LEXUSの世界観をアウトドアで体感する休日
RECAMP 富士スピードウェイで「LEXUS CAMP 2026」が今年も開催
2026年7月24日(金)~26日(日)、富士スピードウェイ内にあるRECAMP 富士スピードウェイを舞台に、昨年に引き続き「LEXUS CAMP 2026」が開催された。桑名、つくば、港南台、山下公園、金沢駅西、北大路の6つのLEXUS販売店が合同でつくり上げた、オーナーさま向けの3日間のキャンプイベントは、クルマと自然に触れる盛りだくさんな内容となった。その模様をお伝えする。
Text:Shigekazu Ohno(lefthands)
Photo:Takao Ota
興奮と静寂、そのどちらもがLEXUSならではのブランド体験だった
耳をつんざくようなエキゾーストノートが森の空気を震わせると、子どもたちが「あっ、来たよ」と叫んでフェンス際へ駆けていく。カーブを抜けて視界に現れたレーシングカーが、猛スピードで迫ってくる。そこは、森の中にあるレース観戦の特等席であった。
その数時間後の黄昏時。同じ場所には薪のはぜる音が響き、焚き火の煙がゆっくりと森へ溶けていた。頭上には、木々の梢に縁取られた星空が広がっている。昼の間、繰り広げられたレースの熱戦が嘘のように思えるほどの静けさだ。
相反するふたつの時間を一度に味わえる場所が、富士スピードウェイ内にあるRECAMP 富士スピードウェイである。2026年7月24日(金)~26日(日)、ここを舞台に、昨年に引き続き開催されたのが「LEXUS CAMP 2026」。レクサス桑名、レクサスつくば、レクサス港南台、レクサス山下公園、レクサス金沢駅西、レクサス北大路の6つの販売店が共同で企画・運営した、オーナーさま向けの3日間のキャンプイベントである。
今年掲げられたキーワードは「五感」「興奮と静寂」、そして「DISCOVER」。そこには、LEXUSに乗ることだけでは完結しない、さまざまな体験が待っていた。
6つのLEXUS販売店がつくる、ひとつの「LEXUS CAMP」
参加者がまだ到着する前の、初日の朝。キャンプサイトでは、約30名のLEXUS販売店スタッフが直前ミーティングを行っていた。
「一人で抱え込まないように。困ったことがあれば、そのための仲間なのだから、遠慮なく聞いてみてください。みんなで助け合いながら、そして楽しみながら、この3日間のイベントを必ず成功させましょう」
イベントの音頭取りであり、全体を取り仕切るレクサス桑名の寺本茂希氏が、集まったスタッフ一人ひとりの顔を見渡しながら声をかける。「はい」と元気のいい声が、運営本部内に響き渡る。士気は高い。
やがてミーティングが終わると、LEXUS販売店スタッフたちは一斉にそれぞれの持ち場へ。受付を整える人、キャンプサイトを確認する人、試乗プログラムの準備へ向かう人。所属する販売店は違っても、現場ではその境界を感じさせない。
2025年に始まったLEXUS販売店合同開催の「LEXUS CAMP」は、2026年で2回目を迎える。参加LEXUS販売店も2025年の4販売店から6販売店へと増えた。その背景には、「販売店連携の=WA=」を育みながら、オーナーさまとともに新しい体験価値をつくっていくという想いがあるのだという。
ほどなく、会場には全国各地のナンバープレートをつけたLEXUSが次々と姿を現す。車種のバラエティーも豊かで、「LEXUS車のパレードみたい。見ていて楽しいですね」とひと足先に着いていた参加者が笑いかける。誘導する販売店スタッフと、クルマの窓を開けて挨拶を交わす参加者。受付では「お久しぶりです」といった言葉とともに笑顔がこぼれる。初参加の家族の隣では、昨年も参加したオーナーさま同士が再会を喜んでいる。「LEXUS CAMP」の3日間が、和やかに、そしてにぎやかに動き始めた。
家を出た瞬間から始まる、おもてなし
もっとも、参加者にとって「LEXUS CAMP」は、キャンプサイトへ到着して初めて始まるわけではない。自宅を出発し、富士へ向かう。その道中からイベントの体験に変えるのが、今年も用意された「音声ARガイド」だ。
「今回は機能のみならず、ハードウェアそのものも一新されました。『ここがもっとこうなったらいい』という要望を、トヨタ自動車の開発担当者が全部反映してくれたのです」
寺本氏がそう説明する。今年は、参加車種ごとにコンテンツを切り替えられるようにし、新型ESの試乗車には専用の車種解説チャンネルも用意された。
しかし、この音声ガイドにはデジタル技術とは対照的な、アナログなこだわりも受け継がれている。声の主は、LEXUS販売店で実際に働くスタッフだ。寺本氏とともに現地を何度も走り、どの場所で、どんな景色が見え、どんなタイミングにどんな情報を届けるのかを実際に確かめながら、収録と編集を繰り返したという。
それがどんなものかを確かめるために、寺本氏とともにRECAMP 富士スピードウェイを出て、富士山へ向けてクルマを走らせれば、車両の位置、そして車窓の景色と呼応するように、絶妙なタイミングで音声ナビの声が聞こえてくる。内容は観光案内だけではない。LEXUSの開発ストーリーやクルマづくりの話題も織り交ぜられていて、実に興味深い。気づけば、あっという間に富士山五合目に着いていた。
今回、参加者たちは「音声ARガイド」を搭載した試乗用のBEV(電気自動車)、LEXUS RZ550eとLEXUS ES350eに乗って、7月3日(金)~9月10日(木)の期間でマイカー規制がかけられている富士スバルラインをドライブする機会にも恵まれた。期間中に通行できるのは、バス、タクシーといった業者や指定車両、許可車両などのほかに、マイカーではBEVとFCEV(燃料電池自動車)のみ。ここに、発案者である寺本氏の狙いがあった。
「富士山を正面に望みながら、普段なら混んでいるはずの道を“貸し切り感覚”で、すいすい走ることができるんです。BEVならではのスムーズな加速感も、下り坂での回生ブレーキも、存分に味わってもらえます。いいアイデアだと思いませんか」
そういって、寺本氏はにやりと笑った。
轟音から、薪のはぜる音へ
RECAMP 富士スピードウェイには、ほかのキャンプ場ではまず味わえない「音」がある。日中、森の向こう側から響いてくるのは、レーシングカーのエキゾーストノートだ。甲高いエンジン音が近づいてくると、子どもたちは歓声を上げて駆け出し、大人たちもコースへ目を向ける。
ところが、再びサイトへ視線を戻すと、流れている時間は驚くほど穏やかだ。タープの下で本を読む人。木陰の小径を愛犬と散歩する夫婦。コーヒーミルを回し、挽きたての豆に湯を注ぐ人。木々を渡る風に葉が揺れ、蝉の鳴き声や小鳥のさえずりが重なる。頬をなでる風。葉擦れの音。コーヒーの香り――。なんとも心地よい、森の休日である。
やがて夕方になると、サーキットの音はいつの間にか遠のき、森にはヒグラシの声が情緒豊かに響き始める。やがて、焚き火に火が点けられた。炎が揺れ、薪がパチパチとはぜる。煙と薪の匂いが漂い、その周りに参加者が一人、また一人と集まってくる。
「もう少し炙ったほうがおいしいよ」
マシュマロを火にかざす子どもたちに、LEXUS販売店スタッフが声をかける。そばでは犬がはしゃぎ、その姿を見て笑い声が上がる。
誰かが司会をしているわけでも、会話のテーマが決められているわけでもない。販売店スタッフも、手が空いたタイミングで焚き火の輪へ加わる。参加者と参加者、あるいは異なるLEXUS販売店から集まったスタッフたち。昼間には知らない者同士だった人たちが、今では同じ炎を囲んで和やかに言葉を交わしている。
昼間、森を震わせていたレーシングカーの轟音。夜、耳に届く薪のはぜる小さな音。「興奮と静寂」という今年のコンセプトが、もっとも鮮やかに、そして美しく表れていた時間だった。
走って、触れて、「DISCOVER」する
静かな時間だけが「LEXUS CAMP」ではない。キャンプサイトからクルマ移動で向かう富士スピードウェイのマルチパーパスドライビングコースでは、RZの運転をマニュアルシフトで楽しむためのeMTモードを備えたプロトタイプ車両による試乗プログラムが行われていた。
BEVなのに、クラッチペダルがある。シフトレバーを操作し、ドライバー自身で変速する。アクセル操作に合わせて、音まで変化する。
「ソフトウェアの力で、アクセルの感触や音、クラッチのつながり方まで自在に変えられるんです。クルマのキャラクターそのものをアップデートできる、そんな未来を体験していただきたいですね」
開発担当者が説明する。半信半疑の表情で乗り込んだ参加者が、コースを周回して戻ってくる。その表情は、乗る前とは明らかに違っている。驚きと喜びに、瞳がきらきら輝いているからだ。
場所をオフロードコースへ移せば、今度はLXやGXが待っていた。大きな車体を傾けながら豪快に岩場を越え、深い轍へタイヤを落とし込む。傾斜がきつくなるにつれ、車内からは一抹の不安とワクワクさせる興奮の入り混じった声が上がる。外でカメラを構えていた家族からも、「わあ、すごい」と歓声が上がる。ふだん、街をスマートに駆け抜けていたラグジュアリーSUVが、目の前では悪路をものともせずに走破するための道具として、その能力を見せつけているのだ。
また、同じオフロードコースでは、もうもうと土煙を上げながら森の中を縦横無尽に駆け回る四輪バギーROV(Recreational Off-highway Vehicleの同乗体験を実施。参加者たちは、熟練ドライバーによるエキサイティングなオフロードの走りを堪能した。一方、キャンプサイトでは、LEXUSが大切にするクラフトマンシップを体現するための金属研磨の体験会、さらにはU-BASE WORKSHOPも行われ、大人も子どもも、いつしか話すのも忘れて、目の前のものづくりに夢中になっていた。
参加者もスタッフも、一緒に汗をかきつつ走り、つくり、そして笑う。大人も子どもも瞳を輝かせて夢中になっている様子を、いつも傍で、誰よりも嬉しそうに見ていたのが、主催者側のリーダー役の寺本氏だった。
「また来年」が聞こえる場所へ
「よく聞かれるんですよ。いったいどんな理由やモチベーションがあって、毎年わざわざこんな大変なことをやるんですかって」
3日間、あちらの会場、こちらの会場と、文字どおり駆け回って指揮を執りつづけた寺本氏。そのエネルギーたるや、昨年をも凌ぐ勢いで、2日目の朝に行われた、富士スピードウェイの全長約4.5kmの国際レーシングコースを歩いて1周するという新企画「サンライズ サーキットウォーク体験」では、「自分は歩く代わりに、皆さまより先に走って行って、素に戻ったサーキットの写真を撮っていました」と言って、白い歯を見せて笑う。明らかに、常時トップギアに入ったままなのに、疲れた様子は微塵も見せない。
「元気ですね、ともよく言われます。実際、普段からじっとしているのが嫌で、ずっとからだを動かしていますね」
そもそも、一販売店の部長が、なぜこのイベントにここまでエネルギーと情熱を注げるのか?そう問うと、寺本氏は少し考えてから、こう答えた。
「きっと、せっかく出会った方たちとのご縁を切りたくないし、大切にしたいんです」
その言葉を象徴するような光景は、会場のあちらこちらにあった。再会を喜ぶレクサスオーナーさま同士。販売店スタッフの名前を呼び、笑顔で駆け寄る子どもたち。参加者が連れてきた犬たちも、鼻を突き合わせて嬉しそうに尻尾を振っている。そこへ初参加の人たちも加わり、新しい輪が生まれる。LEXUS販売店でクルマを買うことから始まった関係が、ショールームを飛び出し、ここ富士の森で花開いているのだ。
では、ほかの販売店スタッフは、今回のイベントへの参加をどう捉えているのだろうか。今回、初めて参加したレクサス山下公園のゼネラルマネージャー、白鳥慎也氏にも話を聞いた。
「当店は、お客さまにもっとLEXUSらしい体験を感じていただくにはどうすればよいか、ちょうど悩んでいたところだったので、今回のお話は、まさに渡りに船といった感じだったんです」
そう語る白鳥氏。お客さまに声がけをしてみると、2組に参加してもらえることになり、手応えを得たという。販売店スタッフには「やってみたい人はいますか」と声をかけ、手を挙げてもらう形で担当者を決めたのだそうだ。
「一緒に過ごして実感していますが、どうやらお客さまにも楽しんでいただけているようです。担当スタッフたちも、ふだん販売店で働くのとは全然違う環境で、他店のスタッフさんたちと協働するという貴重な体験を得て、『今後は自分たちでもこういった企画を考えてみたい』と言ってくれています。これからも、LEXUSならではの体験価値をご提供できるように、寺本さんからもっと学んでいきたいですね」
どうやら、寺本氏が蒔いた種は、ともに考え、ともに汗を流す仲間たちの共感を得て、確実に芽を出しているようだ。
LEXUSが紡ぐ、人の輪
そして迎えた最終日の朝。テントがたたまれ、チェアやテーブルが片付けられていく。3日間の生活道具が、再びLEXUSのラゲージへ収まっていく。
「また来年、会えたらいいですね」
そんな言葉が、あちらこちらから聞こえる。初日に知り合った家族同士が連絡先を交換する。その横で子どもたちが「また遊ぼうね」と手を振る。すべての荷物を積み終えたLEXUS車が、一台ずつキャンプサイトをあとにする。窓越しに手を振る参加者。それを見送るLEXUS販売店スタッフ。
2025年に始まった「LEXUS CAMP」は、2回目を数えた。参加販売店数も増え、プログラムも増えた。けれど、イベントが積み重ねているものは、それらの数字だけではない。
「せっかく出会った方たちとのご縁を切りたくないし、大切にしたいんです」
寺本氏の言葉が、今一度思い出される。LEXUSというクルマをきっかけに集まった人たちが、一年後には「また会えましたね」と再会を喜び合う。そして帰り際には、同じ言葉を交わす。
「また来年」
富士の森に、そんなふうに帰ってこられる場所が、少しずつ育っている。
