太郎氏が、多くのセレブリティを虜にしてきたスフレをはじめとする出来立てデザートを提供。パリと時差のない味わいを求め、遠方からのゲストも絶え間なく訪れているのです。
Text:Misa Yamaji(B.EAT)
鎌倉で出合う、パリと時差のないドラマティックなデザート
人気の“レクサスへ乗って旅に出よう”シリーズの鎌倉編。今回は、パリのレストランのコース料理に登場するガストロノミックなアシェット・デセールを、現地と時差なく食べられる人気店をご紹介します。
鎌倉駅を目指してクルマを走らせたら、駅周辺の駐車場に愛車を停めて、御成町商店街を歩いて散策してみましょう。この風情ある商店街は、以前ご紹介したスペイン料理のアンチョアほか、個性的で美味しいお店が多く点在する魅力的な通りです。
駅から3分も歩くと、右側に見えてくるレンガ模様の建物。少し奥まった場所にあるのが今回の目指すお店「レガレヴ」です。
1年半前、鎌倉に自身のお店をオープンした「レガレヴ」のオーナーシェフ・佐藤亮太郎氏は、フランスで26年間パティシエとして活躍してきた人物。
洋菓子店の実家に生まれ、19歳で「ルコント」の門を叩きパティシエの道へ。23歳で渡仏した佐藤氏は、レストランパティシエとして腕を磨いていきます。「レストラン メゾン ブランシュ」ほかで経験をつみ、ミシュランガイド三ツ星レストラン「ギ・サボワ」でスーシェフパティシエを務めた経験を機に、ガストロノミーのデザートの世界にぐっと魅了されていきます。
そんな佐藤氏のパティシエとしての名声を高くしたのが、1766年創業のパリ最古のレストラン「ラペルーズ」のシェフ・パティシエ就任時にリニューアルしたスフレでした。もともとは、同店の看板だったスフレ。時代とともにいつの間にか消えてしまったデザートを、クラシックなレシピを活かしつつ時代に合うよう微調整し、オンメニュー。焼き立てのスフレに、オレンジ、キャラメル、バニラの熱いソースを注いで香りとコクをプラスした洒落た味わいは、ファッション業界の重鎮をはじめとする多くのセレブリティたちを魅了し、瞬く間に評判になったのです。
“出来立て”の美味しさを伝えたい
そんな佐藤氏が住み慣れたパリを離れ、鎌倉で店を出すことになったのはCOVID-19の影響でした。パリでの仕事が激減するなか、久しぶりに仕事で日本に帰国したときに友人から「鎌倉にこんな物件があるから店を出してみたら?」といわれて、訪れた鎌倉の雰囲気が気に入り開店を決意。自分のアイデンティティともいえる、ガストロノミックなレストランの最後のデザートのような、アシェット・デセールを売りにした店をオープンしたのです。
アシェット・デセールの真骨頂はなんといっても、目の前で作り上げる臨場感と作り立て、出来立ての香りや温度が楽しめることでしょう。店の奥のカウンター席からは、オーブンでみるみる膨らんでいくスフレの様子や、佐藤氏が果物やクリームを使って美しくデザートを盛り付けていく様子が見られます。
「アシェット・デセールという言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、皿盛りのデザートならではの美味しさを伝えたいんです。レストランのデザートを作りつづけてきた身からすると、出来立ての美味しさがあると思いますし、細やかな四季や自分の個性を織り込みやすいですね」と佐藤氏。
メニューは、パリで人気だった「左岸のスフレ」をはじめ、目の前で仕上げる「クレープシュゼット」など、フランス仕込みのクラシックな定番レシピと季節の皿盛りデザートが中心。本来レストランでしか食べることができない出来立てのフレッシュなデザートは、食材の組み合わせから生まれる折り重なる香りや、クッキーやクランチ、クリームなどのさまざまな食感などがより、ヴィヴィッドに伝わってきます。そこには単体のケーキやムースとは違う、複雑な料理のような奥行きのある世界が広がっているのです。
また、こちらの“季節のパフェ”も人気の一品。実は“パフェ”文化は日本独特のもの。フランスにはないデザートの形で、佐藤氏は最初グラスにアイスクリームやフルーツを重ねていくパフェを考えるのにとても苦労したそう。思考錯誤していくうちに、パフェの真骨頂はアイスクリームの美味しさにつきる、との結論に達したと教えてくれました。
例えば、“いちごとバラ”と名付けられたパフェ。このパフェの肝だという2種類のソルベはイチゴとバラで作られています。いちごのソルベは果肉とピュレをあわせてシンプルに。バラのほうは、ローズウォーターとペリエでソルベにするので、ごく軽く仕上がっています。底にはハイビスカスやりんご、オレンジなどを使用したハーブティのジュレを忍ばせてあり、縦にスプーンをいれて口に運ぶと、素材の持つ香りが幾重にも重なり、軽やかなのに非常にエレガントな印象です。
さらに、ヨーグルトのエスプーマや、パートフィロを4枚も重ね、間にフレッシュのミントをはさんで焼き上げたチュイルなどがよいアクセントとなり、最後まで飽きずに食べられます。これも、“出来立て”ならではの味わいでしょう。
また、店舗のショーケースでは、季節のタルトや、佐藤氏のご実家のレシピで作るカヌレ、ヴィエノワズリー系のパンやパイなど美味しそうなものがずらりと並びます。こちらはお土産に買って帰るのにぴったりのラインアップばかり。
「鎌倉はパリと雰囲気がとても似ているんです。ここには東京やN.Yのモードな世界とはちょっと違う、ゆっくりと時間が流れている気がします。ぜひ鎌倉時間に身を委ねて、アシェット・デセールを味わう時間を過ごしてくださいね」と、佐藤氏。
15種類揃う、ダマン・フレール社のフレーバーティから好みのものを選んで、作り立てのデザートとともに優雅な午後のひとときを過ごすのもおすすめです。
【DATA】
レガレヴ
住所:神奈川県鎌倉市御成町10-4
電話番号:0467-81-3719
アシェット・デセールを食べる場合、席の予約可
https://regalezvous.com/
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