2024/11/20

世界の食ニュース
今知りたい、世界が注目するショコラティエ3選

年々、世界的に人気が高まっているクラフトチョコレートの世界。M.O.F.ショコラティエから若手まで、今注目されている世界的なショコラティエのチョコレートはホリデーシーズンのギフトにぴったり。今回は、知っておきたい3人の世界的ショコラティエを紹介する。

Text：Ayumi Ichikawa
Edit：Misa Yamaji（B.EAT）

今、チョコレートは新たな時代を迎えている。原材料のカカオに注目し、その個性的な風味を最大限に引き出し、宝石のようなチョコレートへと昇華させるブランドが生まれているのだ。

また老舗ブランドも伝統を継承しながら、現代の嗜好に合わせた商品を展開。有名ショコラトリーからは新世代のショコラティエが登場し、革新的なチョコレートを作り出している。

この記事では、2024年から2025年に注目すべき世界のショコラティエ３人、職人たちの卓越した技術や感性から生まれる逸品を紹介しよう。

ニコラ・クロワゾー
ラ・メゾン・デュ・ショコラ

パリの高級チョコレート店といえば、真っ先に名前が挙がるのが「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」だろう。1977年に創業したこの老舗チョコレート専門店を、2012年から率いているのがシェフ・パティシエ・ショコラティエのニコラ・クロワゾーだ。彼は創業者ロベール・ランクスに才能を認められ、フランスの最高栄誉であるM.O.F.（国家最優秀職人章）を取得した優れたチョコレート職人である。

パリ風の、薄くチョコレートがコーティングされたボンボン・ドゥ・ショコラ（一粒チョコレート）のルーツは、このメゾンにある。創業以来受け継がれてきた伝統的なショコラのレシピを守りながら、革新的なアプローチで時代にあったチョコレートを展開し、長年のファンを魅了しつづけ、新たなファン層も獲得している。フランスのアトリエでは職人たちが、一つひとつ丁寧にチョコレートを手作りしている。

日本には1998年に上陸し、全国のブティックでパリから直輸入されたチョコレートを楽しむことができる。

フランボワーズのガナッシュ「サルバドール」、レモンのガナッシュ「アンダルシア」、アーモンドとヘーゼルナッツのプラリネ「ロシェレ」や「ロシェノワール」など、名品が詰まったコフレは、いつまでも愛されつづける永遠の定番。

上品なショコラカラーのボックスにはリボンがかけられ、手に取った瞬間から心がときめくような美しさだ。

URL：https://www.lamaisonduchocolat.com/ja_jp

ジャド・ジュナン

パリでは、新世代のチョコレート職人が活躍している。パリの有名ショコラティエであるジャック・ジュナンの娘、ジャド・ジュナンもそのひとり。2022年に自身の世界観を反映した新しいブランドを設立し、瞬く間に注目店に。ショップはパリの中心、オペラ大通り沿いにあり、ジュエリーショップと見紛うほどの美しさだ。店内の奥には広いアトリエがあり、丁寧にチョコレートが作られている。

ジャド・ジュナンは1992年生まれで、もともと弁護士としての道を歩んでいたが、父の元で修行をし、のちに自身のブランドを立ち上げた人物。父のスタイルを尊重しながらも個性あるチョコレートを生み出している。

ピラミッドのような美しい形の「ピラミドン」は、ゴールドのパッケージ（缶）にきれいに整列している。中にはスパイスやガナッシュ、プラリネなどさまざま。定番だけではなく新作もある。今年は、「麦芽のクランチープラリネ」やシナモンの余韻が広がる「シナモン＆アーモンドプラリネ」など、スパイスやハーブなどを合わせたショコラが登場。パリの輝きがショコラに息づいている。

※バレンタインシーズンにのみ、髙島屋のバレンタイン催事「アムール・デュ・ショコラ」、髙島屋のオンラインストアで購入可。

URL：https://www.jadegenin.fr/

アラン・デュカス
ル・ショコラ・アラン・デュカス東京工房

アラン・デュカス（右）、パトリック・パイエー（左） ©Yusuke Kagayama

フランス料理界の巨匠として知られるアラン・デュカスは、世界的に名高いフランス料理のシェフであり、ショコラティエでもあるのをご存じだろうか。2013年、デュカスはパリに「Le Chocolat Alain Ducasse Manufacture à Paris」をオープン。カカオ豆から品質の高いチョコレートを作る専門店を立ち上げたのだ。

アラン・デュカスは、常にパリ工房のシェフ・ショコラティエとともに、世界各地から厳選したカカオをテイスティングし、素材、製造方法、味わい、製品化に至るまで意見交換を行い、試食を重ねたうえで納得のいくチョコレートだけを提供。

2018年には、東京・日本橋に「ル・ショコラ・アラン・デュカス東京工房」がオープン。ここではパリで作られたチョコレートを使用し、シェフ・ショコラティエのパトリック・パイエーとともに、パリと同等のクオリティーを守りつつ、多彩な製品を生み出している。

産地別のタブレット（板チョコレート）のクオリティーが非常に高いが、自社で製造したチョコレートを使ったボンボンショコラのセットも魅力的。ピスタチオやヘーゼルナッツなどを使った「プラリネ・ア・ランシエンヌ」、フランボワーズやライムなどのフルーツの風味を最大限に引き出した「ガナッシュ・グルマンド」の3タイプ全16種類。さまざまなサイズの詰め合わせがある。

URL：https://lechocolat-alainducasse.jp/