Car

愛車をカスタマイズ
新型レクサス RXの個性を引き立てるパーツに注目。「モデリスタ」と「F SPORT PARTS」の、異なる方向性とは?

愛車をより個性的にカスタムする方法はさまざまですが、納車後だけでなく新車注文時にも装着できるディーラーオプションの人気は以前にも増して高まっています。そこで今回は、レクサスの新型RXに設定されているカスタマイズブランド「モデリスタ」と「F SPORT PARTS」に着目、このふたつにどのような違いがあるのか紹介していきます。

Text:Yohei Kageyama
Photo:Lexus International/TOYOTA CUSTOMIZING & DEVELOPMENT

カスタマイズの方向性はラグジュアリー? それともスポーツ?

レクサスの最量販モデル「RX」がフルモデルチェンジし、5代目となったその姿が初めて公開されたのは2022年6月のことでした。従来モデルと比較して90kgの軽量化やボディ剛性の向上による高い走行性能、新グレード「RX500h“F SPORT Performance”」の設定など注目ポイントは多くあります。

とはいえ、登場から真っ先に注目を浴びたのはデザイン性の高さでした。全長は従来モデルから変わらず、全幅は25mm広く、全高は5~10mm低くと、ボディサイズはほぼ同程度(全長4890/全幅1920/全高1700~1705mm)としながらも、デザインワークによってよりワイド&ローなフォルムとなり、新たなデザインコンセプト「スピンドルボディ」を取り入れて上品さと力強いたたずまいを両立させています。

ナイフのような形状をしたDピラーやフローティングルーフなど従来モデルからのデザインを受け継ぎつつ、革新的デザインを得た新型のレクサス RX。

この新型は2022年11月に発売されて、すでに正規販売ディーラーに展示車両や試乗車両の配備が進められていることから実車を目にした人も多いと思われますが、その個性的なスタイリングをさらに強調するパーツも同時に販売されています。

レクサス用のパーツも開発しているトヨタカスタマイジング&ディベロップメント(以下、TCD)はトヨタ自動車のグループカンパニーで、新型車の開発と並行してカスタマイズアイテムを準備できる企業のひとつ。そのためニューモデルの登場とほぼ同時にカスタマイズアイテムも発売し、いわゆるディーラーオプションとして設定されているのです。

カスタムの方向性もひとつではなく、「モデリスタ」と「F SPORT PARTS」のふたつのブランドによって異なるコンセプトを提案し、いくつものパーツをラインアップしています。

モデリスタ(上)とF SPORT PARTS(下)の両ブランドともディーラーオプションとして設定されて、新車購入時でも納車後でも装着できるようになっています。

フロントバンパー下部に装着し、一般的にフロントスポイラーと呼ばれるパーツひとつとっても、モデリスタはクルマをよりワイドで低く見せたうえでメッキ装飾を施してラグジュアリーさを演出。一方のF SPORT PARTSは、走行安定性に寄与するエアロダイナミクス性能を重視してカナード形状を取り入れるなどして空力特性を高め、その名のとおりスポーティな印象としています。

いずれにしても、ラグジュアリーブランドであるレクサスのSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)、「RX」の特性を引き立たせるパーツ群だということに間違いはないでしょう。

トータルコーディネートできるパッケージ装着が人気

ディーラーオプションとしてラインアップされている両ブランドですが、どのグレードでも装着できるのではなく、「モデリスタ」はRX450h+“version L”とRX350“version L”に、「F SPORT PARTS」はRX350 F SPORTとRX500h F SPORT Performanceに適合し、それぞれの個性をより強調するよう差別化を図っています。

ラグジュアリー仕様ともいえるグレード“version L”向けのモデリスタは、「魅惑的で引き締まった」という意味合いの「グラマラス(Glamorous)×テンス(Tense)」をデザインコンセプトに掲げて、メッキ加飾を取り入れた9つのエクステリアパーツを用意します。

中でも前後横のボディ下部を装飾するフロントスポイラーやサイドスカート、リヤスカートはくびれのような凹凸で陰影をつけつつ、ワイドで迫力のあるラグジュアリースタイルを演出しています。また異なるデザインの21インチと20インチのアルミホイールは、いずれもスーパーブライトクロームの塗装を施され、スポークの断面や面の質感、ラウンド感、レリーフなどにより奥行き感のあるデザインを特徴とします。

モデリスタのエクステリアパーツすべてを装着した車両。ホイールは写真の21インチ8.0Jのほかに、20インチ7.5Jの仕様も用意されています。

一方、F SPORTグレード向けのF SPORT PARTSは歴代モデルと同様に「エアロダイナミクスコントール×トータルバランス」を踏襲し、ムダを削ぎ落とした究極の機能美を体現するスポーツパーツをキーワードに開発されています。

フロントスポイラーやリヤディフューザー、リヤウィングなどはもちろんのこと、ドアミラーカバーも空気の整流効果を得られるデザインとして、操縦安定性や直進安定性、接地感などといった走行性能を高める効果をもたせているのです。

カラーバリエーションも特徴的で、エクステリアパーツは「ボディ色×艶消し黒」によるツートンカラーを基本としつつも、ブラック塗装より引き締まった印象とする「ブラックエディション」も設定しています。さらに、エキゾーストフィニッシャー4本出しの「スポーツマフラー」や、走行中に発生するボディの変形を抑え、路面から伝わるノイズ・振動を吸収して走行性や快適性をも高められる「パフォーマンスダンパー®」EX Plusをラインアップに加えています。

純正ボディ色とブラックを組み合わせたF SPORT PARTS装着車。軽量で高強度な鍛造アルミニウム製の21インチ8.0J(写真)と20インチ7.5Jのホイールも用意されています。
F SPORT PARTSの「ブラックエディション」はフロントスポイラーやサイドスカート、リヤウィングなどをブラック塗装とした仕様です。

こうしたパーツ群の選び方はもちろんユーザーの好みですが、モデリスタであれば例えば「フロントスポイラー+サイドスカート+リヤスカート+リヤインフレーティングシェル」をセットにしたパッケージを装着してラグジュアリー仕様とするのも手です。実際、レクサス車にモデリスタやF SPORT PARTSのパーツを装着したユーザーの多くはパッケージで購入しているのだそうです。

パッケージを装着することのメリットといえば、前後左右から見たデザイン的統一感を得られることがひとつ挙げられます。F SPORT PARTSはこれに加え、前述のとおり空力特性を考慮した設計であることから「フロントスポイラーだけ」や「リヤウィングだけ」といった装着よりも、パッケージ装着の方がよりバランスのよい空力性能を発生、接地感や直進安定性などの走行性能に好影響を与えるのだといいます。

ちなみにモデリスタやF SPORT PARTSの装着イメージは各WEBサイト(https://www.modellista.co.jp/product/rx/もしくはhttps://www.trdparts.jp/lexus/rx/)で見ることもできますが、正規販売ディーラーには展示車や試乗車としてパーツ装着車両を用意されることもあるようです。一度、最寄りの販売店にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

※「PERFORMANCE DAMPER/パフォーマンスダンパー」はヤマハ発動機の登録商標です。

DIGITAL magazine Vol.06 Recommend

2024 Spring

レクサスカード会員のためのハイエンドマガジン「moment」のデジタルブック。
ワンランク上のライフスタイルをお届けします。