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忙しい女将を癒してくれる“優しいクルマ”
私がLEXUSに乗る理由〜個性派オーナーが語る「LEXUSのあるライフスタイル」/LEXUS NX200t×久保真帆氏

LEXUSに乗る人のライフスタイル、クルマへの想いを紹介する本連載。今回は、LEXUS NX200tに乗る群馬県・谷川温泉「別邸 仙寿庵」の女将、久保真帆氏を訪ね、話を聞いた。

Text:Shigekazu Ohno(lefthands)
Photo:Takao Ota

世界に名の知られた名宿の女将という生き方

群馬県水上温泉郷のひとつ、谷川温泉。標高1977メートルの名峰、谷川岳に見守られるかのようにひっそりとたたずむ温泉郷は、江戸時代から多くの湯治客を引き寄せてきた。今日も、都心から200キロメートル圏内という好アクセス性もあり、ドライブ旅の魅力あふれる目的地として人気を誇っている。

「別邸 仙寿庵」の客室露天風呂の一例。大浴場に加えて、全客室に露天風呂を付けた先駆け的存在としても知られる。源泉100パーセントかけ流しの湯は肌に優しい低張性弱アルカリ性温泉。

今回訪れた「別邸 仙寿庵」は、そんな谷川温泉の奥座敷とでもいうような、さらに山間の場所にある。到着してクルマを降りると、聞こえてくるのは心を落ち着かせるせせらぎの音と、小鳥のさえずりだけ。苔むした山門と、水の流れる立派な庭園は純和風であるが、旅館の建物には鉄やガラス、コンクリートといった素材もさりげなくミックスして用いられており、中に広がる空間は実にモダンかつ洗練されている。それもそのはず、この宿はフランスを発祥とする世界の名門ホテルやレストランが加盟する「ルレ・エ・シャトー」の栄えあるメンバーでもあるのだ。

中庭の眺めを取り込むかのような、ガラス張りの曲面廊下。天井高が8メートルもある、まるで美術館のような空間にたたずむ、女将の久保真帆氏。
露天風呂・サウナ・テラス付和室A。館内には和洋室さまざまなタイプの部屋が18室ある。

「ルレ・エ・シャトーのメンバーとしてふさわしい品質を保つために、宿には2年に一度、予告のない“お忍び”の査察が訪れるんですよ」

そういって笑うのは、女将の久保真帆氏。三代目当主である夫、久保英弘氏のもとに嫁いでから早8年。今ではすっかり宿の顔として采配を振り、リピーター客から笑顔で声をかけられる存在になっている。

「別邸 仙寿庵」女将の久保真帆氏。

「私自身、まだわからないことも多くて、ただ一生懸命にやっているだけなのですが」と謙遜しながらも、世界に名の通った名門宿の女将としての矜持が、言葉の端々に見え隠れする。

「査察では、テーブルの縁の小さな傷から設備に至るまで、『このあたりは、そろそろ交換したり修繕したいな』と気になっていた部分を、ものの見事に指摘されてしまいます。忙しくて、なかなか手を付けられていなかったところも『いついつまでに修繕します』と報告しなくてはいけませんから、大変なんです。でもそんな具合に、うちだけではない、世界中の加盟店のクオリティーが保たれているのだと思うと、身が引き締まると同時に、もっと日頃の注意や手入れを行き届かせなくては、と思わされます。日々、反省と課題を考えることの繰り返しですね」

お食事処の天井に穿たれたトップライト。日本の伝統的な建築手法や素材と、モダンな意匠を組み合わせた建物は、建築学会賞も受賞している。

実際、宿の経営という仕事には終わりもなければ完全なオフの時間もないという。

「正直、考えること、やることが多くて、きりがありません。素で考えると、この先も本当にやりつづけられるのかなと自問してしまうこともあります。でも、ここまで主人の家で守り育ててきた大切な宿ですし、大事に思って通ってくださるお客さまもいらっしゃるのですから、その責任から目を逸らすことはできません」

LEXUSは単なる乗り物を超えた存在

別邸 仙寿庵の歩みを、先代の頃から陰で支えてきた存在がある。それがLEXUSだ。

「LEXUSというブランドが誕生して以来、先代はずっとLEXUSだけに乗りつづけてきました。おのずと、久保家のクルマはLEXUSということになりました」と女将は語る。

久保氏が運転するLEXUS NX200t。

日本文化を守り伝えるという側面ももつ旅館業に従事し、さらに世界にも名の通った高級宿を経営する立場にあって、国産車の最上級モデルに乗ることは必然の選択だったというのが、久保氏の理解であり、説明であった。

「先代は昔からクルマ好きですから、LEXUSに乗ることがモチベーションにもなっているのだと思います。そして一度決めたら、乗り換えるときもずっとLEXUS。本当に一途なんです」

久保氏が口にした「一途」という言葉は、長く同じ場所で同じ宿を守りつづける家業とも重なっているように思えた。

案内してもらった一家のガレージには、先代が乗るLSと新旧2台のNX、計3台のLEXUSが並んでいた。久保氏の愛車は前の型のNX200tだ。「山道での取り回しが利くし、長距離運転でも安心感があります。私にちょうどいいサイズ感も気に入っています」。

ガレージ前に並んだ3台のLEXUS。NX200tででかけようとする久保氏に、三代目当主の夫が声をかける。

ハンドルを握る時間の向こうにあるもの

女将である以外に妻であり、1児の母でもあるという多忙な日々の中で、久保氏には素の自分に戻れる貴重な時間として大切にしているものがあるという。それが、愛車のLEXUS NX200tを運転する時間だ。

「ここは山奥ですから、どこへ行くにも時間がかかるんです。高崎までの道のりも、1時間くらいかかりますから」

着物姿で愛車を走らせる久保氏。このときは久しぶりに東京から訪ねてくる友人を、プライベートの時間を使って駅まで迎えに行った。
旧友との久しぶりの再会を喜ぶ久保氏。車内の会話も弾んだことだろう。
愛車を停め、友人を案内する久保氏。心なしか、足取りも弾んで見える。

そうした移動時間を、久保氏は苦にするどころか、素の自分に戻れるやすらぎの時間として大切にしている。

「ハンドルを握ると、頭の中がごちゃごちゃしていても不思議と落ち着くんです。好きな音楽をかけると、よりリラックスできます。勉強のためには、研修を受けたときの録音を聴いたりもします。クルマの中はひとりになれる貴重な場所で、そこで過ごす時間は素の自分に戻れる貴重な息抜きにもなっているんです」

落ち着いた深い色合いのレザーシートが、久保氏のお気に入りだという。
LEXUS NX200tの上質なインテリア空間に、着物姿が映える。
※車両停車中に撮影した画像のため、シートベルトは着用していません。

宿の外にでるための移動時間が、久保氏には思考を整えるための意味のある“余白”にもなっているのだ。

「実は、仕事の合間に華道や書道、茶道、しつらえを習いに行っているんです。もちろん、女将として必要な心得としての習いごととはいえ、新たな出会いや発見、学びもあって、気晴らしや楽しみにもなっています。旅館業には完全なオンとオフの切り替えなどないのですが、自分の心もち次第と思って、うまく折り合いをつけるようにしています。いずれにしても、自分のクルマに乗ってハンドルを握る時間は、いいリフレッシュになっています」

女将としての喜びと矜持

女将の仕事は、宿の中でほとんどが完結する。宿にいてお客さまをお迎えし、もてなし、見送るという毎日。久保氏に、そうした日々におけるやりがいを尋ねると、迷いなく答えが返ってきた。

「一番嬉しいのは、お客さまを最後にお見送りする瞬間ですね」

玄関先で、出発するクルマがゆっくりと動き出す。そんなときのことだ。

「窓が開いて『来てよかったよ』と言ってくださったり、振り返って手を振ってくださることがあるんです。そんなときは、やっていてよかったなと、喜びを噛み締める思いがありますね」

もうひとつのやりがいとなっているのは、従業員の存在だ。

「従業員が少しでも楽しそうに、張り合いをもって働いてくれている様子を見ると安心します。私たちは雇用主でもありますから、お客さまだけでなく彼らにも笑顔でいてもらえることが何より大事なんです」

チェックインの忙しい時間帯。従業員に指示をだしつつ、みずからもてきぱきと動く。

無知だったから踏み出せた

嫁いでくる前、久保氏に旅館業の経験はなかった。

「当初、従業員から『よく女将になる決心をされましたね』と驚かれたのですが、そのときはなぜそのように言われるのかすら、わからなかったんです」と久保氏は笑う。

だが、今になって振り返れば、それは大変な選択だった。

「宿の女将になるということの重大性を、もし初めから知っていたら――、きっと怖くて決断できなかったと思います。無知力って、意外と大事なんですね」

環境が変わり、さらに出産と子育てまでもが重なる中で、女将としての奮闘の日々が始まった。

ラウンジにて。女将となってからの日々を静かに回想する。

「全部一度にきましたからね。自分自身が強くならざるを得ませんでした」

静かな言葉と笑みの奥に、久保氏が乗り越えてきた苦闘の時間と、その先に得た自信の両方を垣間見る思いがした。

この土地の人になる

久保氏にとっては、東京で過ごした時間が一番長かった。懐かしむ想いもあったけれど、今は違う感情があるという。

「当初は東京に帰ることが、何より嬉しかったんです。でも、いつのまにかここに戻ってくると、ほっと安心している自分に気づくようになりました。すっかり群馬の女、ですよね」と笑ってみせる久保氏。

清冽な谷川を見下ろす、離れの読書ルーム前で。

この地にあって自分を惹きつけるのは、美しい谷川の自然であり、心地よい人との距離感であるという。そして、宿だけではなく地域への想いも芽生えた。

「宿をよくするだけでなく、もっと地域の役に立てたらいいなと思っています。そういう想いは、地元出身の主人より、外から来た私の方がむしろ熱いかもしれません」

日々、大切にしているのは、外から来た人間だからこその客観的な視点と、それを、時間をかけて伝える姿勢。当主である夫からは、その両方を学んだという。

宿への想いは、やがて地域への想いにまで育っていったと語る久保氏。

「私も、最初はよかれと思っていろいろ言いすぎて、主人に怒られたりもしました。外から見えること、外から来て気づくことは、もちろん大事。でも、それを他人に理解してもらうためには『郷に入れば郷に従え』ともいいますが、上手に時間をかけて、信頼を得ながらと考えて、今は焦らず取り組むようにしています。私自身も、新しく入ったスタッフには『どう思う?』と聞くようにしています」

宿とは、誰かの時間を預かる場所だ。そしてその誰かを見送るたびに、また次の一日が静かに始まる。谷川岳を望むこの土地で、久保氏は今日も変わらず、お客さまを迎える準備をしている。みずからも少しずつ、この土地ならではの“癒し”そのものになりながら。

久保真帆氏
埼玉県出身。宝飾店勤務などを経て、2018年に「別邸 仙寿庵」三代目当主、久保英弘氏と結婚。「別邸 仙寿庵」「旅館たにがわ」の若女将となり、現在は女将を務める。

別邸 仙寿庵

住所:群馬県利根郡みなかみ町谷川614
アクセス:関越自動車道・水上I.C.から約10分
駐車場:あり
※EV充電ステーション:あり(要お問い合わせ)

別邸 仙寿庵は、レクサスカード特約店です。

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