レクサスカード特約店のゴルフ場が名コースである理由を、著名なゴルフ・ジャーナリスト、西澤忠が自身の体験に基づく豊富な知識で論じます。
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特選ゴルフコース論

Kochi黒潮カントリークラブ

文・西澤忠(にしざわ ただし/ゴルフ・ジャーナリスト)

土佐湾から太平洋の眺望で人気のコース、Kochi黒潮CCは山岳地にありながら、フラットなコースに今流行のベント系の洋芝グリーンを維持管理している。

太平洋コースの1〜3番はその名の通り、太平洋に向かってティショットを打つ爽快感を味わえる。写真はトーナメント開催時の2番グリーン。

土佐湾を望むベントグリーンの醍醐味

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カツオの一本釣りと土佐湾の眺望で人気のコースは山岳地にありながら、フラットな地形で、ベント芝のグリーンが謳い文句である。

土佐の高知は県土の80パーセント以上が山岳地で、昔から「耕して天に至る」と言われるほど棚田の土地柄だ。そんな山を削り、平坦なコースを生み出したのだから、海を望む景観は土木工学と人間の力量に敬意を表したくなる。

聞けば、「黒潮コース」18ホール、「太平洋コース」9ホール、「暖流コース」9ホールの全部で36ホールは約286.3万平米(約86万坪)の面積。山岳地帯を土工事でならし、フラットにして芝を張る作業は困難を極めたに違いない。動いた土量は1000万立米というから普通のコース造成工事の4~5倍になるだろう。まさに良いコースは一日にしてならず……、ましてや高知の山岳地帯ではと頭の下がる思いである。

さらに、この南国・土佐の気候で、“L93&クレンショー”という今流行のベント系の洋芝グリーンを維持管理している。これだけ理想を高く、しかも熱意をもって運営しているのだから、日本プロツアーの最終盤、カシオワールドオープン開催の依頼が来たのも頷ける話だろう。鹿児島のいぶすきGCで開催されていたゲームがKochi黒潮CCに移ってきたのは2005年。以来、2017年で13回目の開催になる。

16年の大会では所属プロの片岡大育(だいすけ)が10月初めに、東海クラシックで優勝した直後だけに地元の応援が大いに盛り上がった。

さて、黒潮コースの9ホールと太平洋コースはプロトーナメント開催コースとして全国に知られているが、暖流コースも見逃せない。トーナメント開催コースは知名度とテレビ中継で名を馳せるが、もうひとつのコースも確実に質が高いもの。米国の名門コース、バルタスロールGC(ニュージャージー州)でも、ジャック・ニクラスと青木功が1980年に名勝負を演じたローワー・コースばかりが有名だが、同様の質を誇るアッパー・コースがある。テレビ中継や観客席の問題で試合コースは勘案されるが、コース内容と質は同じなのだ。

プレーを始めて思ったことは遥か海の水面が足より下に見え、水平線が見下ろせること。土佐湾が波も見せず、静かに横たわる海の景色は土佐の男達の気風の良さを象徴しているように思う。俗に言う坂本龍馬風な“土佐っぽ”の男らしさである。街まで出掛けて居酒屋で酒を呑んだら、「ここでは女の人も負けずに呑みます」と聞いた。土佐の人は男女ともに豪快な性格なのかも知れない。

コース内容については黒潮コースがレート(REG)で72.1、暖流・太平洋コースで71.6とそれほどの差はない。椰子や棕櫚の樹でセパレートされたフェアウェイは広く、平均約800平米と大きめのグリーンにトリッキーさはない。スティンプ・メーターで10フィートない日だったので、快適にプレーができた。

興味深いと思ったホールがある。それは暖流コースの7番ホール(410ヤード・パー4)。ややティから打ち下ろすホールだが、グリーン左手前に池がある。花道は右にあるので、池を避けるルートはある。しかし、旗の位置次第で池のハザードが効いてくるはず。まるで、カリフォルニア州パームスプリングスにあるT・ファジオかP・ダイの設計発想のようだと思った。米国のリゾート・コースにあるユニークなホールがここに移植されても、なんの違和感もないのは土佐湾を望むこの高台が日本のパームスプリングスとも言える存在だからであろう。

日本酒とカツオを堪能した土佐の海と山は、生涯忘れ難い“男らしい一日のゴルフ”になった。3パットもOBも苦にならない“土佐っぽ”のゴルフだったからかも知れない。

Kochi黒潮カントリークラブ

土佐の恵みと雄大なコースをお楽しみください

トーナメントでは太平洋コースをアウト、黒潮コース1〜5番、16〜18番がインで使われます。初めてプレーされる方には、広々としたフェアウェイの先に太平洋が見える太平洋コース、暖流コースをまずお勧めします。プレー後はカツオのたたきなど土佐自慢の肴に日本酒で19番ホールを。そして翌日には黒潮コースのスループレーをご堪能ください。

住所:高知県安芸郡芸西村西分甲5207
電話:0887-33-4333
アクセス:高知自動車道・南国I.C.から約30分、高知I.C.から約40分、高知龍馬空港から車で約20分
URLhttp://kuroshiocc.com/

moment 2017年 1/2月号より