RZ 450e & UX300e
レクサス RZ 450eが正式デビュー。同時にUX300eの一部改良、バッテリーEVオーナー専用サービス新設を発表
2023年3月30日、レクサスはブランド初のBEV専用モデル「RZ」の正式導入とBEVモデル「UX300e」の一部改良を発表するとともに、バッテリーEVオーナー専用サービス「LEXUS Electrified Program」を開始した。レクサスは2005年のRX400h発売以降、ハイブリッドでラグジュアリー市場における電動化のリーダーとなっていたが、今後はBEVを軸とするブランドへ変革していく。
Text:Web Motor Magazine
Photo:LEXUS International
RZはBEVの新たな基準となるべく開発された渾身の意欲作
「RZ」はレクサスブランドの電気自動車(BEV)専用モデル。BEVの新たな基準となるべく開発された渾身の意欲作で、レクサスの新時代を告げるモデルとなる。
BEV専用プラットフォーム(e-TNGA)採用に加え、バッテリーやモーターの最適配置による理想的な慣性重量配分や、軽量かつ高剛性なボディの実現により、BEV車両として基本性能を別次元に進化させた。
さらに、電動化技術を活用した4輪駆動システム「DIRECT4(ダイレクトフォー)」の採用でこれまでにない気持ちのいいドライビングフィールを実現し、「Lexus Driving Signature」を大きく進化させたという。
パワーユニットはフロントに最高出力150kW(204PS)、リアに80kW(109PS)の駆動用モーターを搭載。車輪速や加速度、舵角などのセンサー情報に基づいて前後トルク配分を100:0〜0:100の間で制御する。
またこのパワーユニットを精密にコントロールすることで、発進時や直進加速時にはピッチングを抑えながらダイレクトな加速感が得られるよう、またコーナリング時にはステアリング操作やトラクションに応じてトルクを配分し、スムーズな走りを実現した。
500台限定のファーストエディションが狙い目か?
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式でリアがトレーリングアーム式ダブルウイッシュボーン。路面入力の周波数に応じて伸び側ストロークの減衰力を変化させる周波数感応アブソーバー「FRD II」をレクサス車として初採用したほか、「パフォーマンスダンパー」の装着車も設定される。
ボディサイズは全長×全幅×全高=4805×1895×1635mmで、ホイールベースは2850mm。バッテリーのフロア下への搭載による低重心・低慣性モーメントの実現や、ラジエーターサポート部に補強を施すなどしてボディの強化が行われている。
駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は71.4kWh、一充電走行距離は494kmと発表されている。
レクサスRZは、「RZ450e バージョンL」グレードのみの設定となるが、まず最初に発売記念特別仕様車「RZ450e ファーストエディション」(限定500台)が販売される。
なお、ワンモーショングリップと呼ばれるステアバイワイヤシステムは遅れての設定となるという。
レクサス RZ 450e ラインナップ
RZ 450e バージョンL 880.0万円
RZ 450e ファーストエディション 940万円
レクサス RZ 450e バージョンL 主要諸元
・全長×全幅×全高:4805×1895×1635mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:2100kg
・モーター:交流同期電動機
・フロントモーター最高出力:150kW(204ps)
・フロントモーター最大トルク:266Nm
・リアモーター最高出力:80kW(109ps)
・リアモーター最大トルク:169Nm
・バッテリー総電力量:71.4kWh
・WLTCモード航続距離:494km
・駆動方式:4WD
UX300eは容量を72.8kWhに増強した新バッテリーを搭載
BEVモデル「UX300e」の一部改良の注目ポイントは、新たに開発した電池パックの導入。電池容量を54.4kWhから72.8kWhに増強し、航続距離512km(従来型比約40%)伸長するなど、BEVとしての基本性能を向上させた。
さらに、リアサスペンションに「パフォーマンスダンパー」を標準装備し、ボディのスポット溶接打点を追加することでボディ剛性を強化。電池パックの床下配置によるBEV特有の低重心パッケージの基本性能の高さを引き上げるべく、EPSやアブソーバーの最適化を図った。
レクサス UX 300e ラインナップ
UX 300e バージョンL 630.0万円
UX 300e バージョンL 685.0万円
BEVのライフスタイルをきめ細かくサポート
レクサスは、ブランド初のBEV専用モデル「RZ」や、航続距離を伸ばした「UX300e」の発売を皮切りに、BEVの本格的な普及とカーボンニュートラル社会の実現を目指して、電動化がもたらすクルマの進化と楽しさを追求していくとしているが、そのために、レクサスのBEVオーナー専用サービス「LEXUS Electrified Program」をスタートすることになった。
これはユーザーがBEVを購入してから売却までの間に直面する様々な不安や困りごとをサポートするもので、レクサスならではのサービスや体験を提供するというものだ。
購入検討から利用中まで、24時間365日対応可能なレクサスオーナーズデスクがBEVのライフスタイルをサポート。
具体的には、特別な研修を受けたスタッフ「BEVコンシェルジュ」をレクサス販売店に配置してさまざまな相談に対応すると同時に、レクサス販売店での急速充電器サービス、レクサスオリジナル普通充電器本体の無償提供、商業施設などでのレクサス充電ステーションの設置、充電スポットを案内するルート検索の提供、バッテリー3Rへの協力金支給などを行う。
レクサスの販売店網や顧客サービスの充実は定評があるところで、日本市場でのBEV普及に新しい波が訪れるものと期待される。
出典:Webモーターマガジン