日本人の心の故郷にして永遠のあこがれ、京都。
生粋の京都人ライターが、奥深い京の歳時記や知られざる名品、名所を綴ります。

京都通コラム 第5回

祇園祭の銘菓、下鴨神社の御手洗祭

文・大喜多明子

7月といえば、まずは祇園祭。1日の吉符入りに始まり、山鉾巡行、神幸祭、還幸祭など、1カ月にわたり行事が続きます。大きな見どころでもある山鉾巡行は、一昨年から前祭、後祭に分かれた本来の形が復活。今年平成28年は日曜にあたるということで、相当盛り上がりそうですね。

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駒形提灯が灯された宵山の菊水鉾。

宵山のおたのしみ

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7月といえば、まずは祇園祭。1日の吉符入りに始まり、山鉾巡行、神幸祭、還幸祭など、1カ月にわたり行事が続きます。大きな見どころでもある山鉾巡行は、一昨年から前祭、後祭に分かれた本来の形が復活。それぞれ17日、24日に行われ、今年平成28年は日曜にあたるということで、相当盛り上がりそうですね。

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7月10日頃からは各山鉾町で山・鉾建ても始まり、駒形提灯が灯され祇園囃子が響く宵宵山から宵山は、見物の人がどっと詰めかけ大にぎわいです。私が宵山に出かける時、よく訪ねるのが菊水鉾のお茶席。菊水鉾は、町内にあった菊水井にちなんで名が付けられた鉾で、菊の露を飲んで長寿を保ったという能楽の「枕慈童」の稚児人形を乗せています。お茶席といっても、広い町会所の椅子席で行なわれるもので、有料ですが誰でも気軽に参加でき、お点前を拝見しながら抹茶とお菓子がいただけます。お菓子は、菊の露のしたたりを飲んで不老長寿になったという「枕慈童」にちなみ作られた、亀廣永の「したたり」。黒砂糖を使ったぷるるっとしたお菓子で、もとはこの期間しか作られなかったとか。菓子皿も持ち帰ることができ、毎年色や形が変わるのでコレクションも楽しみ。使いやすいサイズで、実は毎日愛用しています。

菊水鉾は今年、4年がかりで新調した七福神の懸装品が完成。そちらも楽しみです。お茶席当日券は2,000円。

菊水鉾:京都市中京区室町四条上ル

無病息災を祈る神事

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同じ7月、土用の丑の前後(平成28年は7月23〜31日)に行われるのが、下鴨神社の御手洗(みたらし)祭。境内の御手洗池に足をひたしてけがれを払い、無病息災を祈るもので、別名足つけ神事といわれます。裸足で池の中を進み献灯するのですが、最初に足をつけた時のひやっとした冷たさはなかなかのもの、身が引き締まります。

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膝くらいの深さを歩けば、童心にかえってはしゃぎそうになるほどの楽しさも。ロウソクをお供えしたら、池から上がりご神水をいただくこともでき、身も心もすっかり清まった気分。締めくくりはみたらし団子。御手洗池の泡をかたどったのが始まりといわれる、おいしいお団子もおすすめです。灯明用ロウソクお供え料300円。

下鴨神社:京都市左京区下鴨泉川町59

おおきたあきこ◎京都府生まれ。ライター、コピーライター。京都府立大学文学部卒業。広告代理店勤務を経てフリーとなり、広告制作を行う一方、女性誌、会員誌などでパン、スイーツ等の食や、伝統のものづくりをレポート。京都市在住。著書に『未在 石原仁司の茶懐石』がある。