進化したカーケア専用ツールで洗車を楽しむ
これからの洗車は「洗う」ではなく「守る」。大切な愛車のための洗車新常識
洗車は、これまでの「擦って、拭いて、磨く」という苦労を伴う作業から、最新科学の力を使って新車の状態を「守る」ための技術へと進化していた。その新常識と新しいカーケア専用ツール、さらに、そこから派生して生まれた「洗車の楽しみ」を紹介する。
Text:Shigekazu Ohno(lefthands)
人の腕力ではなく、科学の力で美しさを保つ
かつて洗車とは、「擦って、拭いて、磨く」という一連の作業だった。時に炎天下で、時に手指が凍えるような寒さの下でホースを引き回し、あるいはバケツに重たい水を汲み、スポンジやブラシ、雑巾などで必死にクルマを擦った経験をおもちの方もいるのではないだろうか。
愛車を前に、多少の楽しさは感じつつも、洗車という行為自体は、貴重な休日に必要に駆られて行う“重労働”として記憶している人も少なくないはずだ。
しかし近年、その常識は大きく変わりつつある。
今カーケアの世界では、科学の進化に伴い、「いかに汚れを落とすか」よりも「いかに塗装へ負荷をかけないか」が重視されるようになった。キーとなるのは、カーケア専用ツールの著しい進化だ。
例えば、ディテールブラシ、ウォッシュミット、マイクロファイバークロス、グリッドガード付きバケツ、小型高圧洗浄機─。どれも、昔からあるものの進化形であり、見た目にも大きな差異はない。しかしこれらは、洗車を従来の“力任せの作業”から、“愛車を守るための技術”へと、大きく変貌を遂げさせるものなのだ。
かつて主流だったスポンジ洗車を例に挙げてみよう。近年、知られるようになったのは、そのデメリットの部分である。不適切な洗車方法では、汚れを絡め取ったままボディ表面を擦ることになり、スクラッチ(微細傷)が蓄積される。つまり、よかれと思って擦れば擦るほど、クルマに傷をつけることになる。
とりわけ、近年のクルマに施される光沢や透明感のある高品質塗装は、美しい反面、繊細な部分もある。LEXUSのように、光の映り込みまで計算された流麗なボディラインでは、わずかな洗車傷でさえ、艶感や陰影に影響が及ぼされかねない。
そこで重要視され始めたのが、“擦らない”という新思想である。
まずは、高圧洗浄機の水によって細かな砂や埃や汚れを浮かせたのち、泡によって優しく包み込み、柔らかなウォッシュミットで丁寧に洗い上げる。グリルやエンブレム周辺には専用のディテールブラシを用い、吸水性に優れたマイクロファイバークロスで水分を押さえるように拭き取る。ホイールも、従来のようにブラシでごしごし擦る代わりに専用のクリーナーを用い、化学反応によって汚れを浮かし、水で洗い流す。かつての洗車とは手順も考え方も大きく異なっている。
興味深いのは、こうした道具の進化が、単に“仕上がり”だけを変えたのではないという点だ。
従来の洗車は、どこか“消耗”の感覚を伴っていたのに対し、現在のカーケアは、愛車の状態を確認しながら、静かにコンディションを整える時間へと変わりつつある。ボディ表面のわずかな水弾き、塗装の艶、クロス越しに掌に伝わるなめらかさ─。そうした“美しいもの”に触れる感覚は、喩えると上質な革靴を手入れする時間や、お気に入りの腕時計を磨き、ゼンマイを巻く所作にもどこか似ていて、洗車をすると心もきれいになると感じられるから不思議だ。
そして今、この世界に魅了されるオーナーが少なくないという。
近年では、洗車用品専門ブランドも増えてきており、商品自体も先端科学を取り入れて、急速に進化している。もはやカーケアは、単なるメンテナンス用品の世界ではなく、“道具を選び、使いこなす楽しみ”を含めた新たな趣味へと成熟し始めているといっても過言ではないのだ。
例えば休日の朝、まだ街が動き出す前の静かで爽やかな時間。洗い終えたばかりの愛車が、光の中に静かにたたずむ─。LEXUSに乗るオーナーには、そんな姿を眺めて過ごすような、充足したひとときがあってもいいのではないか。
無論、昨今よくいわれるようになったタイパ(タイムパフォーマンス)のようなものを求めるなら、洗車場やガソリンスタンドで洗車に出せばいいだけの話である。品質を追求するなら、プロによるディテイリング施工という選択肢もあるだろう。しかし、自らの手で愛車に触れる時間には、それとは異なる豊かさと、プライスレスな体験がある。
もしも今乗っているLEXUSを、長く付き合う愛車に育てていきたいと願うならば、単に乗るだけでなく、進化したカーケア専用ツールを手に、自ら洗車をすることでクルマに“触れる”喜び、“整える”喜びもあるということを思い出していただけたら幸いだ。
※画像は一部イメージです。
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