LEXUSに乗って食べに行きたいグルメ旅(1)
鎌倉の隠れ家で味わう、モダン中国料理「イチリンハナレ」
緑の匂いがするさわやかな風。少しずつ眩しくなる日差し。5月は愛車に乗って、どこかへドライブをしたくなる季節です。今、ドライブの候補地としておすすめは断然鎌倉。理由は、ここ数年で都内からわざわざ食を目的に訪れたくなるレストランが続々登場しているから。今回ご紹介するのは、そんなお店の先駆けともいえる人気の中国料理店「イチリンハナレ」。オープンして5年経つ今も、週末は満席がつづく人気の秘密に迫りました。
Text/Misa Yamaji (B.EAT)
Photo/Hiroyuki Tamagawa
鳥のさえずりが響く、鎌倉の緑燃ゆる山あいの邸宅レストランへ
真っ青な空に、絵に描いたような一筋の白い雲。ドライブ日和の某日午前10時過ぎ、都内をクルマで脱出し、高速に乗って向かった先は鎌倉。高速を降りて窓を全開にし、力強い芽吹きの香りが混じった風に包まれながら緑濃くなった山里を走ると、鎌倉に来たという実感が湧きます。
市街地に入ったところで、目指すは鎌倉駅の西口側。この日の目的「イチリンハナレ」は、閑静な住宅街の中に佇む一軒家。こんな天気の良い日は、駅の西口側にある広い駐車場にクルマを停め、あえてレストランまで徒歩15分の道を歩くのがおすすめです。
駅からの道を歩いていくと、繁華街の線路を超えたところでフッと異次元に迷い込んだように静かな気配に包まれます。気がつけばクルマもほとんど通らない細い道になり、聞こえるのは時折鳴く鶯の声のみ。緑が美しい山を見あげながら、鶯に導かれるように角を曲がり、現れる広い竹垣の敷地に囲まれた邸宅が「イチリンハナレ」です。
初めて訪れた人は誰もが、この静かに佇む美しい家に驚くでしょう。ここは、かつて日本で外交官として働いていたフランス人夫妻が住んでいた場所でした。
ダイニングに入ると、目に飛び込んでくるインパクトのある長いコンクリートのカウンター。そこからは、かつての主が好んで植えたという日本在来の草花が美しい当時のままの庭を眺めることができます。築46年の日本建築の古民家のよさをできるだけ残し改築した店内には、歴史が積み重なって生まれた、落ち着きのある空気が流れています。
伝統料理を独自に再構築し、自由な発想で創る美しい中国料理
こちらで腕を振うのは、齋藤宏文シェフ。四川飯店で12年務めたのち、2013年築地の「東京チャイニーズ一凛」を開業し、その“離れ”として、2017年に鎌倉に「イチリンハナレ」をオープンさせました。
「鎌倉で料理をするようになって、日本料理的な季節感はすごく意識するようになりました。日本で中国料理をやる意味として、日本の食材の旬、走り、名残を重ね合わせて季節感を感じていただきたいです」と語る齋藤さん。
細やかな季節感を考えるにつれ、無理に鎌倉や神奈川などの地産にこだわることはしなくなったといいます。ピークを迎える旬の食材は香りもあり、うまみも強い。だから食材は全国からいいものを厳選して調達。それらを自由に独創的に組み合わせ、どこにもない料理に仕立てるのが「イチリンハナレ」の料理なのです。
そんな齋藤ワールドが炸裂する料理の数々は、どれも独創的で楽しいものばかり。その美しい見た目に従来の中国料理のイメージがくつがえるかもしれません。しかし、ただケレン味あふれるものではないのがこちらの美味の秘訣。その裏側にはしっかりと中華料理の技法や考えがあるのです。
例えばこの日の前菜「混ぜてください」。
ベースになっているのは、昔の中華料理の宴席でよく出されていた「中国風海鮮サラダ」です。ここでは、下田港であがった金目鯛をメインに据え、10種類近くの食材を美しく盛り合わせて。ヴィネガーでマリネした人参、黒酢でつけたガリなど、種類ごとに異なる下味をつけた野菜に、香り高い旬のハーブ、ライム、おこげにナッツ、生のきくらげなどを一緒に食べたときに、おいしく感じるよう繊細に考えられています。食べるときには躊躇せず、豪快に混ぜましょう。
咀嚼するごとに鮮烈な季節の食材の香りが次々に顔を出し、さまざまな食感が次々に生まれてきます。他の具材の大きさに合わせて、ワンタンの皮も小さくカットするなど、細やかな配慮も心にくい。馴染みのある料理が、季節を感じる洗練された味わいの一皿になっていました。
この日の魚で登場した「アオリイカと青紫蘇の炒め物」も、シェフの創造性がいかんなく発揮された一皿。アオリイカはシンプルに太白胡麻油と塩、最後に刻んだ大葉でさっと炒め、ゲソやイカスミ、わたはご飯と一緒に炊いてリゾットのように仕立てています。白いお皿の柄のように見えるのはイカ墨のソース。出来立てが運ばれてくると、大葉のいい香りが鼻腔をくすぐり、程よく火が入ったイカは、柔らかく、歯にあたるとそっと沈むような食感。アオリイカを余すことなく丸ごと美味しく食べてほしいという齋藤シェフの思いが伝わる料理です。
ゆっくりと流れる時間に身を任せ、ここだけの味を
中国料理を代表するご馳走「フカヒレ」にも齋藤さんの工夫が光ります。下処理をしたフカヒレを上湯でじっくりと煮込み、スープといただく料理が定番ですが、こちらのフカヒレはさにあらず。
なんと、少し歯応えを残して戻したフカヒレにスープを含ませ、両面を香ばしく焼き付けているのです。それをスープとオイスターソースを合わせた土鍋の中でさっと煮込み、香ばしさが漂う熱々の状態で提供。周りはカリッとしつつ、中はフカヒレ独特の歯触りを楽しめ、香ばしい香りがくるまれた餡がからみ、口のなかで優しくほどけていきます。
「香りも中華料理では大切な要素です。熱いものは熱く、冷たいものは冷たく。お客さまには最高の状態でお出ししたいですね。皆さん、遠いところから時間を掛けてお店に来てくださいます。ですから、皆さんが“美味しいね”、“楽しいね”と満足して帰っていただくのが一番です」と笑う齋藤さん。
鎌倉の土地ののどかさを感じる古民家で、美しく華やかな中国料理をいただけば、心も体もゆっくりとやわらぎ満ち足りた気持ちになるでしょう。
料理を通じて春の終わりと夏の始まりを感じた昼下がり。店を出て、ひときわ青い海を眺めながらドライブをしたら、日差しの中にも、すぐそこに来ている夏の気配を感じました。
イチリンハナレ
- 住所:
- 神奈川県鎌倉市扇ガ谷2-17-6
- TEL:
- 0467-84-7530
https://whaves.co.jp/ichirinhanare/
【コース】
- 平日ランチメニュー:
- 8,800円・16,500円 (税込み)
※土日祝日ランチは16,500円(ディナーメニュー)のみ。
- ディナー:
- 16,500円(税込み)
※サービス料10%が別途かかります。
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