交通安全を祈るドライブ旅へ
年が明けたら、初詣を兼ねて「交通安全」祈祷に行きたい千葉県と長野県の名刹
新しい年が明けたら、初詣を兼ねて「交通安全」祈祷を。おすすめしたいのは、御利益があると有名な千葉県・成田山新勝寺と長野県・蓼科山聖光寺。家族揃ってお参りする、新春ドライブを計画してみないか。
Text:Shigekazu Ohno(lefthands)
一年で一番ゆっくりのんびりできるのは、やっぱり年末年始の冬休み、かもしれない。でも、ただ家でゴロゴロしていてはもったいない。冬は寒いけれども、気持ちのよい晴天に恵まれることの多い季節。家族を乗せて、初詣を兼ねて、楽しい新春ドライブにでかけよう。
行き先としておすすめしたいのは、「交通安全」祈祷で有名な2つのお寺。いつから、どんな理由でそうなっているのか、歴史を含めた背景と、ついでに足を延ばしたい観光スポットとともにご紹介する。
1.千葉県・成田山新勝寺
関東で「交通安全」祈願のドライブに行くなら、千葉県・成田山新勝寺がおすすめ。都内からクルマで1〜2時間程度という“遠すぎず、近すぎず”の距離感もちょうどよく、ちょっとした日帰り旅行気分も味わえる。
この寺は、真言宗智山派の大本山のひとつに数えられる名門。弘法大師空海が敬刻開眼した不動明王の御尊像を御本尊として、940年(天慶3年)に開山された不動尊信仰の総府として知られている。1180年(治承4年)には、源頼朝が平家追討を祈願するために訪れた。
現代になっても、成田は空と陸の交通の要所となっていることもあり、いつの間にか「世の太平」だけでなく「交通安全」を願うドライバーたちを惹き寄せるように。近年は、クラシックカーラリーイベント「ラフェスタ ミッレミリア」(2025年より名称が「ラ フェスタ アウトゥンノ」に変更)の途中でレースの安全を祈願するために立ち寄るスポットにもなっている。
全国有数の広大な面積を誇る境内には、自然豊かな公園、書道美術館、仏教図書館といった施設があり、大人はもちろん、子ども連れでも楽しむことができる。高さ15メートルの総門や、国指定重要文化財の仁王門、1712年に建立された三重塔など、目を奪う壮麗な建造物も枚挙にいとまがない。
また、歌舞伎の花形、市川團十郎が江戸時代から代々参拝してきたのもこの寺。初代と二代目はともに、この寺を題材にした『成田山分身不動』という歌舞伎を演じるほど、深く帰依していた。境内では、七代目が奉納した石像や「三升の額堂」を見ることができるなど、歌舞伎ファンの聖地としての魅力も見逃せない。
(右)同じく七代目市川團十郎が奉納した「三升の額堂」。正面には本人の自筆になる「せつたい所」という看板が掲げられている。
お不動さまの御霊験に触れようと訪れる参詣者の数は、毎年1,000万人を超えるという。中でも有名で人気が高いのは「交通安全」祈祷。クルマで直接アクセス可能な交通安全祈祷殿では、30分おきに祈祷が行われているので、予約なしで訪れることができる。
「仏心で 握るハンドル 事故はなし」という標語を掲げるこの寺で祈祷を受け、お不動さまの御分身としての御守札をいただけば、きっと以降は穏やかな心で運転できるようになるはず。
成田山新勝寺
住所:千葉県成田市成田1
電話番号:0476-22-2111
車両祈願:平日:8時~16時、土曜日・日曜日・祝日:8時~17時
※30分おきに祈祷しています。
※各祈祷時間の5分前までにお申し込みください。
アクセス:東関東自動車道・成田I.C.から約20分
駐車場:あり
URL:https://www.naritasan.or.jp
立ち寄りたい観光スポット
成田山表参道
成田駅前と成田山新勝寺をつなぐ表参道は、長さがおよそ800メートル。江戸時代から門前町として栄え、名物の鰻料理店をはじめ、150以上の飲食店や土産店が軒を連ねる。日本遺産にも認定されている町並みで、江戸の風情を楽しみながらグルメ散策してみないか。
成田山表参道
住所:千葉県成田市上町周辺
URL:https://www.nrtk.jp/enjoy/attraction/omotesando.html
2.長野県・蓼科山聖光寺
東京からも名古屋からも、200キロメートル程度のドライブで辿り着けるのが長野県・蓼科山聖光寺だ。保養所やゲストハウスがあり、トヨタ自動車と関連の深い高原リゾートとして知られる蓼科だが、実は蓼科山聖光寺も、トヨタ自動車(当時 トヨタ自動車販売株式会社)がトヨタ自動車系列諸会社およびトヨタ自動車販売店協会などとともに、1970年(昭和45年)に創建したものであった。
「トヨタがつくったお寺」と聞いて驚く人も少なくないが、背景には昭和の時代、交通事故が大きな社会問題となっていた事実を挙げることができる。悲惨な交通事故を撲滅し、犠牲者の供養と、負傷者の社会復帰を祈願するために、この寺では本尊として中国・インドの交易路、天山南北路駅制のオアシス都市に祀られていた「救苦観世音菩薩」を奉祀。さらに、平安時代に藤原道長が造顕したと伝わる百躰観音の一躰を「一願成就」の願いとともに奉祀している。
これらの観音菩薩の開眼法要は、奈良薬師寺、故橋本凝胤長老によって執り行われ、薬師寺別院として開山。その後、ネパール請来の薬師如来坐像を前立仏として奉祀し、両脇侍として本山薬師寺に1,300年にわたって伝承する唯識教学の大成者、アサンガ(無著)ヴァスバンドゥ(世親)大士像も祀っている。
そうした成り立ちや由来もあり、この寺は今やトヨタ自動車関係者のみならず、すべての自動車に関係する人たちやモータースポーツ関係者たちにとっての聖地となっている。2019年からはメーカーの枠を越えて、交通事故死傷者ゼロを目指すためのフォーラム「タテシナ会議」を、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金の主催で、夏季大祭に合わせた時期に開催。交通安全のために「祈る」だけでなく「できる」ことの可能性を、さまざまな方向性で探っている。
そんな蓼科山聖光寺に来たら、交通安全を祈祷するだけでなく、乗ってきたクルマの安全を祈る「車両祈願」もしておきたいもの(*要事前電話申し込み/電話番号0266-67-2397)。交通安全お守りも、自分用、クルマ用、さらには鍵用などさまざまな種類があるので、ぜひチェックしてみよう。
蓼科山聖光寺
住所:長野県茅野市北山蓼科4035
お守り授与:9時~17時
車両祈願:10時~16時(所要時間約30分)
お申し込み電話番号:0266-67-2397
※車両祈願をご希望の方は、事前にお電話にてお申し込みください。
※当日のお申し込みは、ご対応できかねますので了承ください。
アクセス:中央自動車道・諏訪I.C.から約30分
駐車場:あり
URL:https://www.iweb.ne.jp/syokoji/index.php
立ち寄りたい観光スポット
蓼科湖
蓼科山聖光寺のすぐ近く(長野県道192号を挟んだ向かい)にある、森に囲まれた美しい山上湖。晴れた日には八ヶ岳を一望することができるほか、四季折々の高原の花たちが目を楽しませてくれる。湖畔の遊歩道をウォーキングするもよし、レンタルボートに乗ったり、釣りを楽しむことも。トイレ休憩には、道の駅ビーナスライン蓼科湖が便利。
蓼科湖(道の駅ビーナスライン蓼科湖)
住所:長野県茅野市北山4035-2906
電話番号:0266-67-2222(蓼科観光案内所)
営業時間:24時間営業(※トイレ・休憩所が使用可能です)
アクセス:中央自動車道・諏訪I.C.から約40分
駐車場:あり
URL:https://www.city.chino.lg.jp/site/chinomiryoku/299.html
※画像は一部イメージです。
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