申し分のない設備やサービスに加え、個性と風格、逸話を有する宿。
「名門の宿」は世界各地のホテルや旅館を体験したmoment編集室によるセレクションでお届けします。

名門の宿 第7回
HOSHINOYA Karuizawa 長野県軽井沢町(日本)

星のや軽井沢

撮影・竹沢うるま 文・moment編集室

日本を代表するホテルグループ、星野リゾート。そのトップブランド「星のや」の国内5施設のひとつ「星のや軽井沢」は、星野リゾートの原点といえる歴史をもつ。

リゾート理想郷で“現代を休む日”

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日本を代表するホテルグループ、星野リゾート。そのトップブランド「星のや」の国内5施設のひとつ「星のや軽井沢」は、単にトップブランドの1軒ではなく、星野リゾートの原点といえる歴史をもつ。1914(大正3)年開業の温泉旅館には、温泉をこよなく愛した文化人たちが集い、そんな彼らとの交流で現在にいたる礎を築いてきた。周囲にある豊かな自然を保ち、共生するリゾート理想郷としての原点だ。

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たとえば、周囲を森に囲まれた山あいに立ち並ぶ「星のや軽井沢」の客室は、「水波」「山路地」「庭路地」の3ブロックから成るが、いずれも大きな窓や広々としたテラスから、四季折々で変化をみせる森の表情、川のせせらぎや鳥のさえずりを見て、聞いて、心癒される時を過ごすことができる。そして室内にもどれば、天井高の快適な空間で好みの音楽を聞きながら読書にふけるもよし、心地よいベッドでまどろむもよし。

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1914年はまた、名湯星野温泉が開湯した年でもある。100年余経た今も豊富な湯量を誇るナトリウム・炭酸水素塩・塩化物泉は、「星野温泉 トンボの湯」と「メディテイションバス」で堪能できる。「星野温泉 トンボの湯」は一般客も利用できるが、オープン直後は「星のや軽井沢」宿泊客のみ。清々しい空気のなか、源泉かけ流しの内湯と大きな花崗岩を配した露天の朝風呂は極上の贅沢だ。「メディテイションバス」は終日「星のや軽井沢」宿泊客限定で、「光の部屋」と「闇の部屋」で構成された新感覚の温泉だ。

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メインダイニング「嘉助」の名は、代々星野家の当主が襲名した名でもある。豊かな森を守ってきた彼らの思いを受け継ぐかのように、厳選した地場の食材を用いたこだわりの“山の懐石”。連泊の場合は、徒歩圏内にある姉妹ホテルのフランス料理「ブレストンコート ユカワタン」もおすすめだ。日本人の感性から生まれる自然美を映し出した繊細な料理に魅せられて、国内外の美食家たちも通う美しい料理を堪能したい。

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そして特筆すべきは「星のや軽井沢」に隣接する森の入り口に建つ「森のいきもの案内人 ピッキオ」の存在だろう。1992年に設立された野鳥研究室が前身で、95年にイタリア語でキツツキを意味するピッキオに改称された。軽井沢を拠点に野生動植物の調査や保全活動を行うと共に、エコツアーや環境教育にも携わるエコツーリズムの専門家集団である。毎日「野鳥の森ネイチャーウォッチング」が行われており、森の生態を知りつくした「ピッキオ」のネイチャーガイドが、その時季ならではの鳥や植物、足跡から推測する動物の話などをたっぷりレクチャーしてくれる。

東京から車でわずか2時間半。リゾート理想郷「星のや軽井沢」で“現代を休む日”を過ごすのも悪くない。

カメラマン・プロフィール

たけざわ うるま◎1977年生まれ。写真家。出版社のカメラマンを経て2004年に独立。「日経ナショナル ジオグラフィック写真賞2014」グランプリ受賞。写真集/著書に『Walkabout』『The Songlines』『Buena Vista』などがある。

HOSHINOYA Karuizawa

星のや軽井沢

住所:長野県軽井沢町星野
電話:0570-073-066(予約専用)
URLhttp://hoshinoya.com/

(2016年5月/取材は2014年7月)