アウトドアのすすめ
チェアリングにも非常食にも。
クルマに常備したいシェフ仕立てのドライフード
ドライブウェイを走行中に偶然見つけた、とっておきの景色を眺められる場所でチェアリングをしながら手軽に美味しいご飯が食べられたなら、そこは自分だけの最高のレストランになる・・・。そんな贅沢な望みを叶えてくれるのが、今、劇的に進化しているドライフードだ。ひと昔前までは単なる登山の携行食や、備蓄用の保存食であったが、レストランのシェフが目を向けたことによって“グルメ”へと進化した。クルマに常備しておけば、あとは鍋と水を用意するだけ。クルマのアクセサリーコンセントを使って簡単にレストランのような一皿ができてしまう。もちろん、もしものときにも備えてあると安心だ。そんなシェフ仕立てのグルメなドライフードのひとつ「マウンテン グルメ ラボ」を紹介しよう。
Text:Yusuke Kusui
Edit:Misa Yamaji(B.EAT)
ドライブ中に見つけたとっておきの場所をレストランに
静かな自然を堪能する。空気が澄み渡った季節だからこそ楽しめる冬ドライブの魅力だ。そんなドライブ中に偶然見つけたとっておきの眺めのいい場所で、景色を眺めながらゆっくりと過ごしたい。そしてもしそこに美味しい料理があったのなら、なんて贅沢な時間になるだろう。そう考えたことがある方もきっと多いはずだ。
そんな望みを叶えてくれるのが、今、劇的に進化しているドライフードだ。
ドライフードとは、お湯で戻して食べることができるものだ。保存がきき、お湯だけで作れるので備蓄用にストックしている方も多いだろう。テントを担いで登山などをする方には、軽くて携行しやすい食事としておなじみだ。制約が多い状況でも簡単に作ることができる食事として、カロリーや栄養面に気をつけられている一方、“味やバリエーションは?”と聞かれると、もう一歩だなと思われていた方も多かったに違いない。
そんなドライフードに、自然を愛するレストランのシェフが目を向け始め、最近少しずつ商品が増えてきた。レストランのシェフ仕立てのドライフード。そのひとつが2023年に誕生した「マウンテン グルメ ラボ」だ。
一度完成させた料理を再び乾燥。手間暇かけて作られる一皿
“山をレストランと見立てると、あんなに最高の景色を持つレストランはない。最高の景色に最高の料理を合わせると、どんな食体験ができるのだろう?”そんな妄想を抱いたブランディングエージェンシー「PARK Inc.」を営む三好拓朗氏と、東京・下北沢の人気料理店「namida」のオーナーシェフ・田嶋善文氏がタッグを組み、“運べるレストラン”を作ろうと始まったのが「MOUNTAIN GOURMET LAB.(マウンテン グルメ ラボ)」だ。
メニューは「香ばし海老のレモン麻婆飯(厚揚げ入り)」、「山椒七味香る豚汁雑炊」、「烏賊塩辛のクリームペンネ」と“こんなものが本当にお湯だけで美味しく作れるの?”と思ってしまうほど本格的なもの。まさにレストランなどのお店に行かないと食べられないようなメニューが並ぶ。
その中のひとつ「鶏と舞茸のシェリー煮込み(リゾット仕立て)」の作り方はこうだ。(※実際の商品の作り方は、こちらで紹介する試作段階時の作り方とは少々異なる)
上の写真の材料を見てまず注目したいのが、シェリー酒の量だ。たっぷりのシェリー酒や塩などの調味料を鶏肉や舞茸に染み込ませて具材を仕込み、オーブンで加熱する。こうすることでシェリー酒の酸味や香りをぐっと閉じ込めている。
ソースは、玉ねぎやセロリ、ニンジン、ガーリック、舞茸の軸を細かく刻んでじっくりと炒めて別に作り、そのソースもたっぷりのシェリー酒で香りづけし、最後に生クリームを入れて仕上げる。
そしてできあがった具とソースを乾燥機で乾燥させる。乾燥が完了したら、アルファ化させた玄米と古代米、ピンクペッパーとともにパッケージングしてようやく完成だ。
お湯で戻したときに香りが立ち上り、具とソースがうまく混ざり合うために別々で味付けを調整したり、一度完成させたあとに乾燥させたりと、いくつもの段階を踏む必要がある。なんとも手間暇のかかる作業である。
「乾燥させたものをお湯で戻したからといって、元の味に戻るわけではないんです。だからこそ戻したときにいかに美味しくなるか。そこが一番難しく、そして楽しく開発しがいがあるところです」と、ドライフードだからこその難しさを田嶋シェフは語る。
保存ができて簡単に持ち運べる、究極のレストラングルメ
元々、登山など自然が好きな三好氏と田嶋シェフではあるが、“実際に山に登ったときにどのような味わいのものが食べたくなるか”、そのインスピレーションを大切にするためにも、定期的に登山やトレイルを散策しながらメニューを開発しているという。
「鶏と舞茸のシェリー煮込み(リゾット仕立て)」は、北アルプスの山々の荒々しくもミネラル感あふれる大地を連想して作ったそうだ。
そして現在「マウンテン グルメ ラボ」には、和・洋・中・エスニックの7種類のミールメニューがラインアップされている。
人気メニューのひとつ「ラムと豆のトマトシチュー(ブルグル入り)」は、ラム肉とレンズ豆のトマトシチューにプラムの甘みをプラス。ブルグルというデュラム小麦のひき割りと一緒に食べることで、中東×アフリカン×フレンチが味わえるというおしゃれな一皿だ。こちらは、くじゅう連山の硫黄と岩が作り出す荒野のような風景を想って開発したという。
ドライフードの戻し方はどれも至極簡単。袋を開けて脱酸素剤を取り出したら、鍋に具材と規定量の水を入れるだけ。PHEVに乗っている読者なら、アクセサリーコンセントを活用するのも手だろう。コンセントに接続させたIHクッキングヒーターにのせて、水が沸騰したらスイッチを切り、フタをして15分待つだけで完成だ。(※一部の商品は、沸騰したあと、極弱火で4分ほど煮てから10分ほど待つものもある)
ドライブ中に見つけた自分だけのとっておきの場所で、その景色を見たり、音を聞いたり、風を感じながら本格的なレストランの一皿をいただく。これこそ、まさしく最高のグルメ体験になるはずだ。
また、こちらのフードは非常時用として常備するのもおすすめ。災害や突然の大雪での立ち往生など、もしものときにもシェフが作ったレストラン仕立ての料理が食べられるのは安心。消費期限も製造から1年ほどある。ただ車内は直射日光などで高温になる場所もあるので、保管場所には気をつけたい。
お問い合わせ:MOUNTAIN GOURMET LAB.
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