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ロンドンの注目店
2024年、ガストロパブからレストランまで、今ロンドンで行くべき美食どころ3選

“イギリスの料理は美味しくない”という通説はひと昔前のこと。今ではさまざまなタイプの美食が楽しめる。最近美味しい店が増えてきたノッティングヒルエリアから2軒、メイフェアから1軒、筆者が行ってよかったレストランを3軒紹介する。比較的、直前でも予約が取りやすいガストロパブからレストランまでを紹介するので、ロンドンに行く際には参考にしてほしい。

Text:Misa Yamaji(B.EAT)

予約困難な三ツ星レストランに登場したバー「Whiskey & Seaweed」

カラフルな家が立ち並ぶノッティングヒルエリア。

ロンドンのノッティングヒルは、西ロンドンでも洗練された雰囲気が漂うエリアだ。映画「ノッティングヒルの恋人」でご存知の方も多いだろう。個人店やギャラリーが多く軒を連ね、土曜日にはポートベロー通りでアンティークのマーケットが開催される。ここ数年、感度の高い人びとが集まり、人気のレストランもが並ぶ界隈としても人気を博している。

シックなタウンハウスの1階に位置する「CORE by Clare Smyth」。バー「Whiskey & Seaweed」はこのレストランの中にある。

そんなノッティングヒルエリアに2018年にオープンした予約困難店が、英国人女性として初めてミシュランガイド三ツ星シェフとなったクレア・スミス氏が率いる「CORE by Clare Smyth」だ。

こちらのレストラン、非常に人気でかなり前から予約をしないとテーブルを確保するのは困難。旅行や出張の計画が直前に決まった場合、予約は残念ながら難しいかもしれない。けれど、そんなときに覚えておいてほしいのが、2023年11月に店舗内に新設されたバー「Whiskey & Seaweed」だ。

照明が落ちたシックな雰囲気の中、ゆっくりと飲むことができる。

ここで楽しめるのは、独創的なカクテルと、素晴らしいコレクションを誇るウイスキー、そしてスミス氏が作るガストロノミックなスナックだ。

店名の「Whiskey & Seaweed」と同じ名前のカクテルはこちらのシグネチャー。“バターウォッシュ”したウイスキーに昆布とアオサ、ブラックカルダモンなどで作られたカクテルは、ガストロノミックな料理の一皿を彷彿とさせるような複雑な味わい。

ウォッカにトマトコンソメ、フィノシェリー、レモンジュースを加えたブラッディ・メアリーを現代的に解釈したカクテルもまた、スープを飲んだような満足感がある。

左/手の込んだ小さな料理を1品ずつアラカルトで楽しめる。右/ブラッディ・メアリーを現代的に解釈したトマトのカクテル。

バーフードと思えない、ガストロノミックなスナックにも注目。

スミス氏のシグニチャーメニュー「Potato and Roe」も注文可能。小さな一皿はどれも美しく手が込んでいる。スナックだけでも今をときめく三ツ星シェフの世界を楽しむことができるだろう。

アペリティフをこちらで楽しんでから、次なるディナーの場所へ移動するという使い方もおすすめだ。バーも人気なので、予約は必須。事前にHPから予約をすることを忘れずに。

Whiskey & Seaweed(CORE by Clare Smyth内)

住所:92 Kensington Park Road, North Kensington, London W11 2PN, イギリス
電話番号:+44 20 3937 5086
URL:https://corebyclaresmyth.com/whiskeyandseaweed/

約130年前のパブが蘇った美食の聖地「The Pelican」

「Whiskey & Seaweed」でアペリティフを楽しんだあと、ノッティングヒルの街中を歩いて、ぜひ訪れてほしいのがガストロパブの「The Pelican」だ。

店の前には驚くほど人が集まっているので、通りに入れば、すぐにレストランの場所はわかるだろう。

入り口付近はビール片手におしゃべりに興じる人や、パブで楽しむために行列をする人などでごったがえしている。

この建物には、1世紀以上も前から近隣の人びとに愛されてきたパブがあった。そのパブが閉店になり、「The Pelican」に生まれ変わったのは2022年のこと。

古いパブに新しい息吹を吹き込み、現代のパブとして地域のコミュニティに根付かせる店作りをしている「パブリック ハウス グループ」により、人気のガストロパブに生まれ変わったのだ(ちなみに、パブとは、“パブリック ハウス”の略)。

「牛ハツとセロリアック」「リークとじゃがいものスープ」「バターヘッドレタス」「丸ごとヒラメ 1kg」など素材を活かしたシンプルな料理はどれも絶品。

彼らが大切にするのは、「パブは“地域コミュニティ”の礎であるべき」ということ。

入り口は、予約なしでビールなどを楽しむいわゆる“パブ”として地元の人びとでごったがえしているが、レストランはその奥にある。古いビクトリア様式の酒場をシックに改装したレストランは居心地も抜群だ。

イギリスの志ある生産者から食材を購入し、それらの食材を活かしたシンプルな料理を提供する。凝ったことはしていないが、豪快なヒラメの丸焼きや、柔らかいレタスのサラダを食べれば、繊細な味付けや火入れのクオリティーの高さに唸ること間違いないだろう。

人気店なので、こちらも事前に予約することを忘れずに。

The Pelican

住所:45 All Saints Road, Notting Hill , London W11 1HE, イギリス
電話番号:+44 20 4537 2880
URL:https://thepelicanw11.com/

メイフェアの一等地にある、ミシュランガイド一ツ星店「HIDE」

かつてロンドンに、指折りの予約が取れないレストラン「Dabbous」という店があった。
シェフを務めていたのは、オリー・ダバス氏。一躍イギリスのトップシェフの一人に躍り出た彼だが、「Dabbous」を2016年に突然クローズ。ロンドンのブティック・ワインリテーラー、ヘドニズム・ワインズとタッグを組んで2017年に「HIDE」をオープンさせ、話題となった。

いつの時間帯もにぎわう店内。

「HIDE」はグリーンパークを望む、ピカデリー通り沿いという、一等地に店を構える。重厚な木の扉を開けると、ガラス張りの開放的でエレガントな空間が広がる。
この店をおすすめする理由は、朝・昼・晩とさまざまなシチュエーションで、人気シェフの味を自由に楽しめるというところ。

鶏レバーのパルフェ いちじくとハイビスカスのチャツネ(ブリオッシュトースト付き)。

世界中の食材を使い、軽やかに仕上げた一皿は、イギリスでイノベーティブな料理を食べたいときにはぴったりだ。
コースもあるが、アラカルトも充実しているため、旅の合間に体調に合わせて無理なく今のイギリスフードシーンの最先端を味わえるのが嬉しい。ワインのラインアップももちろん充実している。
公園を眺めながらの朝食は特に人気。こちらも人気店なので訪れる前に予約は必須だ。

HIDE

住所:85 Piccadilly, Mayfair, London W1J 7NB, イギリス
電話番号:+44 20 3146 8666
URL: https://hide.co.uk/

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