Lifestyle

旅の持ち物
気になるあの人の旅道具

普段の生活の中で何気なく使っている日用品。それが“旅道具”に特化した途端、使う人の個性やスタイルが表れます。さまざまなスポットを行き来する旅の賢者たちに、お気に入りの旅のグッズを見せていただきました。道具の選び方はもちろん、そこからは使える旅道具のヒントが見えてきます。ぜひ、参考にしてみましょう。

  • 自分のパーソナリティと
    フィットするものを選ぶ

    旅人01
    輸入代理店代表
    田窪寿保さん

    Profile

    1966年生まれ。ヴァージン アトランティック航空を経て2006年にBLBG(ブリティッシュ・ラグジュアリーブランド・グループ)株式会社代表取締役に就任。伝統のある英国文化に造詣が深く、自らの著書に『ジェームズ・ボンド 仕事の流儀』(講談社)がある。現在、南青山に店舗を構える「ヴァルカナイズ・ロンドン」は、今秋11月に再始動に向けて全面改装中。新しい体験、感動をお届けすべく日々奮闘中

    英国カルチャーへの造詣が深いことで知られ、落ち着いた大人の雰囲気が魅力の田窪寿保さん。ジェントルマンな印象とは裏腹に、学生時代、アメリカやヨーロッパ各地をバックパッカーとして回り、その経験から多くの人たちと触れ合うことでコミュニケーション能力や度胸がついたといいます。現在は、青山、銀座、名古屋と全国に3店舗展開し、英国王室御用達の英国ラグジュアリーブランドを揃えるショップ、「ヴァルカナイズ・ロンドン」を運営するBLBGの代表を務め、イギリスを中心に商談を兼ねた旅が多いようです。

    「仕事で英国に行き、その後ヨーロッパの近隣諸国を旅行することが多いですね。その際、旅の荷物は極力少なくすることを心掛けています。ただ、現地でドレスコードのあるレストランへ行ったり、急な会合への参加が求められることもあるため、ジャケットや革靴などは必需品です。道具選びに関しては、自分にしっくりくるものが中心。機能性はもちろんのこと、自分の個性にフィットするものを優先しています。その感覚がものと長く付き合うことができる秘訣だと思っています」。

    • TURNBULL& ASSER/Classic Shirt

      「ターンブル&アッサーのシャツは、仕立ての頑丈さから5年程経たないと自分のからだにフィットしません。フィットした際の美しさは抜群で、大事な商談や会合などでの勝負シャツとして愛用しています」

    • JOHN LOBB/Glove

      「8年程愛用しているジョンロブのグローブです。自社のグローブブランドのものも持っていますが、シューズブランドのジョンロブがグローブを手掛けていることが興味深くて購入しました」

    • FOX UMBRELLAS/Folding umbrella

      「イギリスは雨天が多いので、傘はバッグに忍ばせておくのが必須です。ハンドルはシルバープレートで、このブランドが創業した際、ステッキとして使用していたハンドルを復刻させた別注アイテムです」

    • SONY/Headphone

      「ノイズキャンセリング機能搭載のヘッドホンは必需品。さまざまなブランドのヘッドホンを試してきましたが、私にはこれが1番フィットします。普段、クラシック、ジャズ、ロックなど何でも聴きますが、個人的にはブルースが好きですね」

    • GLOBE-TROTTER/PC Case

      「航空会社出身ということもあり、当時憧れていたコンコルドとのコラボレーションで生まれたレザー製のPCケース。スーツやジャケットスタイルに合わせやすいのも気に入っています」

  • 昔の旅人のようなイメージで選ぶ
    クラシックな旅道具が好き

    旅人02
    ブーツブランドディレクター
    鈴木理也さん

    Profile

    1961年東京都生まれ。アメリカのワークブーツブランド「レッド・ウィング」の日本法人代表を経て、現在は自身が手掛けるブーツブランド「オルシャンクス」のディレクターを務める。また、ブランドのコンサルティングなどを行い、「ブーツのミカタ The Boot Ally」と題するYouTubeチャンネルも持つ

    多い時で年間20回ほど、旅のほとんどが仕事を目的とする出張が多かったという鈴木理也さん。使い慣れた旅道具はコットンキャンバスや革などの天然素材を使用したものを中心にクラシックなデザインのものが目立ちます。イメージはブーツを履いて馬に跨って旅をする昔の旅人を自身に置き換えることで、旅へのモチベーションや楽しみが増すのだといいます。

    「私自身、古いものは好きですが、ヴィンテージファンというわけではなく、もちろん実用性を考えて選んでいます。道具選びにおいて重視しているのは、プロダクト(製品)として普遍的でありクラシックなデザインであること。必然的にコットンやレザーといった天然素材を使用した道具になってくるのですが、それらのよいところは使っていくうちに経年変化によって味わい深くなり、愛着が湧いてくること。もちろん、タフな旅でもへたらない、耐久性の高い製品であるのも大きな魅力ですね」。

    • 1943年のROLEX/OYSTER SPEEDKINGと、1950年代のWestclox/POCKET BEN

      「かれこれ40年近く前に購入したロレックスのスピードキングとウエストクロックスの懐中時計。袖口から時計が見えづらい時はベストに懐中時計を装着します」

    • RED WING/Huntsman

      「旅の足元は基本的にブーツです。このブーツは自身で企画した1足でヴィンテージのように先芯を省き、サイドにポケットを付けカスタムしました」

    • Shoe Maintenance Kit

      「基本的にはブーツ1足を履いて旅に行きます。知らない土地で毎日のように履くと汚れも付きやすいので、簡単な靴磨きセットは常にバッグに忍ばせています」

    • Django Atour/Shirts

      「フランスのアンティークシャツをベースにデザインされたシャツです。小さな襟を立てると、ジャケットやベストの生地に直接肌が触れるのを避けられるため、重宝しています」

    • DULUTH PACK/Back Pack

      「長年愛用しているため、底面のレザーやストラップの縫製部分など、リペアを繰り返しながら使っています。スーツケースにコンパクトに収納できるため便利です」

  • たまに使うものだからこそ
    気分が上がるものを選びたい

    旅人03
    ブランドディレクター
    坂田真彦さん

    Profile

    1970年和歌山県生まれ。高校卒業と同時に上京し、バンタンデザイン研究所に入学。卒業後、いくつかのコレクションブランドを経て、2004年にデザインスタジオ「アーカイブ&スタイル」を設立。2006年から’13年まで、青山でヴィンテージショップのオーナーでもあった。現在は、「SOPHNET.」「TAKEO KIKUCHI」のクリエイティブディレクションを手掛ける

    国内外問わず、また長期、短期を合わせると、平均で年に7、8回旅をしている坂田真彦さん。直近の旅といえば、1年がかりで旅の準備をし、40代最後の年越しに、年末年始を使い渡った南極旅行。1年前からの計画で「来年、年越しをどうしようかな……、などと考えながらの冒険旅行でした(笑)。若い時は何か明確に見たいものや体験したいものの目的を持って旅行を計画していましたが、年齢を重ねるにつれ、目的を持たない旅もいいかな、と思うようになりましたね」。

    仕事やプライベート、どちらにも旅は欠かせないという彼にとってのもの選びの基準を聞いてみました。「旅道具は、日常的に使用するものではなく、たまに使うものなので、極力、気分が上がるものを選んでいます。例えば上質なレザーを使用したものが好きですね。いくら便利だからといって使い捨てのようなものは好みません。それよりも使っていくうちに経年によって、風合いが増すことで愛着が湧きますし、必然的に長く使えるような道具が好みです」。

    • HERMES/Book Jacket

      「旅には必ずといっていいほど、2〜3冊の本を持って行きます。上質なシボのレザーとシンプルなデザインのエルメスのブックカバーはお気に入りです」

    • Church’s/AIR TRAVEL

      「チャーチのルームシューズは自宅でも愛用していますが、このエアトラベルはソールがやや薄め。ホテルや飛行機の機内などで活躍しています」

    • Aesop/Room Spray

      「香りが強めなルームフレグランスとは違って、アロマでリラックス効果と消臭効果を期待できるルームスプレーを愛用しています」

    • SONY/α7

      「メモ代わりや備忘録はiPhoneのカメラで済ませてしまうため、旅行中にこれといって撮るものはあまりありませんが、夜景など特別な瞬間を撮影するのに、抜群の性能を発揮してくれます」

    • Manhattan Portage BLACK LABEL/CLOISTERS TOTE BAG

      「バックパックは自分のスタイルには合わないので、大きめのトートバッグを愛用しています。2〜3泊くらいであればこうしたトートバッグで十分です」

  • 1週間の旅道具に必要な
    コスメティック用品が中心です

    旅人04
    スキンケアブランド代表
    平野宏枝さん

    Profile

    神奈川県・葉山町とカリフォルニアのデュアルライフを通し、美容・健康・ライフスタイルにおいての「WELLBEING(持続的な幸せを感じること)」な考え方を発信。自らスキンケアブランド「セラプル」の商品を開発する他、マーケティングコンサルティング、執筆、イベントプロデュースなどを行う

    ビューティプロデューサー、メイクセラピスト、さらにはカリフォルニア観光局公認PRとしても活躍し、『気持ちいい毎日を生きるLAスタイル』(双葉社)の著者でもある平野宏枝さん。「基本的には仕事で海外に行く機会が多いので、コスメティック用品などは旅の期間に合わせ、1週間単位で使い切る分量を計算して持って行きます」。現在は、コロナ禍にあって海外へ旅することは自粛していますが、国内であれば“クルマでの旅行”が次の目的だそう。

    「普段、旅といえば海外がメインですが、国内の温泉やクルマでしか行けないような秘境のようなところも行ってみたいですね。もちろん、荷物もクルマのラゲッジスペースに頼らず、普段、海外へ行くのと同じく、必要最低限の量に絞って持って行くつもりです。日本とカリフォルニアとの往復で学んだことは、サスティナブルな取り組みに以前にも増して関心を持てたこと。この世界的にひっ迫した状況の中で、ひとりひとりが意識を高める機会になってくれればよいなと思っています」。

    • 無印良品/ポリエステル吊るせるケース着脱ポーチ付

      「充電器やUSBメモリ、各種コード類など、頻繁に出し入れするものを収納しておくのにとても便利。コンパクトに折り畳んで小型のバッグにも収まるのもうれしい限り」

    • GoPro/HERO6

      「仕事柄、海外での活動をカメラに収める必要があるため、さっと取り出してアクティブに使えるGoProはありがたい存在。自然などの壮大な景色が撮る時にも使っています」

    • TEA BAG/Assort

      「ポーチには、有機ハーブティやサプリメントを常備しています。下の2パックはレザーウッドハニーと、発酵エキスのパウチ(たかくら新産業)で、長時間の旅では、リラックスするための、こうしたヘルスケアアイテムが欠かせません」

    • CLAYD/WEEKBOOK

      「美容と健康のために旅行先のバスタブに入れることで、からだが温まって、血流もよくなりとてもリラックスできます。旅の疲れを癒すため、入浴はとても大切です」

    • CERAPLE/スキンケアセット

      「旅に重宝するセラプルスキンケア。オイルセラム1本で潤い、気になる目元にはアイゾーンオイルバームを。アロマとミネラル豊富のクリアリングバスソルトで潤い時間。男性も女性も使えるシェアドコスメです。やはり1週間分持ち歩きます」
      【CERAPLE オフィシャルサイト】
      JAPAN:https://ceraple.com/jp
      USA:https://ceraple.com

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